2000年放送の大河ドラマ『葵-徳川三代』の大坂の陣のエピソードを観ました。これは今まで観た中で、一番本格的に描いてあります。真田丸の戦いも出て来ます-というか、真田丸の構想まできちんと語られていて、この辺りはジェームズ三木氏も、かなり脚本を練り上げたのでしょう。また大坂方に関して、津川雅彦さん演じる家康があれこれ策謀を巡らすのも、如何にも「らしい」感じです。新・大型時代劇(大河が現代劇の3年間、平日に放送された時代劇)も含めると、『真田太平記』に続いてよく描かれているようにも思えます。
ところでこの『葵-徳川三代』で真田幸村(信繁)を演じているのは、西郷輝彦さんです。この配役は、齢四十九の幸村ということを考えてでしょう。こちらもどちらかといえばワイルド、ちょっと武張った感じです。ただ最期が、相手方の銃の標的になって落命するという設定で、ちょっと呆気なかったのが残念。追い詰めるところまで家康を追い詰めてほしかったのですが、やはり徳川三代が主人公ということもあったのでしょうか。いや、家康もかなり追い詰められて逃げ出してはいたのですが、両者が差しで向かい合うところがあってもよかったかと。やはりあれは『真田太平記』だから可能だったのでしょうか。
ところで、この中で伊達政宗を演じているのがすまけいさんですが、この政宗が如何にも豪快な印象でいい。個人的には渡辺謙さんと同じか、むしろしのぐほどであるとも思えます。この当時の政宗は既に数えの50、真田幸村と同年代で、既にそこそこの風格のある武将であったと思われます。『天地人』の松田龍平さんは、若い頃の政宗であればよかったのですが、この年代を演じるにはやはりちょっと線が細い印象があったのが残念です。
天王寺・岡山合戦、つまり真田、毛利勝永、大野治房たちが徳川方に突撃した戦いの様子も、かなり丁寧に描かれていました。この作品では関ヶ原の戦いも、かなり大がかりに丁寧に撮影されているため、その後の大河でもこのシーンが一部使われたともいわれています。また出演者もそこそこベテランの俳優さんが多く、オールスターキャスト的な側面もあったようです。この『葵-徳川三代』は、確か西田敏行さん演じる秀忠が、関ヶ原に向かう途中で中山道を通り、そこで真田昌幸の妨害に遭い(第二次上田合戦)、関ヶ原に遅れて駆けつけるところから始まります。真田氏が2度目に徳川氏に勝利した戦いです。
大坂夏の陣での大坂城落城により、豊臣氏は滅びますが、秀頼には側室との間に何人かの子がいました。大坂方により、その子たちは逃がされますが、長男国松丸は捕らえられて処刑され、長女は尼となります。この辺りを描いているのも評価できます。
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