先日の続きです。それから先日分、あるいはそれ以外にも最近の投稿で、誤り、変換ミスなどがあったので、修正しています。
ところで『大奥』関連の記事、yahoo!にもありました。尚この記事のコメント(所謂ヤフコメ)ですが、自分は『大奥』が好きだと言う人もいる(ただし殊更に大河と比較はしていない)一方で、やはりと言うか、夜10時台のドラマだからこれでいいのであって、これを大河にするべきではない、あるいは両方とも楽しんでいるなどなど。
そして本の読み方も『大奥』と比較したいようです。ここの箇所、要点だけピックアップしておきますが、
「和綴の本や漢籍を読む時の手つきがおかしい、所作指導の問題だ、『大奥』ではきちんとしていた」だの、
「読書を嫌う人がドラマを作っているのではと思う」だの、
挙句の果ては「読書中に肩揉みだの、お色気サービスだの」だそうです。
そしてここでも『大奥』はストイックだったと。
まず、本を読むシチュエーションが異なると思われます。『大奥』は観ていないので何とも言えませんが、恐らくもっと真面目な雰囲気なのでしょう。しかしこの家康は、明らかにリラックスした印象です。しかも「お色気サービス」なんてあのシーンに出て来ませんが…。
肩を揉まれて家康がいい気持ちになっていたところで、お葉は突然申し訳ございませんでしたと言い、怪訝そうな顔の家康に向かって
「殿がお気に召すおなごでなくて」
「どうかおいとまを下さいませ」
と言って、立ち去って行こうとしてはいますが。
しかも武者さん、『鎌倉殿の13人』でこの家康が登場して『吾妻鏡』を読むシーンがありましたが、その時は何も言っていなかったと思いますが。どころか、武士が本を読んでいるのを評価しているようにさえ見えましたが。
ちなみにこの時「家康が割とラフにお茶を飲んでいる」と武者さんは書いていますが、もちろんこれは白湯ですね。
家康は側室に着替えだのなんだの用意してもらい、デレデレしています。
このケアワークの内容が、昭和のダメ親父が喜びそうなサービスなんですね。
家康の小姓はいないんですか?
側室は使用人ですから、身辺の世話をしても、この場合そうおかしくないとは思いますが。
それに「着替えだのなんだの用意してもらい」
ではなく、
「喉が渇くと湯が出て来て」「汗をかいたと思うと着替えが置いてある」
ですね。
このシーンでは、そういう気が利く存在としてのお葉を家康が気に入ってはいますが、さてデレデレしているでしょうかね。先ほどの「お色気サービス」つながりなのでしょうか。そして自分が嫌いな「昭和のダメ親父」に強引に結び付けていますね。
さらに「女性に衣食住の面倒を見てもらうという考え方がもう絶望的に古い」のだそうですが、これ戦国時代の、それも陣中ではなく城での話ですよね。それならば下女たちは全員首だし、そもそも『麒麟』や『鎌倉殿』はどうだったのでしょうか。
女性が関与した外交。文書作成。そうした役割が今見直されているのに何なのでしょう。
『おんな城主 直虎』でも、『鎌倉殿の13人』でも、そういった中世女性像が出てきました。
お葉は鵜殿家の娘ですが側室、もっと言えば下女ですから、この場合直虎や政子?と比較はできないでしょう。一体全体武者さんは、彼女にどの機会に、どうやって外交や文書作成をさせろと言うのでしょうか。
家康と側室の関係も、ただただ驚きました。
「側室をやめたい」と語った相手に怒鳴り散らすって、男性としての魅力がゼロを通り越してマイナスですよね。
嫌がったら手討ちにするって、何を考えているのか。
昨年も、それ以前にも同じものを感じましたが、どうも本編をちゃんと観ていないようですね。
まず
お葉「これにて側室のつとめ、終わりにさせていただきとうございまする」
家康「え…。えっ?」
お葉「このおつとめは、もう…」
家康「えっと…何故じゃ?」
「訳を申せ」
お葉「では、正直に申し上げます。好きなお相手が出来ましてございます」
家康「何じゃと…わしの側室でありながら…よう、そんなことを…」
お葉「申し訳ございません」
となる、その後家康がかっとなって怒鳴ってしまうわけです。
つまり側室をやめたがっているから怒鳴るのではなく、自分の側室なのに好きな相手ができたから、けしからんと言っているのですね。 あと嫌がったら手討ち云々も、実際は
家康「謝って済むことではない、これは大罪であるぞ」
お葉「覚悟しております!どうぞ、お手討ちにしてくださいませ」
と言う訳で、別に「嫌がる」シーン、それを表すセリフなどは出て来ません。 その後でお葉がお美代を連れて来て、互いにすべての責任は自分にある、自分をお手討ちにと言うシーンがありますが、この時も嫌がるような描写は出て来ませんね。
この前も書いていますが、武者さんが観ている『どうする家康』は、何か別の描き方をされているのかとさえ思います。
しかし漢籍好きだと自ら言うのであれば、せめて怒鳴るだけで済まさず、「喑噁叱咤」の熟語くらい紹介してほしいですね。そしてまた『麒麟がくる』ではどうのこうのとありますが、関係ないのでここでは飛ばします。
こんな暴君DV予備軍野郎が天下泰平を築くって?
いやいやいや、無理無理。
この家康を見ても、全く「暴君DV予備軍野郎」には見えませんが、やはり武者さんには違う世界が見えているのでしょうか。
史実における築山殿と家康は、このころ既に仲が良くなかったと推察されますが、それを表現したいなら納得できますね。
こんなバカ殿、腹が立つだけ。なぜ築山殿の前で、わざわざ側室のことを話すのか? 本人の前では「やはりあなたが素晴らしい」の一言ぐらい出せませんか?
「なぜ築山殿の前で、わざわざ側室のことを話すのか」
も何も、このお葉を勧めたのは瀬名と於大なのですが。
そしてあの女はよかったと言うのは、いわば勧めてくれた瀬名への誉め言葉とも取れなくもありません。
あと瀬名の
「残念でございましたなあ、殿。あのようなおなごはもうおらぬでしょうに。
ああ、残念」
と言い、かつては薬湯を進んで飲んでいた家康が、その薬湯を口にして
「苦い」
と言うシーン。何か示唆するものがあると思います。
それとやけに「築山殿」という表現が出て来ますが、この回の最初の方で築山を訪ねて来た於大が
「これからは築山殿とお呼びせねばならぬかのう」
と言い、それに対して瀬名は
「瀬名で結構でございます」
と言っていますし、この回で「築山殿」という言葉は他に使われてはいないのですが。
それこそ『大奥』の家光はそうでした。
『鎌倉殿の13人』随一のチャラ男・三浦義村も、遊ぶにせよ女の前では全力を尽くす!と真剣に語りました。それが本当のモテる男でしょうよ。
だから『大奥』の家光だの『鎌倉殿』の義村だの、あまり共通点がないと思われる人物をなぜわざわざ持って来て比較したがるのでしょうね。
妻に対してこんな無神経なくせに、それでも築山殿を愛しているなど笑止千万。
イケメンがエッチなことをヘラヘラ言っていればいいって?
そんなわけないでしょ。
何か「無神経」でしょうか。ならば於大の「子を産まなくなったら御用済み」の方が無神経に思えるのですが、無論これは彼女なりの策があってのことです。
あと何か、「エッチなこと」言いましたっけ?お葉を呼んでもいいかと家康が言ってはいますが。
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