遅くなりました。第18週第4話(第85回)と第5話(第86回)です。
第85回
祥子から舞に、「ヤング釣りフェスタ」のチラシが同封された手紙が来る。いつか相談を受けた釣り教室だった。舞は祥子から電話で、若いもんにウケそうかと訊かれて、バッチリちゃうと答える。一方祥子は、舞が飛行機の部品を作っていることを知る。お父ちゃんの夢まであと一歩と言う舞に、無理せんでぎばっとぞぉと祥子。そして品質試験の結果報告の日となり、荒金がIWAKURAにやって来る。
舞とめぐみ、そして笠巻と結城は結果報告に立ち会う。品質は朝霧工業のと比べても遜色ないが、本発注は朝霧工業に頼むと荒金。設備と資格が不十分だからかと尋ねる舞に荒金は、すぐに量産態勢に入るからと答える。めぐみは、このような機会を頂戴しただけでも光栄だと言い、浩太の夢であったことを話すと、荒金は懐かしいと言い出す。実は荒金は新人の頃浩太の世話になっており、オール日本製の飛行機を作ると夢を語り合っていた。
そのため荒金は、浩太が会社を辞めて工場を継ぐのが信じられなかったが、奥様とお嬢さんにお会いして、あの時の夢がここに残っているのが嬉しかったと言う。また、航空業界の市場は今後も需要が拡大するので、力になりたいと言ってくれる。IWAKURAの旗印のもと、東大阪のいくつかの会社がタッグを組むなら、そう遠い話ではないとの荒金の言葉に、めぐみはかつて自動車業界参入のために工場を拡大させ、その後リーマンショックで社員をリストラし、浩太も心労で世を去ったことに触れる。
夢のある話にはリスクもある、今の自分はそれに挑む勇気はなく、何とか今の形を守って行くのが精いっぱいであり、IWAKURAが航空機部品に特化することは、この先もないと言い切るめぐみ。その夜舞は仏壇にボルトを供え、お父ちゃんが夢見た航空機部品やでと言う。そしてめぐみには、お母ちゃんも同じ夢見てるもんやと思ってたと言うが、めぐみは見てたよと答える。
この4年でIWAKURAが何とか軌道に乗り、次に目指すのは浩太の夢だと思っていたが、今回のチャレンジでその大変さがわかったこと、またそれだけではなく、自分がこの先会社をどうして行きたいか、考え直すきっかけにもなったと言うめぐみ。相談せんと勝手に決めてごめんと言うめぐみに、お母ちゃんかっこええ社長さんやわと舞。怒られるかと思ったと笑うめぐみは、舞が一緒に頑張ってくれたよって、これからもよろしゅうにと言い、こちらこそと舞は言う。
お父ちゃん許してくれるやろかと言うめぐみに、舞は「このボルト、よう作ってくれたな。ありがとう」言うてくれてるわと答える。その後デラシネで舞はこのことを話し、父の夢をかなえられなかった舞は、これから何したらええんかと言う。
焦ることないよと貴司。ゆっくり時の流れに任せ、新しいことが見つかるまで待ったらええと言う。その後仕事中に舞の形態の着信音が鳴る。相手は荒金だった。
舞はその後会議室に行き、皆さんに早くお伝えしたくてと、菱崎重工から自動車部品の製造を直々にお願いしたいと言われた旨を伝える。そしてエンジン用ボルトの図面も送られて来た。この素材は硬く、IWAKURAの金型では難しかったが、舞は東大阪の工場を全部回って頼もうと言い、めぐみや笠巻も同行することになる。一方そのめぐみはノーサイドで悠人と会っていた。IWAKURAの権利をおふくろに返そうと思っていると言い出す悠人。
めぐみはオーナーでいて貰いたいと言うが、悠人はこうしといた方がええと言い、サインして送るように言う。しかしめぐみは何があったのかと不安に思っていた。実は悠人は、今月の投資レポート見た投資家から、解約請求が何件も来ており、仲間の高橋から半年で10パーセント以上やられている、こんな上げ相場の中で半年も一人負けしていたら、愛想尽かされて当然と言う高橋。しかし悠人は、勝てる見込みは十分にあると答える。
第86回
ある土曜日。水島と吉田が東大阪を訪れ、舞はデラシネを使わせてくれと貴司に頼む。ノーサイドに連れて行ったら「たまたま」臨時休業で、うめづも町内会の慰安旅行で。こちらも「たまたま」臨時休業だった。自分ち行ったらええやんかと言う貴司に、これまた「たまたま」水道の調子が悪くお茶も出せないのである。2人は無理しなくていいよ、駅前まで行けば何かあると言われるが、結局貴司はデラシネの部屋を提供することに決める。
舞は自分たちと貴司にお茶を入れるが、水島は貴司君と付き合ってるのといきなり尋ねる。生まれた時からずっと幼なじみだと舞。それだけ長かったら恋愛云々じゃないかと吉田。一方舞は、なぜこの2人なのかを尋ねる。水島は、俺がたまたま大阪に用があって来て、たまたま吉田に電話したら、フライトで大阪にいると言われ、大阪なら舞もいるので会いに来たのである。今日はたまたまばっかりだと舞。吉田は副操縦士で、キャプテンにはまだ遠かった。そして矢野(倫子)や中澤ともたまに空港で会うらしい。
