『どうする家康』、今まで関連投稿でもちょっと触れていますが、面白く観ています。当初はかなり不安もあったのですが、観てみると意外と面白く(これは『青天を衝け』と『西郷どん』も同じ)、今のところこれから先も観続ける予定でいます。
主人公は現時点ではいささか頼りないのですが、その彼を支える家臣たちがそれぞれ一癖あって、しかも如何にも三河の人物らしい質朴さもあり、この両者の絡みに加えて、大胆不敵で元康を兎呼ばわりする信長とか、駆け引きの仕方を教える水野信元といった、クセの強い面々が登場し、戦国大河らしさを感じさせます。
そして於大の方。主君たるもの国と家臣のためなら、妻子を捨てよと言ってしまう辺りもなかなかのものです。実際この時代は、家族よりも家臣や乳母との結びつきの方が、場合によっては強かったと言うべきでしょう。この女性も兄の裏切りによって離縁させられるなど、戦国時代のある程度の身分の女性らしい経験もしており、それゆえに様々なことを学んだと言えそうです。
本当の話、私は『麒麟がくる』には少し期待はしていました。前年の『いだてん』がちょっと期待外れであったこと、そのため2月から観なくなったこともあり、この次は男性主人公の戦国だから、それなりに大河らしくなるのではと思っていたのですが…。
ただ駒が出張るシーンだけがよくなかったのではなく、演出とか衣装の色遣いなど、他にもちょっとこれはどうかと思われる点がいくつかあり、同じ池端氏の『太平記』が面白かっただけに残念でした。とはいえすべてがよくなかったわけではありません。
大体どの大河もそうですが、100パーセント面白い、あるいは面白くないという作品はそうお目にかからないものです。『麒麟がくる』の能のシーンなどはこれぞ室町文化といった印象でしたし、吉田鋼太郎さんの松永久秀などもよかったとは思います。あと『鎌倉殿の13人』、これも前に書いてはいますが、負ける側の人物、特に義経が追われる描写などは三谷さんらしかったと思うし、やはり三谷さんは、こういう人物を描く方がいいいのではと思ったこともあります。
話が戻ります。元康が今川に背を向けて、尾張に行くことになり、次回からは織田家の人々が多く登場するようです。無論大河はドラマなので、オリキャラも当然出て来ますが、ガイドブックをざっと見る限り、忍びとか謎の人物といった設定に留まっているようです。
あと鵜殿長照とお田鶴も登場するようですが、お田鶴は『おんな城主 直虎』の時に登場させられなかったのかとは思います。あの場合は直虎(おとわ)を中心に据えたため、逆に出しにくくなったのかも知れませんが、永禄年間の東海地方の情勢に、もっと突っ込んでもよかったかも知れません。
スポンサーサイト