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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 82その1

『武将ジャパン』大河コラム、第44回前半に関する記述への疑問点です。


鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第44回「審判の日」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)


1.当人が設計図を描き、実際に造るのは弟子。早く作ったほうが喜ばれるし、次の依頼をこなせると打ち明けています。
古今東西、チームで作ったものが代表者一人の名義になっていることはよくある話ですね。

鎌倉初期、あるいは平安時代の像は、誰が作ったかがきちんとわかっている物もあるのですが。

2.政子は義時が信心深くなったと感慨深げです。
なんでも半年前、義時の夢に白い犬が出てきて、妙に心に引っかかっていたとか。夢のお告げは信じない。そう言いつつも、どこか気にはなるのでしょう。

政子は「信心深くなった」と言っているのではなく、
「変わるものね、大して信心深くなかったあなたが薬師堂を建てるなんて」
と言っていますね。

3.行事に金を費やすことは、鎌倉という幕府を作る上でも大事なこと。ゆえにそこは「気にしい」でよいのです。

「行事に金を費やす」というセリフはこのシーンで登場しないのですが。

4.官位の話は、日本史において避けられないものですね。
伝統的に日本人を縛るものであり、江戸時代の大名だって「あの家よりも高い官位が欲しい!」と贈賄をしてまで買いました。
そうかと思えば、天皇の飼い猫が昇殿のため従五位下とされたり、江戸時代には天皇に謁見するため従四位を与えられた象もいたり、妙なことが起きるものです。

官位官職と言うのはその人物が昇殿できるか、帝に拝謁できるかを決めるためのシステムでした。「日本人を縛る」は如何なものかと思います。動物への官位贈与は、帝にお目にかけるためのものとして必要だったのでしょうね。

5.こうした思考回路は、2020年『麒麟がくる』の織田信長が体現しておりました。
彼は天皇から与えられるこういった恩恵に対し、途中から無頓着になるという描写でした。

武者さんは『麒麟が来る』絶対だからこうなるのでしょうが、それ以外の戦国大河でも、信長が官位を欲しがらないシーンはあります。無論これは、彼が日本の支配者を夢見ていたからとも受け取れます。

6.八幡宮の僧侶に列の並びを聞かれた朝時があっさり教えたと教えられ、泰時が愕然とします。
平盛綱も硬直。
朝時は教えたら駄目なのか?といささか狼狽していますが、こやつに警備担当をさせたら駄目すぎますね。機密が全く守れていない。

このシーンですが、八幡宮の僧たちだからと言うことで、朝時も気を許したのではないでしょうか。無論朝時が「駄目?」と訊いているだけで、他はいいとも悪いとも言ってはいません。ただ泰時はそれでいいのかといった表情ですが。

7.ドラマ本編では描かれてませんでしたが、実は次の鎌倉殿の妻には、源頼家の娘である竹御所とされていました。女系では血が繋がるという意識があるわけです。
中世は、女系継承の重要性を理解しておくと、理解しやすくなるかもしれませんし、ここでの政子の指摘は重要かもしれません。

中世というか鎌倉時代の女系継承は、前の時代の名残りもあったでしょうし、女性が土地分配の対象であったのも、土地が沢山あったからと言えます。これが室町時代になると変わって来ます。

8.義時の妻・のえが、源仲章と貝合わせをしています。
つくづくいやらしい大河ですなぁ。貝合わせは夫婦和合の遊びでしょ。

貝合わせはその貝の美しさをめで、優劣を決めるのがそもそもの遊び方でした。それぞれの貝を合わせるのは、元々貝覆いと呼ばれていたようです。夫婦の和合の象徴となるのは江戸時代以降で、その頃は貝の大きさも大ぶりになりました。この大河の貝もいくらか大き目ですね。

9.貝合わせをしたいのだと彼女が答えても、魂胆あって近づいたことがなぜわからないのか!と苛立つばかり。
おおかた仲章は、京都から取り寄せた高級品でも貝合わせに使ったんでしょうね。京都の雅で釣ればホイホイ引っかかると踏んだか。

その前の回で、既に仲章はのえに近づいていて、のえも遠江の生まれだが坂東が合わないと言っていますね。こういうことを踏まえての、今回の貝合わせでしょう。

10.嗚呼、義時よ……。かわいげがない、愛嬌不足の男です。この点、源頼朝や父の北条時政とは大違いだ。
のみならず、色気もないと証明してしまったこの夫婦のやりとり。艶っぽさがまるでありません。
まだ八重や比奈と一緒にいる時は引き出されていたけれど、もうゼロを通り越してマイナス。
仲章は、自分の色香を把握していた上で、それをふんだんに使いながら彼女に迫った。
それと比べると、なんと無惨なことでしょうか。

「嗚呼、義時よ」て武者さん、この前もこの表現を使っていますね。よほど使いたいのでしょうか。
別に私は、この夫婦の会話にロマンスを感じようとは思わないし、義時もお前はあいつに利用されていると言いたいだけでしょう。八重とか比奈とのえとでは、置かれた境遇も、義時と結ばれた動機も異なっています。また義時と仲章も、両者の立場が正反対である以上比較はできないでしょう。なぜ無惨なのでしょうか。

11.八幡宮では北条時房が警備の準備を進めていました。
なんでも公暁に関して、怪しい情報が届けられているとか。馬を用意しているうえに、そばにいる駒王丸はあの三浦平六義村の息子である。

