第25週第4話(第120回)と第5話(第121回)です。
第120回
アビキルに投資家が訪れる前日、プレゼンの最終チェックも終わり、出て行こうとする舞に刈谷はありがとうと頭を下げる。自分たちだけならどこかで力尽きていたと刈谷は言い、さらにこうも言う。
「開発の仕事は孤独やけん、自分でも空飛ぶクルマの実現を信じれんくなる時があったとよ」
だけど岩倉は信じてくれていると言い、舞も空飛ぶクルマをどうしても見たいと言う。
翌日。舞と純、そして渥美が投資家たちを連れてやってくる。彼らは空飛ぶクルマの実物に目を見張る。刈谷はプロペラはカーボン製なのかという質問にそうだと答え、安定性を重視している作りであることを説明する。所謂冗長性(システムに障害が発生した場合に、予備装置をバックアップとして備えること)ですねと言う投資家たち。そしてリクエストに応え、実際に動かすことになった。
ロックが解除され、機体が浮き上がる。刈谷と玉本は緊張した面持ちだったが、浮上する様子を見て投資家たちは賛辞を贈る。刈谷は彼にこの空飛ぶクルマが世界にイノベーションを起こすこと、今日がその一歩であり、その一歩にたどり着けたのは、自分の夢を信じてついて来てくれた仲間のおかげだと話す。
これからはもっと多くの仲間が必要であると言う刈谷は、彼らに協力を求める。その後舞は仕事にも身が入らない様子だった。そして純はバイトの件について、履歴書をいくつか見せる。中には河内大学の学生もいた。その時舞の携帯に連絡が入る。投資家の内林と佐藤から連絡が来たのだった。舞は早速アビキルに向かう。
舞は刈谷と玉本にこのことを話す。林と佐藤は、周りの投資家も巻き込んで行きたいとも言ってくれ。刈谷と玉本は喜ぶ。そして岩倉家を悠人と久留美が訪れる。久留美は長崎では寮生活で、先輩にも面倒を見て貰っていること、もう少しでドクターヘリに乗れること、そのヘリは五島にも飛んでいることを話す。そして久留美は空飛ぶクルマについて尋ねる。
ええ感じに進んでると舞は答え、紹介してくれた投資家が出資してくれることになったと、悠人に礼を言う。まためぐみも、悠人と舞が力を合わせたと思ったらもう嬉しいわと言う、悠人は相変わらず素っ気ないが、久留美によれば、悠人は世の中のためになる面白い会社を応援したいらしかった。要らんこと言わんでええと言う悠人に、お兄ちゃんはホンマ素直やないと舞。
悠人は久留美と公園にいた。互いにたまに会うだけで十分だったが、将来のことは考えていると言い、久留美は分かってると答える。そして刈谷はエンジニアを採用することを考え、有人飛行を実現する機体の製作に取りかかろうとしていて、事業戦略もまとめていた。そして刈谷はこう言う。
「ABIKILUとこんねくとの、ネクストフライトたい!」
町工場と新しい仲間がいたら、きっと実現できると舞も口にする。
一方貴司はスランプに陥っていた。前の歌集から3年で、そろそろ読者の期待に応えるように北條は促す。そして、貴司は苦しんでこそいい歌を詠むと言って去る。そして1年。舞はかつて五島にいた朝陽に電話をし、空飛ぶクルマに興味があるか尋ねる。朝陽は浪速大学で航空宇宙工学を専攻し、空飛ぶクルマにも興味があるようだった。舞が祥子にそのことを話していると貴司がやって来て、舞に話があると言い出す。
第121回
貴司は短歌をやめようとしていた。もう書かれへん、しんどいと話す貴司は、今は舞と歩がいれば十分やとも言い、舞は少し時間を置くように勧めるが、貴司は十分考えたうえでのことだった。謝る舞に舞ちゃんは悪くないと言う貴司は、自分のことを最低やなとも言う。
深夜、舞はダイニングで1人考えていた。そこへ祥子が起きて来て、貴司はデラシネかと尋ね、舞はうなずくがいつもと違い沈んでいた。実は祥子は貴司の仕事がうまく行ってなさそうだったこと、しかし優しいからそれを隠していたことに気付いていた。舞は貴司が短歌をやめること、しんどそうだったことを話し、一緒にいながら何もできなかった自分を責める。
一緒にいても分からないことがあると祥子。そして貴司はデラシネにいて、子供の頃店主だった八木に詩を書くのは楽しいかと尋ねた時、しんどいという返事が返って来たことを思い出す。なんで書くんと訊いた貴司に八木は、生きて行くのは大勢で船に乗って旅するようなもの、皆がパーティーしている時自分は息苦しくなるから、海の底へ潜ってそこに咲いてる花を必死でつかみ取って、船の上へと戻ると答える。
そしたらしばらくは息できんねんと八木は言っていた。その花がつまり詩だった。翌朝舞はお握りを作り、デラシネへ向かう。貴司は表の戸を開けていたものの、奥の縁側に1人で座っていた。舞は貴司に声を掛け、お握りを置いて出て行こうとするが、貴司は舞に昨日のことを謝り、何で歌が出てけえへんのやろと考えていたと言う。しかし貴司は一方で、歌はやめたくないとも思っていた。
舞は貴司の机の上のハガキを見る。パリにいる八木からの物だった。おっちゃんに会いたいと言う貴司。舞は会いに行くように勧め、行かれへんと言う貴司を、おっちゃんにしか言われへんことがあるんやろ、会うたら、何か変わるかも知れへんやんと説得する。しかし勝と雪乃は反対する。その2人に舞は、今まで自分が忙しい時に、歩の面倒を見てくれた、行かせてあげたいと言い、めぐみも2人で話し合って決めたならいいと賛成する。
そこへ祥子が、デラシネの店番を任せてくれと言う。無理だと言うめぐみに、家に籠もりきりだと足も動かなくなると祥子。貴司は祥子に店番をやって貰うことにして、パリへと旅立つ。そして空飛ぶクルマの方は、新しくエンジニアを入れて次の段階へと向かっていた。
そこへ舞と渥美が、かつてのなにわバードマンの仲間であった西浦、そして日下部を連れて現れる。彼らは渥美と同じで、週末のみ作業を手伝うことになっていた。そして舞はたこ焼きを差し入れする。
刈谷たちの空飛ぶクルマがうまく行き、久々に久留美も大阪に戻って来ます。それはいいのですが、どうもこんねくとが忙しいと言いつつも、このアビキルだけに関与しているようなのがやはり気になります。他の用件でばたばたしている舞、あるいは純が、合間を見て作業場をのぞくような設定でもいいのではないかと思うのですが…。
そしてスランプから脱しきれない貴司は、かつてのデラシネの店主で今はパリにいる八木からハガキを貰います。貴司も一度八木に会って話したいと思っているようで、めぐみが口添えしてくれて結局パリに行くことになります。あの時の八木の言葉は、第3週で出て来たものですが、貴司も八木と同じ道を辿るようになったのですね。しかし祥子ばんばの店番は本当に大丈夫なのでしょうか。
しかしラグビーワールドカップが飛ばされてしまいましたね。急に1年経ってしまうし。ノーサイドにあれだけのディスプレイがあるのだから、例えば舞やめぐみがチケットを貰って花園の試合に行くとか、観戦に行った佳晴が嬉しそうに話をしているとか、そういう設定でもよかったのですけどね。東大阪が舞台ということで、あるいはと思っていただけに残念でした。
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