『利家とまつ ~加賀百万石物語~』に登場する上杉主従を観てみました。実はこれも、そう熱心に観たわけではなかったので、どういう設定だったのかうろ覚えなところもあります。「まつにお任せくださいませ」の印象はあるのですが…そういえばまつさんは、よく味噌汁を作っていたようですが、何となくこれも「美和のおにぎり」を連想してしまいます。女性がメインだと、そういう形で持って行くのがストーリーを作りやすいのでしょうが。
OPのフォントは『武田信玄』を連想させます-『毛利元就』もこれと似ていたかもしれません。しかし、やはり『武田信玄』よりはかなり軽い印象です。1970年代までの大河とか、『武田信玄』などは確かに重厚で、それゆえちょっと昔風な印象を受けるところがあります。意外かもしれませんが、『独眼竜政宗』とか『葵 徳川三代』などは、結構顔ぶれが豪華な割に、おちゃらけた印象がありますね。『独眼竜』は現代バージョンの大河が振るわなくて、ピンチヒッターとしてジェームズ三木氏が登板し、結構エンタメ性が強かったため、その翌年に本格大河的な物を持って来たといったところでしょう。
では本編ですが、この上杉主従もやはり加賀でもてなしを受けます。しかもかなりの人数で、その中に前田慶次郎(利益)もいます。この慶次郎ですが、石田三成を蹴飛ばすのではなく殴っていますね…まあどちらにしても乱暴狼藉には変わりませんが。雰囲気的に、『天地人』の真田幸村に似た部分もあります。しかしここで不思議なのが、この慶次郎を始め居並ぶ人々が皆肩衣袴なのに、三成だけ平服、つまり小袖に袴であるということです。彼は関白の名代だから、この格好でいいのでしょうか。それと景勝役が里見浩太郎さんですから、実際よりもかなり年上の印象です。
また上杉景勝、直江兼続が関白に目通りする場面も、肩衣に袴です。何か略式の謁見といった感じです。史実では、景勝はこの時に官位を授けられるわけですが、正装しなくていいのでしょうか。それから、関白の御前に進み出た慶次郎が、いきなり羽織を裏返しに着て秀吉に背中を向け、自分の尻を叩くシーンが登場します。実はその羽織の背中には、猿の絵が描かれているわけです…しかし、ここまでやりますかね。ところでこの慶次郎を演じていたのは、かの及川光博さんです。こういう演出があるから、あるいは正装だとそぐわなかったのかもしれませんね。それからこちらは、というかこちら「も」直江兼続がちょっと冷たそうなイメージです。
この大河辺りから、若手起用でかつての大河をリメイクした雰囲気のものが主流となって行くようですが、そのやり方は成功したのでしょうか。どうもそういえないような気もします。今後は、『真田丸』もそうですが、知られざる存在、多少クセのあるキャラを、中堅やベテランの俳優さんたちを使って描いてほしいものです。また、基本的に主人公は男性または夫婦でいいかと思います。女性メインだと、どこか甘くなるのがやはりちょっとつらいですね、
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