ここの部分ですが、まず公暁に関しての怪しい情報について。盛綱が泰時に話した、蓑が八幡宮に運び入れられた件でしょうね。なぜ参篭の最中で出かけるわけでもないのに、蓑を運び入れるのかと泰時が怪しむわけです。
それから「馬を用意している」ですが、このシーンを何度見ても馬など出て来ません。
あとそばにいる「駒王丸」は、「駒若丸」ですね。駒王丸は木曾義仲の幼名です。

12.そもそも実朝は、公暁が鎌倉を狙う行為を理解できません。挙句の果てには、親王がくだることを喜んでいるのではないか?とまで言い出します。
これには実朝のバイアスも感じます。西から東に来れば喜ぶという先入観がある。

公暁も京で修行をした以上、朝廷の権威と言うものは分かっているから、実朝のバイアスとは一概に言えません。ただそれ以前に、なぜ自分が冷遇されるとも思っていたはずで、この喜ぶと言うのは、あくまでも「喜ぶ素振り」であったかとも考えられます。

13.鎌倉から離れようとする源実朝に対し、激しい動揺を感じた北条義時について少し考察を。
本作はなかなか難解なところがあります。
義時は武士の世の終焉について考えているようにすら思える。
武士の政治権力が天皇のいる京都に向かうと危うい。
これは幕末の懸念でもありました。

「武士の世の終焉」とありますが、まだその武士の世ができて日が浅いこの当時、鎌倉を中心とした御家人たちの政権が終わるのを危惧していたと思います。

でその後「一会桑政権」が登場し、
「2021年『青天を衝け』の冒頭には徳川家康が出てきて、こうした武家政権の構造を表面的にはなぞりますが、どんな行為が江戸幕府にとって致命傷になるか?という情報は得られませんでした」
とありますが、『青天を衝け』の主人公は渋沢栄一であり、また家康公はナビゲーターなのだから当然です。ちなみにあの家康公は好きでした。
そして
「その家康ができなかったことを義時が説明しているようで、超絶技巧にもほどがある。勉強になります」
何やら意味不明な文章ですが、結局は青天は駄目で鎌倉殿はいいと言う、今まで通りの武者さんの論調のようです。

そしてまた、
「それと同時に、不思議なことも。
明治維新で【王政復古】だというけれども、京都が首都になるどころか、武士が作り上げた江戸を東京として、そこに天皇と御所を移した。
これは一体どういうことか。鎌倉時代草創から明治維新まですっ飛ぶような、そんな発想をしてしまうのです」
とあります。諸説あるとは思いますが、やはり帝と公家を切り離したかった、江戸のインフラを活かしたかったというのも理由としてあげられるでしょう。新政府にも、多くの幕臣が取り立てられていましたし、特に『西郷どん』では、明治天皇に東京に移っていただくことについての描写もありますが、どちらも武者さんは好きでない大河だから、ちゃんと観ていないのでしょうか。

14.文官たちは武士に対する「文士」とされましたが、子孫の代となると武士に吸収されていきます。
文士と誇りを持っていられた時代は長くありません。弓すらまともにできないとからかわれ、奮起する文士の子孫たちがいます。
一方で武士も教養を身につけていく。
両者融合して、文官武官の区別があいまいな日本の武士はできあがるのです。

鎌倉幕府というのは武家政権です。中国のように文官が優勢であるわけがないし、また文官と武官にはっきり分かれていたわけでもありません。寧ろ僧侶が、文官として政権の補佐をしていたことはあります。

15.そんな大江広元に、義時が本音を打ち明けます。
「今にして思えば、頼朝が望んだ鎌倉は、頼朝の死と共に終わった」
しんみりとするようで、嫌な開き直りにも聞こえますが、広元はどう反応するか。
頼朝の建てた鎌倉を放り出すことはできないはずだと語りながら、義時の背中を押します。
「臆することはございません。それがこの鎌倉の流儀。仲章には死んでもらいましょう」
そう言い切る広元は、すっかり精神が武士に染まっています。
京都の貴族は流血を嫌います。ゆえに呪詛が好き。仲章が「血で穢れた」と言っていたように、そんな発想があります。
一方で広元にはありませんね。

「今にして思えば、頼朝が望んだ鎌倉は、頼朝の死と共に終わった」
ではなく
「今にして思えば私の望んだ鎌倉は、頼朝様が亡くなられた時に終わったのだ」
ですね。頼朝のためであったからこそ、彼もまた骨身を惜しまず働いたのでしょう。それと広元ですが、頼朝という武人に仕えている以上、このような発想になってもおかしくはありません。
「あなたの前に立ちはだかる者は、みな同じ道をたどる」
とも言っているわけですし、義時に賛同しているのがこれでわかります。
また仲章の「血で汚れた」の表現は、頼家の殺害という意味も込められているでしょう。

16.いい歳して派手すぎかと言い訳しながら、実衣が真っ赤な衣装を着ています。
今さら、と返す政子の頭巾はかわいらしいピンク色。
実衣が尼御台も化粧をしたらと言うと、政子は顔を見せてきます。
きれいにお化粧をしています。ちょっと赤を使っているとか。

実衣は「真っ赤な」ではなく、赤地に花柄が入った袿ですね。政子の頭巾がピンクかどうかは、照明の具合にもよるかと思いますが、目元と唇に紅を使っているのは確かです。


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[ 2022/11/24 00:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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