第36回の『武将ジャパン』大河コラム関連その3です。
薄いペールカラーだらけの女性の衣装が本当にひどい。
ここまで魅力を感じない和装をよく作れるなと思います。
稲世代はビビッドな色合いにしたようですが、安っぽい色でセンスがない。
加齢と共に彩度や明度を落とすとか、そういう気遣いもありません。
武者さんペールカラーと言ったりパステルカラーと言ってみたりしていますが、淡色という言葉使いませんか?そして衣装が淡色というのは、何も今回に限ったことではありません。
こちら『真田丸』の画像ですが
向かって右のきり以外は、女性は淡色の小袖を着ています。
『おんな城主 直虎』の瀬名(向かって右)しかりです。
(いずれも各作品公式サイトより)
それと
「加齢と共に彩度や明度を落とすとか、そういう気遣いもありません」
とありますが、この回で「加齢」を強調しなければならないほどの、年配の女性が出て来たでしょうか。
今回のサブタイトルにもなっている愛の日記の“質感”に違和感があります。
厚い紙を束ね、現代人が想像しそうな日記の和紙バージョンと言いましょうか。
ああいう紙は、当時はまだかなり高級だし、綴じ方にも疑念が募ります。
紙は中世は紙座がありましたが、その後特権が失われて行きました。この時代だと徳川家御用達の商人もいたかも知れません。紙は恐らく、美濃和紙か越前和紙ではないかと思われます。
そして綴じ方に武者さんは疑念が募るようですが、あれは四つ目綴じで、和綴じの中でも最もポピュラーなものではないでしょうか。
そして
「本の持ち方も、現代人なんですよね」
本でなくて日記でしょうね。そしてああいう持ち方が現代人と言うのであれば、どのような持ち方があの時代的なのか、明記して貰えないでしょうか。他の戦国大河でも、ああいう持ち方は出て来るのですが。
日記を読み返しながら「ハァハァ」……って、こんなわざとらしい「ハァハァ」はホラーギャグ漫画『彼岸島』を彷彿とさせます。
思えば、わざとらしい胸の押さえ方も酷かったなぁ。
実際胸痛がある時は、息切れがあるとか心拍数が速いといった症状を伴うようです。 特に循環器系疾患によくみられる症状ですが、それ以外にも、様々な疾患の自覚症状という例が多いです。
済生会のサイトにあるので、URLだけ置いておきます。
胸痛|済生会
https://www.saiseikai.or.jp/medical/symptom/chestpain/
どうでもいいカルト巫女とレーシックお愛で話を引っ張り、言いたいことは「愛があれば幸せだ」ってか?
ほんと、くだらない。
結局、本作は恋バナとか好き嫌いの話ばかりですよね。
そういうのはマクドナルドで夕食を食べる家族のコマーシャルならば、美談でしょう。
「愛があれば幸せだ」などとは言っていませんけどね。
千代も於愛も、ここに至るまでの道のりは平坦なものではなかったわけですし、於愛はまた千代の処遇について苦慮しているわけですが、それがなぜ恋バナとか好き嫌いになるのでしょうね。ましてやマクドナルドと何か関係がありますか?
さらにこれは大河ドラマなのに勘違いしているとか、現実逃避とか、スタッフは歴史にも社会にも倫理にも興味がなく、恋バナぐらいしかアイデアが湧いてこないから、そのあたりをネチネチと描くとか。
別に勘違いも現実逃避もしていません(側室やかつての忍びの女の生き様が描かれている)ね。またスタッフが歴史にも社会にも倫理にも興味がないなどとありますが、先日も書いたように、馬場信春まで出しておきながら教来石に言及しない武者さんの方が、歴史に興味がないと思われても仕方ないでしょう。
と言うか武者さん、このシーンきちんと観ていないのではないか、どうもそう考えてしまいたくなりますね。 それぞれの筋、きちんと追えていないようですし、これは大雑把に見れば恋バナだからそうしておこうと、そのように考えたようにも見えます。
そしてどうも苦笑したくなるのですが、「なんなんだよ真田の忍」なる小見出しで以下のようなパラグラフがあります。
急に「真田の忍」が連呼されています。
そんなに「真田の忍です!」とわかる誰かがウロウロしているもんですか?
コンピュータウイルスか何かと勘違いしていません?
