遅くなりました。第15週第4話(第70回)と第5話(第71回)です。
第70回
めぐみはIWAKURAを続けることに決め、舞も梱包だけでなく、経理でも事務でもやると決める。しかしめぐみの社長就任に信金の支店長は、付け焼刃の知識でだけではできないと反対する。支店長に同行していた大西は、経営を見て来た奥さんやったらできる、技術面では笠巻さんらが助けてくれると助け舟を出す。しかし問題は運転資金だった。
その資金に、めぐみは浩太の生命保険金を充てるつもりでいた。そこまでの覚悟がおありかと支店長は言い、ならば社長就任に当たって、給与削減や人員整理などに取り組んで、経営計画を提出するように求める。そしてめぐみは社員を呼び集める。彼らは身売り先が決まったのかと噂していた。
めぐみはIWAKURAを売却せず、自分が経営を引き継ぐことを発表する。無論社員からは戸惑いや、リストラを懸念する声が上がる。社長はリストラだけはせえへんと言って頑張ったと宮坂。すると笠巻が、社長は頑張って無理を重ねて亡くならはった、めぐみさんは覚悟を決めている、俺らも覚悟を決める時ちゃうかと口を挟む。めぐみは社員の協力を求めて頭を下げる。
うめづでめぐみは舞と食事をしながら、リストラは最後の手段で、今は新しい仕事を貰えないか当たってみると言うが。まだ新規の仕事はなかった。一方舞は事務の仕事を始める。そこへ藤沢が戻って来て、安永工業が取引を終了したがっていると伝える。めぐみが社長になって先行きが不安というのがその理由だった。めぐみは藤沢を連れて安永工業へ向かう。
夜。舞は自室で悠人から言われた、「あんなちっちゃい工場のためにパイロットやめるとかアホなんか?」の言葉を思い出していた。柏木から電話があったが、出る気にならなかった。そしてめぐみは得意先を失ったため、最低でも3人リストラの必要を感じていた。彼らの再就職先を探すと言うめぐみに、自分も手伝うと舞。
品質を守るか、現場の稼働率を守るかによって、誰に辞めて貰うかが決まるとめぐみは言いつつ、徹夜してリストラ対象の3人を決める。そしてその1人ずつと面接するが、3人の反応は様々で、その1人からは、お嬢ちゃんもこんなこと手伝うて大変やなあと言われてしまう。一番最後に面接した小森は、退職を断固拒否した。
第71回
舞は名刺を頼りに3人の再就職先を探すが、どこも人手は足りているという返事ばかりだった。結局舞とめぐみは、一月ほどかけて自分たちで再就職先を探し回る。そして2009年8月、浩太の初盆。めぐみは取引先回りを続けていた。そしてリストラ対象となっていた、稲本と砂川の再就職先がようやく見つかる。
小森は退職を拒んでおり、強引に進められなかった。舞は休憩室で小森に話をしようとするが、辞めろと圧力をかけるのはあかんと小森は不満げで、前の社長はこんなことせえへんかったと席を立つ。笠巻は小森はプライドが傷ついたんや、納得の行く職場が見つかったら気も変わんのとちゃうやろかと言う。舞は小森がどのような職人なのかを尋ねる。
笠巻曰く、小森は手を抜かず、つまらん仕事でも真面目にやるのが取り柄やと答える。しかしなかなか小森の次の職場は見つからない。そんな時舞はバッグの中の携帯が鳴るのに気づくが、電話にも出ず先を急ぐ。電話の主は柏木だった。そして家の近くで舞は、かつての浩太の仲間に会い、再就職先の世話を頼んでみる。しかし彼らの状況もまた厳しかった。
どんな職人かと尋ねられ、ずっと転造(素材に強い力を加え、盛り上げて成型する加工方法)をやっていて、どんな仕事も手を抜かないと答える舞。ならば長井さんに聞いてみと言われ、舞は小森に長井の工場を紹介する。大きなお世話と言わんばかりの小森だが、実際長井に小森の仕事を見て貰い、長井の評価は高かった。そんな舞に小森は、自分が作って初めてj褒められたネジを見せる。
そのネジを浩太も褒めていたこと、IWAKURAのネジは金型の調整を徹底的にやることに小森は言及し、ここで働いているのが自慢だと言う。しかし自分が辞めないと潰れるのであれば、しゃあないと小森。舞は戻って来て貰えるように精一杯頑張ると言うものの、信じたいけど無理だと言う小森。家へ戻る途中、舞は柏木と出くわす。
柏木はちゃんと話したいと言って舞と歩いて行く。その様子を戻って来ためぐみが目にする。舞は近くのベンチで、工場を続けること、ハカタエアラインの内定を辞退することを伝える。パイロットになるために頑張ったのに、今諦めたら後悔すると柏木。しかし舞は、今ここを離れたら絶対後悔する、お母ちゃん助けて工場立て直したい、それが自分に取って一番大事なことと断言する。
本当にそう決めたんだなと柏木は言い、舞の両肩に両手を置く。かすかにそんな気がしたが、そんな舞だから好きだった、短い間でも一緒に空を目指せて幸せだった、頑張れよと言って柏木は去って行った。舞は自室で例の集合写真を見て涙する。めぐみがやって来て、何かあったんやなと言い、舞は目指すもんが違って別れたと話す。
めぐみはお母ちゃんはあんたを…と言いかけるが、舞は遮るように小森さんが長井さんとこで働いてくれる、小森さんと約束した、戻って来て貰えるように精一杯頑張ると約束した、一緒に頑張ろと言う舞に、ホンマにええのと尋ねるめぐみ。舞はうなずく。
IWAKURAを継いだめぐみは、今後の融資のためにもリストラせざるをえなくなりますが、小森という社員だけリストラを拒否します。小森はIWAKURAでの仕事にプライドを持っており、結局浩太の仲間の長井の工場に行くことになります。また舞は柏木とのやり取りをしなくなり、その柏木は東大阪を訪ねて来ます。舞はめぐみと共に工場の再建を目指し、それぞれが別の目的に邁進することになります。
ところで舞がめぐみに対して「何でも手伝う」、あるいは小森に対して「戻って来て貰えるうように頑張る」と言うシーンですが、これはちょっと裏付けに乏しいような気がします。舞がそれを言うのであれば、彼女自身がIWAKURAの人間にならないと、難しいのではと思うのですが-一応、次の週で社員となるようですが。あと小森の再就職先探しも、何だか舞自身の就活のように見えてしまいます。
しかしこの第15週を観て思ったのですが、この週の主人公はどう見ても舞ではなく、めぐみに見えてしまいます。めぐみが夫の浩太を失い、会社をどうするかで悩み、一旦は手放すことを考えたものの、社員が奮闘しているのを見て、経営を受け継ぐと決意するわけですね。それを考えると、いっそめぐみをもっと前面に押し出すような形でもよかったかも知れません。
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