水島曰く、柏木は日本に帰っていないらしいが、舞には初耳で、連絡を取っていないのかと訊かれてしまう。別れても仲間なんだから、遠慮なんかしなくていいのにと水島。その水島は実家のスーパーの副店長になっていたが、水島は舞だって航空機用のネジを作っていてすごいとほめるが、舞はうちは航空機の部品はやらない、キャプテンとか店長とかの目標がある2人が羨ましいと言う。しかし舞なら何でもできる、目標なら今の会社の仕事でなくてもいいと貴司は口を挟む。
水島も、舞は俺なんかよりよほど経験も豊富で、吉田もパイロットの資格がなくなるわけじゃないと言う。空も飛べるし部品も作れる、そんな人なかなかいないと水島。そして貴司は。舞の未来はものすごく開けてんねんでと言う。舞は何か元気が出て来た。すると水島は、前向きになれたところで大阪の女の子紹介してよと言う。水島は吉田共々難波に繰り出すつもりでいた。2人とも全然変わってへんかったと言う舞に、ええ人らやな、色んなとこに仲間がおって羨ましいと貴司。
そして舞は何かを思い出したようで、例のチラシを貴司に見せる。釣りフェスタはその翌日に行われることになっており、お客が沢山くるようにと祈る舞。そして五島では魚拓を取ったり、釣った魚を料理したりといったイベントが行われていた。豪のアイデアをほめる信吾に、魚ば釣ってヤングも連れたなんてなと豪。一太も料理を口にし、ばえー、うまかと言うと、来ていた女性からばえーとはどういう意味かと尋ねられる。驚いた時とか、感激した時に使う方言だと一太。
百花というその女性と一太は馬が合うようだった。豪は、一太の運命の出会いかもしれんと背中を押そうとする。一太はガァッパ(河童)の伝説について話すついでに、ガァッパよけだとひょうたんを持って歩いてみせる。祥子はかつて一太が、舞にガァッパよけだと言って、ひょうたんを持って歩く姿を披露していたのを思い出す。しかし一太は調子に乗って、テーブルの上のものを引っくり返してしまうが、百花は特に慌てるようでもなく、一太は心を動かされる。
百花は大阪のデパートで働いており、島のおいしい料理や郷土愛に触れ、大阪で物産展を開かないかと申し出る。五島の魅力を伝える大きなチャンスで、祥子は自分たちもそのことを話し合っていたと百花に話す。このイベントの成功を舞はめぐみに話すが、めぐみは悠人の例の話が気になっていた。その頃悠人は、26億円の損失を一気に取り戻しており、さすがだなと高橋に言われる。
勝てる見込みは十分あるって言ったやろと悠人。しかし高橋は、やばいやり方してないやろなと。いくらお前でも大逆転が過ぎやしないかと言う高橋に、元々有望な会社に目を付けていたこと、問題ないわと高橋。とはいえ、悠人はどこか不安そうだった。そして雪乃は店の準備の最中、TVで悠人にインサイダー取引の疑惑が浮上していると報じているのを見て、勝を呼び、さらにめぐみに知らせようと出て行く。
IWAKURAが試作したボルトは荒金にも評価されますが、量産する必要があるため、自社ですべてできる朝霧工業が請け負うことになります。めぐみも今回の試作で、新しいことに取り組むことのリスクの大変さを知り、かつての自動車製造部品用に工場を大きくした後、リーマンショックで経営難に陥ったことから、もうその轍を踏みたくないと考えたようです。
すると今度は荒金から電話があり、自動車部品をIWAKURAに発注してくれます。これにはIWAKURAの社員も大喜びです。一方五島では、若者を呼び込むための釣りフェスタが行われます。
また舞を水島と吉田が「たまたま」訪れ、舞も2人をノーサイドやうめづに連れて行くも「たまたま」休業で、しかも家の水道の調子が「たまたま」悪く、デラシネに行くことになります。そのデラシネでは、舞たちの話を聞いていた貴司が、航空機部品作りはやらないというのを聞いて、目標なら会社の仕事でなくてもいいと言ってくれます。
その前にデラシネに行った時も、時の流れに任せたらええとアドバイスする辺りが貴司らしいです。しかし貴司も変わっていませんが、水島も変わっていませんね。
もう1人変わっていないのが一太で、本質的な部分は、小学生の頃から変わっていないと言うべきでしょう。その一太は釣りフェスタで会話を交わした百花のことが気に入ったようです。彼女は大阪にいるようですが、東大阪の舞と何か関係を持つようになるのでしょうか。
そして悠人。ここのところ色々な人たちの出会い、別れ、そして諦めなどがある中で、唯一今までとんとん拍子に我が道を歩いていた感がありましたが、急にめぐみにオーナーを戻すと言い出したため、めぐみはそれをひどく気にしていました。さらにその後、彼がインサイダー取引に関わっていたことが報道されてしまい、TVを観ていた雪乃は驚いて知らせに行きます。
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