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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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『どうする家康』『麒麟がくる』主人公の病気の記述に関して再度

毎度同じようなテーマで恐縮です。先日投稿分の続きのようになりますが、武者さんが第20回の家康の病気に関する記述で、『麒麟がくる』の、光秀の発病を引き合いに出しています。では実際に、『麒麟がくる』の場合はどのように書いていたのでしょうか。アーカイブから、光秀の病気に関わる部分だけを一応拾ってみます。

その伝吾は、光秀の顔色の悪さを懸念していました。腕を負傷したようで、光秀当人は「大事ない」と言うものの、具合が悪そうではある。
丹波攻めからずっと戦ってきて、疲れが溜まっているようです。

何をぐずぐずしているのか、行け行けと叫び始める信長。皆疲れておりますると反論されても無視だ。そのうえで、これですよ。

佐久間殿はじめ、譜代衆は苦労が絶えない。
光秀はそれを聞いていないどころか、倒れてしまいました。
「十兵衛、十兵衛、しっかりしろ十兵衛! 医者じゃ、こっちにも医者を!」
大変なことになりました。

実際録画を観たところでは、光秀が体調が悪そうだなと思われるのはこういった部分で、それはいいのですが、どこか足りない部分がありますね。

まず
「皆疲れておりますると反論されても無視だ」
ですが、これは光秀がそう言ったとはっきり書くべきではないでしょうか。彼自身がその疲れている将校や兵の代弁者のようなところがあるわけで、だからこそ説得力があると言うべきでしょうから。

あと
「佐久間殿はじめ、譜代衆は苦労が絶えない。
光秀はそれを聞いていないどころか、倒れてしまいました」
この「佐久間殿」云々は、光秀に水を差し出した松永久秀のセリフですが、
「それを聞いていないどころか、倒れてしまった」
のではなく、体調が悪くて、それを聞くだけの余裕がもうなかったとこの場合は取るべきでしょう。

その後

どうやら受けた傷は浅いものの、毒が入ったのか、弱ってしまった。

と書かれているのもどうかなと思います。藤田伝吾のセリフを踏まえれば
「たちまちのうちに弱ってしまわれ」
ですね。

尚その後にこうも書かれています。

こういう戦闘時の傷は金創(きんそう)と言います。
刃物や武器による負傷ですね。細菌感染の危険性が高く、破傷風になりかねない。細菌の知識はなくとも、この手の傷は時に発熱を伴い、大変危険であるという認識は昔からありました。

「細菌の知識はなくとも」と言うか、そもそもこの時代細菌という概念はありません。それも通常の健康状態であれば、免疫力があるから大事に至らなくても、この時の光秀のように連戦続きで疲弊していれば、大事になってもおかしくないわけです。特に戦場では、衛生状態もよくないでしょう。

金創のことを書くのなら、こういうこともちゃんと書いてほしいなと思います。
それとこれは前にも書いていますが、光秀が体調が悪そうだと窺わせる描写が、1シーンの中で分散的であること、彼の声に比較的張りがあること、信長を庇って倒れた後再度起き上がったりしていることなどから、この人はかなり具合が悪そうで、このまま倒れてもおかしくないという印象があまりないのが残念です。

そして『どうする家康』コラムでこのシーンを引き合いに出した時は、

精神的にも疲労し、激務に追われた結果、自分でも気づかないうちに体調が悪化し、甲冑をつけたまま倒れる-そんな『麒麟がくる』の光秀とどうしてここまで違うやら。

などと書いていますが、この『麒麟がくる』コラムには
「精神的にも疲労し」
「激務に追われた」
などというのは見当たらないのですが…無論丹波攻めからの連戦で疲れているという記述(前出)はあります。私はこの時の投稿で、
「合戦で負傷してろくな治療も受けられず、しかも戦に次ぐ戦で体が弱っており、陣中で傷が悪化して倒れた」
といったところではないかと書いていますが、実際そのようにしか見えません。あとなぜ光秀が腕を負傷したのか、そのシーンがないのも残念です。もしそのシーンがあれば、傷に構うだけの時間もなく戦準備に追われ、それが病の引き金になったという描写ができたはずなのですが。

それを考えると、この『どうする家康』で家康が発熱して倒れるシーンは、そのことのみに特化しているせいか、わかりやすいし、この人も対武田で心身共に疲れていたのだろうなというのが見えて来ます。

ところで先日触れていたサイトカインですが、疲労感のみならず眠気、発熱すべてこのサイトカインのしわざではあります。発熱の場合、このサイトカインによってプロスタグランジンE2という物質が産出され、免疫細胞を抗原と戦わせるため、通常の体温よりも高い温度に設定されます。

抗原が死滅すると体温は下がるという仕組みで、発熱はいわば免疫細胞が抗原と戦うための必須条件と言えます。『はたらく細胞』では、活性化した樹状細胞がサイトカイン=免疫細胞たちの過去の恥ずかしい写真をまき散らして、彼らを奮起させていますね。そして免疫細胞が暴走し、このサイトカインが大量放出されるのが、新型コロナで問題になったサイトカインストームです。

あの時の家康は武田との戦いに忙殺されていましたが、その体内でも、免疫細胞が抗原、恐らくは風邪だかインフルだかのウイルスと戦っていたのでしょう。

あと武者さん、例によって
「嫌な場面です」
「危険な兆候です」
こういう表現をしていますね。こういうのが、このコラムが主観的と思われる一因なのですが。
それと佐久間信盛が「盛信」と書かれています。


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[ 2023/06/06 01:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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