明日3月27日は2016年の復活祭、つまりイースター・サンデーです。とはいっても、これは西方教会(カトリック、ルーテル、聖公会、プロテスタント諸派)の話で、所謂正教会は、それよりも大体2週間遅れます。またイースターの捉え方が西方教会と正教会で違うことで、それよりも開くこともあります。意外に思われるかもしれませんが、ユダヤ教の過ぎ越しの祭(パスオーバー)とも連動しています。正教会では、この復活祭が教会暦の中で最大の祭礼であり、クリスマスよりも盛大に祝われます。
この日は卵やウサギをモチーフにしたイベントが行われるので有名ですが、この卵もウサギも生命力の象徴とされています、というわけで、今年もウサギの画像を置いておきます(右下参照)。この日教会に行くとイースターエッグを貰えたり、あるいは教会のバザーでお菓子を購入したりできます。また聖体拝領も行われます。
日本でもイベントとしての復活祭を盛んにしよう、という動きが一部で高まっているようですが、ただ復活祭は移動祝祭日であり、年によってかなりずれがあるので、日にちを固定化できないという問題が出て来るでしょう。目安としては「春分の日後初めての満月の次の日曜日」ですが、3月の場合と4月の場合があり、正教会では5月にずれ込むこともあります。
またクリスマスにアドベント(待降節)があるように、復活祭の前にはレント(四旬節)から受難週(カトリックでは聖週間)、聖金曜日(グッド・フライデー)、そして聖土曜日があり、さらにその前にはカーニバルがあるわけです。今はかなり簡略化されていますが、クリスマスや復活祭は、本来はこういう前段階の時期に節制や施し金を行い、自らを悔い改めるものであったのです。
また復活祭の慣習として、新しい服をおろすというのがあります。特にこの日の礼拝には、新しい帽子をかぶって行くということも行われていました。それからドイツでは常緑樹で飾り棒を作って、教会で祝福してもらうと、その年の豊穣が約束されるともいわれます。あと聖金曜日から数日は休みなので、この時期を利用して旅行をする人も結構います。
*一部八木谷涼子氏の『キリスト教歳時記』(平凡社新書)を参考にしています。
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