明日はミルトン・キーンズで日本代表とサモアの試合です。ここで勝って、決勝トーナメント入りを目指してほしいところですが、サモアもフィジカル面が強いし、個々の突破力はかなりのものです。いわゆるアイランダー勢(サモア、フィジー、トンガの3国)の中でも手ごわい相手です。無論、それを如何に封じ込めるかにこの10日間が費やされて来たのでしょう。その成果を見せてほしいものです。一方「死のプール」ことプールAでは、開催国で優勝候補であるイングランドがウェールズに負け、明日の豪州戦に勝たないと決勝トーナメント入りが難しくなります。こちらも開催国、ひいては母国の意地で負けるわけには行かないのですが、もし勝っても、得失点やトライ数によっては敗退の可能性もあります。
さて、 優勝候補の一角であるニュージーランド(NZ)は、比較的楽なプールということもあって悠々と勝ち続けています。しかしNZがかつて優勝したのは、母国での大会のみです。すなわち、1987年の第1回と2011年の第7回のみで、あとはベスト4には入っても、優勝トロフィーであるウエッブ・エリス杯には手が届いていません。そして、NZは過去2回、フランスに優勝への道を遮られました。1つは1999年のウェールズ大会で、この時NZは多少慢心していたともいわれ、本来勝てるはずのフランスとの試合をあっけなく落としました。その後3位決定戦では宿敵南アフリカにも敗れ、失意の4位で帰国しました。この時ショックを受けたのは、彼らを支持する子供たちでした。自分たちのヒーローが連敗したことで、小児心療内科の患者が増加したといわれ、その年の総選挙にもこの敗戦が影を落としたともいわれています。
NZのもう1つのフランス戦黒星は、2007年大会でした。この時は準々決勝で開催国のフランスに敗れ、その後の代表監督を巡って、かなり議論が交わされたようです。結局監督はそのまま留任し、その後チームを再建しましたが、特にNZの場合、オークランドを中心とする北島と、クイーンズランドを中心とする南島が対立することがしばしばあり、 それが監督人事に影響を及ぼすこともあります。この辺は、なかなか日本人のファンには理解しがたいものがあります。また豪州も、かつてはシドニーを中心とするニューサウスウェールズと、ブリスベンを中心とするクイーンズランドが二大勢力だったこともありました。ちなみにもう1つの南半球の雄である南アは、対立構図はともかく、南北で移民してきた人々や言語が違い、北の方がオランダ系、南の方が英仏系で、それに先住の人々が混じる形になっています。ちなみに南アの白人選手のルーツで多いのは、オランダ系とフランス系、そしてイギリス系です。
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