第26週(最終週)第1話(第122回)と第2話(第123回)です。
第122回
アビキルでは2号目の試作機アビキュラ2号が作られ、それをサポートする舞たちは、丹山工業の所有地を飛行試験に使おうとする。そして朝。パパはと訊く歩に、遠い所にお出かけしている、お仕事終わったら帰って来るからそれまで一緒に待っとこなと言って聞かせる舞。祥子もこの後デラシネに行くことになっていた。刈谷は今年中に有人飛行にたどり着くには、アビキュラ2号の安全性と信頼性をしっかり検証する必要があると言う。
それには、少なく見積もっても500回は飛行試験が必要だった。しかし試験場には往復4時間がかかっていた。丹山工業の土地が使えるようになるまでの辛抱だと言う舞。また特にフライト関連のデータ整理もまだで、これから飛行試験を増やすのなら、数字に強い人間がやはり必要だった。刈谷は渥美に訊いてみるが、渥美は今皆忙しいと言う。
他のなにわバードマンOBも週末だけの手伝いだった。そんな中、舞は一人心当たりがあると言う。そして彼女が連れて来たのは森重朝陽だった。朝陽は挨拶もそこそこに、機体に関心を示す。詳しかなと言う刈谷に、惑星探査ドローンの勉強をしていると朝陽。朝陽のドローンに関する詳しさに皆驚く。そして実生理状態の飛行試験のパワー計のデータを見せて説明し、そのデータをフライトの部分だけ抽出して、見やすいようにグラフ化してほしいと刈谷は言う。
祥子はデラシネで子供たちに五島の写真集を見せ、説明していた。子供たちは関心を示す。そこへ舞が歩を連れてやって来て、一緒に帰ろうと言う。祥子はその写真集に気を引かれるものがあった。そしてめぐみは引き継ぎ業務に忙しかった。結城は設計をやっていたため、持ち込まれる案件に素早い正確な判断が下せ、おかげで引き継ぎも順調だった。しかも職人の信頼も篤かった。
さらにめぐみは結城は営業にも向いていそうだと言い、これから機会を見つけて取引先をちょっとずつ一緒に回ることをしていた。舞は時計を見る。フランスは何時かと訊かれて、午後3時くらいかなと答える舞。その頃貴司は八木のアパートの扉をノックする。よう来たなと八木。部屋には貴司の著書があった。感想は言わんといて、ほめられてもけなされてもつらいと言う貴司に、ほめられてもつらいんかいなと八木は言う。
自分でええと思ってへんもんをほめられるとしんどいと貴司。迷いながら出した本が今までよりずっとほめられ、歌が作れなくなり、また逃げてしもたんかもしれへんとも貴司は言う。海の底で花を見つけられなくなったのは、結婚して幸せになったからと思ってしもていたと言う貴司に、八木は、昔は自分が息するためだけに詩を書いていたが、学生の時にその詩をあげたいと思う人が出て来たと言う。その人は本気で世界を変えたいと言っていたらしい。
しかし随分前に自分で生きんのをやめよったと八木。おっちゃんの恋人かと尋ねる貴司に八木は、しんどなったらその人がおったことのある場所に会いに行くと言う。知り合いのおらん街をひとりぼっちで歩いていたら、声が聞こえる時がある、昔と変わらん優しい声がな、そっと会いに来てくれるんやと八木は言い、おっちゃんは今も、その人のために詩ぃ書いてんねんなと貴司は言う。八木はちょっと会うてくるわと言い、ここにおってええでと貴司をそのままにして出て行く。
翌朝。貴司が目を覚ますと既に八木はおらず、書置きがあった。
「呼ばれたから行くわ
パリでしばらく暮らしたらええ
誰の声が聞こえる?
