第18週第3話(第84回)です。
ノーサイドに八神がやって来て、久留美に謝る。母が勝手にやったと言う八神に、なぜ来なかったのかと尋ねる久留美。父に説得されていたと言う八神の言葉に、八神の父も反対していることを久留美は知る。両親は説得する、久留美ちゃんを愛していると、八神は久留美の手を取って言う。
デラシネには毎日のように北條が来ていた。貴司は舞にお茶を入れようとするが、舞は打ち合わせで疲れたやろと自分でお茶を入れる。しかし貴司は何か悩んでいるようで、出版のことかと舞は尋ね、舞に嘘はつけないと言いつつも、歌集売んのて大変やなって、ちょっと心配になっただけと答える。そして台所を出た貴司は、店先に久留美がいるのを見つける。
久留美は例のノーサイドでの件を話す。結婚は自分たちだけの問題だけではないから、反対されるのはいいが、お父ちゃんのことであんな言われ方されるとはなあと久留美は言い、また父佳晴が土下座したことにも不満だった。あれでは仰る通り、情けない父親ですと認めたようなもんやと久留美は憤るが、どんだけかっこ悪くても、何とか娘に幸せになってほしい親心とちゃうかなと貴司。舞は久留美の肩に手をやる、
一方佳晴は道子とうめづに来ていた。金持ちか何か知らんけど威張り腐って、話聞いてるだけでムカムカすると雪乃。勝は、八神君はええ子やったけどなと言うが、子はええ子でも親はそうとは限れへんねんてと雪乃は返す。佳晴も、圭子が言ったことは真実と認めていた。居酒屋でアルバイトして、ちょっとずつお金ためてんのちゃうのと言う道子に、1年でたった5万やと佳晴。
久留美に取ったら自分は呪いみたいなもん。俺から解放されな久留美は幸せになられへんと言う佳晴に、子供の気持ち勝手に決めつけたらあかんでと勝は忠告し、痛みや苦しみもようわかってくれてるはずやてと雪乃は言う。その時梅うめづに八神が入って来て、佳晴に頭を下げる。そして家に戻った佳晴は寝てしまう。
翌朝いそいそとシャツに袖を通す佳晴を久留美は不思議そうに見るが、佳晴は八神が紹介してくれた会社の面接に行くことになっていた。デスクワークで定時帰りてありがたい仕事やないか、アルバイトで肉体労働するのも限界やったからなと佳晴。久留美はそんなん望んでへんと言うが、俺は望んでんねと佳晴。もうこれ以上お前の足引っ張りたないんや、このチャンス絶対逃さへんから、お前は自分の幸せだけ考えといたらええと言う佳晴に、久留美は当惑する。
そしてIWAKURAで仕事をする舞の携帯に、久留美から電話がかかって来る。久留美はノーサイドで八神と会っていた。お父さんのことなら心配せんでええと言われるが、久留美は指輪を返し、やはり結婚できないと言う。佳晴の仕事のことを勝手に進めたのは謝るが、お父さんさえちゃんとしてくれたら、結婚できるねんてと言う八神に、ちゃんとしてくれたらて何と久留美は尋ねる。
八神は、久留美が今のままでは不幸なので、自分が助けたいと思ったのである。助けてほしいなんか思ってへん、私の大事なお父ちゃんやねんと言う久留美。そして八神に、別れてくださいと頭を下げる。その久留美を見て舞は心を痛める。八神が去った後、舞はホンマにええのと久留美にと話しかける。その時佳晴が入って来る。
八神にお礼の電話をした際に、久留美と別れたことを知ったのである。あんなこと言われて、結婚なんかでけへんわと久留美。佳晴は面接に行った会社の資料を出し、ここなら八神さんのお母さんも納得してくれはる、お父ちゃんのせえでこないなっとると佳晴は言い、舞からも何か言ってくれと頼むが、舞も佳晴のせいではないと思っていた。
それでも頼むから幸せになってくれと詰め寄る佳晴に、久留美は涙を浮かべながら今でも十分幸せで、後悔していないと言い、涙の理由を訊かれて、スッキリしたら出て来たと答える。お父ちゃんはお父ちゃんなりに頑張ってくれたらそれでええ、それが私が一番望んでいることだと久留美は明言し、涙をこぼす佳晴に泣かんといて面倒くさいわと言う。
ノーサイドで起こった事件、結局久留美はデラシネに行き、貴司から佳晴のしたことは親心だと言われます。そして佳晴はうめづに行き、子供の気持ちを勝手に決めつけるなと勝から忠告されますが、そこへ八神がやって来ます。どうも八神が現れたおかげで、子供の気持ちを決めつけないように言われたはずの佳晴は、やはり自分のせいで久留美が不憫だと思ってしまったようです。
そして紹介された会社の面接に行くべく準備をするわけですが、ここでも久留美はそんなことを望んでいないと言います。恐らくそのせいもあったのでしょう。久留美は八神と別れる決心をします。八神は確かに久留美を愛してはいたのでしょうが、それは父親のせいで不幸であろう久留美を自分が助け、父親にも定職を紹介してあげるといった感情に突き動かされており、本来の「愛する」の意味合いとはどことなく異なる、何か独善的とも感じられるものでした。
それを考えると、久留美も別れて正解だったのではないかと思います。もしこのまま八神と結婚しても、結局は、感覚のずれに悩むことになったのではないでしょうか。
今回はこの久留美が主人公的存在ですが、貴司は貴司で歌集を出すことの大変さに気づいているようです。短歌で生計を立てられればそれがベストですが、何か理想と現実のギャップに苦しむのではないかとも思えて来ます。
しかしノーサイド、今回はとりわけラグビー関連グッズが多く見られました。無論望月家にも、佳晴の現役時代のトロフィーなどがちゃんと飾られており、この佳晴さん、6年後に迫ったワールドカップと何か関わりを持つのではないかと思われます。と言うか、そういうストーリー展開だと嬉しいです。
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