3回にわたってワールドカップについて書いて来ました。今回はテストマッチに関してです。このテストマッチと言うのは練習試合ではなく国際試合、キャップ対象の国際試合のことを指します。他にクリケットでも、国際試合をテストと呼んでいます。
元々世界レベルでは
北半球-ファイブネーションズ(現シックスネーションズ)
南半球-ブレディスローカップ、後にトライネーションズ(現ラグビーチャンピオンシップ)
の2つのテストマッチシリーズがありました。
ファイブネーションズは英+アイルランドの4か国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド)とフランス、ブレディスローカップはNZと豪州の間で行われていて、夏は北半球が南半球へツアーを行い、秋から冬はその逆に、南半球の代表チームが、北半球へ行って試合を行っていました。これは今も変わりません。尚ワールドカップの実現は、南半球、特にNZからの強い要望が後押ししたとされています。
ただかつてはファイブネーションズ、ブレディスローカップ→トライネーションズに参加していない国は、その他大勢といった感もあり、強豪国のBレベルのチーム、選抜レベルのチームと試合を行っていました。またキャップ対象試合もまちまちで、ある2国が試合をした場合、一方はキャップ対象だがもう一方はそうでないということも珍しくありませんでした。1989年5月、日本がスコットランドを破った試合もそうでした。この時日本はキャップ対象でしたが、相手のスコットランドは正代表ではなく、スコットランドXVという、若手中心のメンバーだったのです。
確かにあの時の日本はよく戦いました。しかし残念なことに、相手は正規のチームではなく、本物のスコットランドと対戦するのは、1991年のワールドカップを待つことになります。尚ワールドカップの試合は、もちろんすべての試合がキャップ対象です。
その後見直しがはかられ、IRB(国際ラグビーボード、現ワールドラグビー)が認めた試合はすべてキャップ対象となりました。それと同時にワールドカップ体制も浸透し、選手やコーチはワールドカップを第一目標に置くようになります。
それに加えて、非強豪国が強豪国と試合をする機会も増えました。ただ上記のテストマッチシリーズに参加していない国は、やはり試合数が少ないため再検討され、世界レベルのシリーズがスタートする予定です。尚かつてのファイブネーションズは、2000年のイタリアの参加でシックスネーションズとなり、トライネーションズも、2012年にアルゼンチンが参加してラグビーチャンピオンシップとなっています。ただどちらも、今なおシリーズではBクラス、最下位にとどまっています。強豪にはやや力が足りないが、それでも強い国として認められてはいるレベルです。
ところでそのイタリアと日本、この夏、ワールドカップ前に対戦することが決まっています。
日本代表 イタリア代表と8月に対戦決定のお知らせ
(日本ラグビーフットボール協会公式サイト)
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