先日番外編としてきりと梅、そしてパペットホームズに登場する女の子たちの比較について書きました。今回は本編の方です。しかし本編といっても、今回は
ここがそっくり! というのはあまりなかったのですが、上田城に室賀を呼び寄せて暗殺する辺りは、221Bに犯人を呼び寄せて、自分の推理を説明してみせるホームズ物にいくぶん似ているところもあります。
ホームズが221Bで推理を披露するのは、『花婿失踪事件』(パペット版では「消えたボーイフレンドの冒険」)、『マザリンの宝石』(パペット版では「本当に困った校長先生の冒険」)、『瀕死の探偵』の3編ですが、結構『マザリンの宝石』のトリック、つまり自分は不在だと見せかけて、実は相手の秘密の話を全部聞いている、などという落ちがあってもよかったのではとも思っています。
ところでこの回は、囲碁の盤面にかなり仕掛けがあるようです。ある大河関係ブログによれば、信繁と梅の祝言の際に、昌幸が室賀と碁を打った時は、昌幸の大敗だったようです。しかし昌幸としては、時間稼ぎの目的もあって故意にやめようとせず、結局室賀がわざと盤面を崩したとも取れそうです。
「
山手殿と石田三成 」にも書いていますが、昌幸はゲームとしての碁そのものはあまりうまくなく、碁盤も碁石も、戦略を立てる時のために道具として使っている感があります。そのため高梨内記は時々、殿にわざと負けているような気もします。しかしこの盤面の解説、ストーリーにも密接に絡むのであれば、是非公式サイトでやってほしいものです。
海外のミステリでは、チェスを使ったプロットは結構あると思われますが、今回はこの展開に似たものとして、ヴァン=ダインの『
僧正殺人事件 』を挙げておきます。僧正殺人といっても、別に司(主)教が殺されるわけではありません。この僧正はチェスの「ビショップ」のことです。
ビショップでキングを王手詰め(メイト)にする展開の部分が、かなり重要な意味を持っています。ヴァン=ダインは何となく癖がある感じで(ホームズもですが)、ちょっと敬遠していたのですが、読んでみようかなと考えています。ちなみに「僧正」とは、犯人と思しき人物の偽名でもあります。チェスへのこだわりもさることながら、マザーグースへの愛着もあって、なかなか凝った作品であるといえます。そういえば『相棒』でも、特命の備品ともいえるチェス盤と駒で、事件の進行を表した回がありましたね。
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