話したいこと見つかったら
言葉にしてみ
八木」
第123回
刈谷のデータを朝陽はグラフ化する。次は屋外で試験飛行をしなければならなかった。舞は今度もたこ焼きを差し入れに持って来る。屋外飛行試験の申請について訊かれた舞は、航空局とのやり取りを進めていると答える。機体のスペックと安全性のデータは提出できたが、追加の検証データの提出を要求される。今月か来月の試験飛行は難しそうだった。大変そうやなと言う渥美に、こげなことで大変て言いよったら、型式証明の取得は夢のまた夢と刈谷。
朝陽は型式証明について尋ねる。安全性や環境適合性に於いて、機体の設計が国の基準をクリアせねばあかんと言われ、かなりハードルが高いと言えた。舞はかつて出会った荒金のことを思い出し、荒金本人を作業場に連れて来る、荒金もアビキュラ2号に目を見張る。
舞は細かいパーツを含めたら、20社以上の企業と協力して機体を構成し、接続部分のボルトはIWAKURA勢であること、機体の費用は全部で3000万円くらいかかっていることを話す。開発は順調そうだと言う荒金に、開発はうまく行っても、実際に空を飛ぶまでにはいくつもの障壁があった。舞は自分も勉強しているが、弊社には経験も知識も人脈も足りない。この証明の取得の難しさを熟知している荒金の力が必要だと言い、荒金も承諾してくれる。
一方悠人は、長崎から休暇で帰って来た久留美と例の公園で会う。久留美は野生のイルカを悠人と見に行こうとしていたが、悠人は今の仕事を終わらせたかった。
さみしいんかと訊かれた久留美は、一人でも楽しくやれると答える。悠人は素っ気なく言う。
「どうせ人間なんか、一人で生まれて一人で死んでくねん」
さらに悠人は立ち上がり、そしてこう言う。
「そやけど長い人生、50年くらいは2人で生きるのも悪くないかもな」
思いがけない言葉に久留美は手袋を落とす。
それを拾い、さらに指輪のケースを久留美の手に乗せた悠人は結婚しようと言う。こんな時だけ直球てズルい、「はい」て言うしかないと久留美。すると今度は悠人が久留美をひねくれてると言い、指輪をはめてやる。その後2人はノーサイドに行く。お通夜みたいな顔してと言う佳晴だが、道子はそんな佳晴を座らせる。悠人は久留美と結婚させてくれと切り出し、佳晴は涙で声を詰まらせながら、娘をよろしくと言う。その父を見て久留美も涙を流す。
悠人はめぐみと舞、そして祥子にもこのことを伝える。悠人は今の仕事が落ち着いたら、長崎に住むつもりにでいた。舞はその後自分たちの部屋に久留美を呼ぶ。貴司はどうしているのかと訊かれ、さあとだけ答える舞。しかしこのことは伝えておくと言う。一方パリにいる貴司は、相変わらずアイデアが浮かばず悩んでいた。そこへ舞からのメールが来る。貴司はおめでとう、自分はもう少しパリにいると返信を打つ。
3月。歩は縄跳びができるようになる。しかしその頃、パリはロックダウンしていた。舞はそのことをメールで送ろうとする。貴司はコーヒーが切れたため買いに出ようとするが、アパートの管理人が不要な外出は禁止だと言う。しかしフランス語がよくわからない貴司は、やむなく部屋に戻り、舞はメールの「早く帰って来てほしい」の一文を削除する。
アビキュラ2号の製作はうまく行っているようですが、ただ朝陽とか果ては荒金とかが、この時点で急に再登場しているように見えます。せめてその後も連絡を取っている様子などが、少しでも描かれていれば納得できるのですが。
あと舞はこんねくとの仕事もやっているのでしょうが、どうもアビキルの作業場に入り浸っているように見えてしまうのが難です。純はどうしているのだろうかと思いますし。
そして悠人と久留美。恐らくこうなるのだろうなと思いましたが、そこは悠人らしく、最終回まではぐらかしてほしかったなという気もしています。と言うか、悠人は久留美の指輪のサイズを知っていたのでしょうか。
あと祥子ばんばはやはり五島を忘れられないようですね。それと歩があまり喋らないのもちょっと気になります。さらに貴司。八木が出て行って2か月、どうやって暮らしていたのかなと思うのですが…。しかもフランス語がわからないみたいですし。
コミュニケーションが取れない状態で暮らしていても、不安しかなさそうな気がします。まあ貴司のことだから、そういうぎりぎりの状態になった時、アイデアが浮かぶのかも知れませんが…。
ドラマ本編のロックダウンは新型コロナによるものと思われますが、貴司もしばらく帰れなくなりますね。一方で悠人の「どこでも仕事ができる」はこのことを暗示しているような気がします。
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