このドラマはもう手遅れですが、隠密ってそこにいるかどうかもわからないから隠密なんでしょうよ。
なぜ、こんな低レベルすぎるセキュリティ意識なのでしょう。
やはりここ、ちゃんと観ていないのでしょうね。
ここで真田の忍び呼ばわりされているのは千代のことですよ。 それを強調しているのが本多忠勝で、だから真田に娘はやれないと息巻いているわけですよね、本当は別に理由があるようですが、ともかくそのように主張しているわけです。
この家康はいつまでたっても薬研の使い方がおかしい。なぜなのか。
おかしいおかしいと言いながら、どこがおかしいのかを指摘していませんね。
第31回でもそうでした。ここで武者さんは
「思い出したように家康の薬作りが出てきました。
趣味というわりに薬研の使い方も雑。説得力がまるでありません」
と書いており、私はそれに対して
「尚この薬研を使った動画をいくつか見ましたが、特にあの使い方は間違っていないと思います」
と書いています。youtubeで「薬研 使い方」とか「薬研 漢方薬」などで検索すればヒットするはずです。
あと『軍師官兵衛』の家康も、ああいう薬研の使い方をしています。
そして於愛が亡くなったとナレで説明されていることに対し
「フラグを立てまくって、最期を飛ばすんですか」
別に病死と断定されたわけじゃないから、フラグとは言えないでしょう。 実際の彼女の死には複数の説があり、何かトラブルに巻き込まれた、あるいは殺されたとなっています。
そして小田原攻め。
「なぜ秀吉が北条へプレッシャーをかけているのか?」
そう問うたら
「まったくわからん!」
と『真田丸』の真田昌幸に即レスされそうです。
とにかく北条に関する説明が不足していて、口ポカーンとなっている視聴者も多そうです。
一言で言えば、臣従しないからですね。
OP後のシーンを観ていたら、家康が関東を攻めよと言われていたり、おふうが榊原康政と共に夫北条氏直を説得したり、しかし北条氏政は渋っていたりしているわけで、これは秀吉の上洛要請に応じようとしていないなというのが、見て取れるのではないかと思うのですが。
そして「どうするビッグモーター秀長の説明セリフ」なる小見出しで、
豊臣秀長は、なぜ兄のことを家康にペラペラしゃべるのか。
そんなに悪い兄とわかっていていろいろ勧めているのか。あの中古車販売業社員が街路樹に除草剤を撒いていたような気分なんですかね。
これも3行で1パラグラフ。しかもまた「ビッグモーター」呼ばわりで、佐藤さんは解約しているのに、秀長の態度をあの会社の不祥事になぞらえるというのは、正直言ってちょっとたちが悪くないですか。
無論秀吉のことを話すのは、今は家康と寧々くらいしか、秀吉に直言できないからですね。
秀吉がこれみよがしに弓の練習をするのがちょっと理解できません。
「弓馬の道」という言葉通り、武士にとって弓は確かに特別です。
しかし戦術革命もあり『鎌倉殿の13人』の頃と比べてその重要性は下がっています。
秀吉の年代と身分で、こうも強い弓を射るのも、しっくりこないんですよね。
そもそも、あんまりちゃんと弓術を指導していないように思える。『鎌倉殿の13人』ほどハッキリと手元を見せていない。
これに関しては、このサイトを置いておきます。
公益財団法人 全日本弓道連盟
https://www.kyudo.jp/howto/history.html
このサイトにはこのように書かれています。
「織田と豊臣の16世紀、鉄砲の伝来により戦闘具としての弓の時代は終焉。弓術の目的は心身鍛練となることで、技法が次第に精妙になっていきます。
その一つが通し矢。起源は12世紀平安時代末期の保元の乱の頃で、16世紀末安土桃山時代に盛んになりました」
この通し矢は、三十三間堂が特に有名ですね。
そして秀吉はこの中では、弓や槍などの武術があまりうまくないという設定になっているようです。だからわざと「下手に行う」指導がなされているのでしょう。
そしてムロツヨシさんが民放ドラマに出演するという記事で、
「大河ドラマで三英傑級を演じるとなれば、さまざまな鍛錬のため他のスケジュールは空けることが慣習でした。
それが今年はそうでもないようですね」
「今年の秀吉は時代劇の所作一つとっても、いちいちおかしいように感じます。役に入り込めないうえに、鍛錬の時間も作っていないのでしょうか」
などと書かれていますが、1つ前にも書いているように、秀吉は武術はあまりうまくなく、その代わり謀略に長け、しかも際限ない野望を抱いているという設定である以上、鍛錬とか所作よりは寧ろ、ムロさん自身の欲にまみれた演技の方が求められているのではないでしょうか。
寧ろ武術は岡田准一さん、松本潤さんの方が時間を割いていると言えるかもしれません。
そして茶々が醜いとか、史上最低の浅井三姉妹などと、登場人物どころか出演者を貶めるようなことがまた書かれています。
遊び半分で火縄銃を使う茶々。
だから火災対策はどうしたんですか?
銃の構え方もおかしい……って、秀吉の側室がそんな真面目に構えてもおかしいですかね。
火災対策と言われても、弾を弓矢の的に当てただけです。建物を燃やしたりするのではありませんが。
そしてあのシーンは、伯父信長が文字通り、矢継ぎ早に的に矢を当てていたのと何やらダブるものがありますね。
お市との差異を出すため、べっとりとした厚化粧もとにかく悪趣味に見えます。
秀吉のセリフ、
「おなごがきれ~いなべべ着ておしろい塗って、あめえもん食って笑っとる」
を踏まえていますね。 ここでは「あめえもん食って」ではなく「鉄砲撃って」でしょうか。
この茶々も「私が総大将じゃ!」とか大坂城でカッコつけるのでしょうか。もしかしたら母と同じく、信長譲りの南蛮甲冑でも着るかもしれません。燃え盛る北ノ庄から甲冑をなんとか持ち出したんでしょうね。
まだ放送されてもいないシーンをあれこれ詮索しなくていいのでは?
第一武者さん、大坂の陣はナレで終わるなどとも以前書いていたようですが、ここに来て急に具体的なことを考え始めるということは、何だかんだ言って、北川さんの茶々に期待しているということでしょうか。
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