今回の『真田丸』とパペットホームズの共通項はといえば、ずばりこれでしょう。
寧様のお菓子作りとハドソン夫人のクッキー作り
寧がわくさやきりに手伝わせて、秀吉の好きな生せんべいや、南蛮渡来のビスケットを作って差し出すも、秀吉はもはや食べてくれなくなっている。あれだけ苦労を分かち合って来た夫も、年老いてしまったなという寂しさが感じられる場面でした。昨年の『花燃ゆ』のように、お菓子を作れば万事すべて解決というわけには、やはり行かないようですね。
前置きが長くなりましたが、自分の愛する存在のために、心を込めてお菓子を作りたいという点、そして作るお菓子が何らかの意味を持つという点ではこの両者は共通します。パペットホームズの場合も、クッキーが発端でハドソン夫人の人となりがわかったり、221Bの依頼人にクッキーを振舞ったりしていました。寧が豊臣家の母であるように、ハドソン夫人はベイカー寮の母であるわけです。ただし、寧がきちんと手を洗ってくる(実際は、わくさがキリシタン関連の会話をしたがっているのを察して場を外す)のに比べると、ハドソン夫人の場合は、猫と遊んだ後手を洗わずにクッキーを作ってしまうという、少々大雑把なところがあるようです。
ちなみに第29回で登場した「ビスケット」というのは、当時ビスカウトと呼ばれた、ボーロや金平糖同様の南蛮菓子で、恐らくは携帯食として作られていたのではないかと思われます。実際その後も、軍隊の堅パンは英語圏でビスケットと呼ばれていて、陸軍が四角形、海軍が円形というように区別されていました。これは『花燃ゆ』の、
銀姫のビスケット関連記事 にも書いていますが、日本においては、水戸藩の蘭方医柴田方庵が、安政2年(1855)に、ビスケットの製法について藩に手紙を書き送っているのが史料に残されています。
そして真田家の父・昌幸の遊郭通い。先の投稿でも触れていますが、そもそもこの遊郭通いの動機は何であるのかが、何やら気になるところです。一方パペットホームズで女性と関係を持つ人物といえば、かのオルムシュタイン校長です。
「困った校長先生の冒険」では、特にこれといった理由もなくアドラー先生と奥さんに隠れて付き合い、後で結婚を断って困ったことになるわけですが、「本当に困った校長先生の冒険」では、理由があって女子生徒のイザドラ・クラインを好きになってしまい、しかもラブレターを脅迫のネタにされてしまって窮地に陥ります。一方真田昌幸は、妻からあれこれ言われるのはさほど意に介してはいないようですが、実際に吉野太夫絡みで窮地に陥るという展開になるのでしょうか。
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