『真田丸』のBS視聴率が、過去最高の4.7パーセントに達したようです。地上波では10パーセント台後半ですが、その分BSがかなり伸びているようで、もうBSの視聴率を毎週発表していいのではと思います。ちなみに過去の大河ドラマの初回、最高、そして平均それぞれの視聴率を見ると、作品によってかなり違うことがわかります。
NHK大河ドラマ視聴率 (ビデオリサーチ)
結構何十年も前、BSもなく録画もまだ一般的でなかった頃でも、平均が10パーセント台という作品もあります。主人公の知名度が今一つで、あまり数字は取れなかったけど、コアなファンがいたり、地元では熱烈に支持されたり、あるいは内容が濃いドラマであったりということもあるでしょう。
では前回「妙手」についての感想です。昌幸が急病ということで(仮病臭いですが)、信幸、信繁、そして2人の叔父の信尹が、城の図面を手にして浜松城を訪れ、上田城の必要性を説きます。要は家康に出資させるための営業活動のようなものです。家康はその話に乗りますが、真田信幸が沼田城のことを切り出すと、知らぬ顔を決め込みます。結局信幸は声を荒げます。
家康「じゃが…」 信幸「じゃがではござらん!」その信幸を本多忠勝が如何にも不満気に見ていて、信幸に斬りかかろうとしますが、信繁が間髪を入れずそれを止めます。信幸もまた、忠勝に苦手意識を持ちますが、ナレーションにもあったように、この2人は後に舅と婿の関係になります。このナレーションがネタバレではないかといわれていたようですが、あるいは前もってこれを言うことで、その経過を楽しませる路線であるとも考えられます。「上田城で2度にわたって徳川を破る」しかりです。
また、とり=婆様が3人に対面します。人質生活にも関わらず、薬草を摘みに行ったりとマイペースなとりです。その後晴れて真田屋敷に戻されますが、女たちを集めて、今後の人質について話し合います。最終的に源次郎に嫁をもらうのはどうかということで、話がまとまりかけますが、そこにきりが水を差します。「源次郎様は、お嫁さんと一緒にいた方が…」しかしいくら高梨内記の娘とはいえ、一介の侍女がここまで口出しできるのでしょうか…あるいは自分がそうなりたいという願望があったのかもしれません。一方梅は、信繁に子供ができたことを告白します。
北条は沼田城を攻め立てます。家康がこの件を北条に一任したため、北条の使者が沼田城に書状を持って訪れたのを、あろうことか城代の矢沢頼綱が槍で突き殺してしまいます。齢七十に達する年齢としては、何とも血の気の多い話ですが、これは事実上の宣戦布告でした。かなり旧式な鎧をまとって采配を振る頼綱の元へ、息子の矢沢三十郎が応援に駆け付けます。また信繁の方は、単身上杉の元へ乗り込みます。何をすべきかと父の昌幸に訊いたところ、昌幸の答えは「自分で考えろ」でした。これは父上丸投げしてますね。結局信繁が、薙刀、あるいは長巻部隊に取り囲まれながら提案したのは「戦芝居」でした。この時信繁が武士としての誇りを説き、景勝が涙するところがまたいいです。
戦芝居は虚空蔵山(こくぞうさん)城で行われ、まず法螺貝を吹いて太鼓を鳴らし、互いに相手を攻めるように見せて、そのまま退却するというものでした。今回はここで佐助が登場です。上杉が真田に勝って、勢いに乗って北条攻めに向かっていると、北条の足軽たちに触れ回ったため、北条は一旦沼田から兵を退くに至ります。ここで直江景勝の「愛」の兜が登場します。この直江兼続に愛の兜は、『天地人』とはかなり違ったイメージですね。尤もこの人は、お屋形様の人のよさにはらはらしていることでしょう。
戦芝居も終わり、徳川と上杉の双方を納得させ、また上田城も完成に近づいてきました。そして信繁は、梅の兄作左衛門に、梅を妻として迎えたいと話します。何ともめでたしめでたしなのですが、実際はなかなか、これからが厳しくなって行くようです。ところでこの回は囲碁のシーンが多いのですが、父上はいくら自分が劣勢だからといって、刀の鞘で、卓袱台返しよろしく碁盤を払ってしまうのは如何なものかと…。
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