第7週第5話(第35回)です。
舞がパイロットになるため、大学を中退して航空学校に通うことに、浩太もめぐみもOKを出す。その頃久留美は母親の久子と会い、今までくれたバースデーカードを見せて礼を言う。大事に持っててくれたんやねと久子。
久留美は、なぜ久子が父佳晴と自分を置いて出て行ったのかを尋ねる。久子は置いて行ったのではなく、佳晴がラグビーを引退して会社を辞めた時、立ち直るまで面倒を見ようと看護師に復職したのである。
しかし佳晴は立ち直ろうとせず、このままでは駄目になると、久子は実家へ帰ることを決める。しかし佳晴はこう言ったのである。
「せえせえするわ。お前と一緒になれへんかったら、俺もっとマシな人間やったって」
しかも久子が出て行こうとした時久留美は、自分から父といると言ったのである。
久留美は自分が行かなかったら、久子は戻ってくると思っていた。ホンマは戻って来てほしかったと久留美。久子は何度も帰ろうと思いつつ、1人で生きる道を選んだのである、薄情な母親でごめんなと久子は言う。久留美は、お母ちゃんの気持ち、ちょっとわかる気ぃすると言い、父が変わっていないこと、仕事も続かないこと、自分で努力しないことを打ち明け、だから自分は頑張っていると言う。
久留美はお父ちゃんとおると言ってしまった以上、頑張らざるを得なかった。久子は久留美の横に座り、その背中を撫でる。久留美はたまにしんどいねん、ずっとこのままなんかなって思たら、私、幸せになれるんかなあと涙を流す。久子は娘に、こんな思いさしてしもてごめんと謝り、ホンマによう頑張ってんねんなあと励ます。久留美は母と同じ看護師を目指し、看護学校に通っていることを伝える。
大阪では、貴司がうめづに戻って来た。雪乃は駆け寄り、どれだけ心配した思てんねやと貴司を小突く。こんなことになる前に、何で言うてこうへんかったんと言う雪乃を勝が、無事に帰って来てくれたんやと止め、まだしんどいんかと尋ねる。貴司はどないして生きて行くか考えたいと口を開く。雪乃は普通に幸せになってもらったらいいと言うものの、貴司にはその「普通」が難しかった。
そんなこと今まで言っていないと言う雪乃に、我慢していたと貴司。しかしもうそれはやめたい、旅しながらその土地で働いて居場所を探したいと言う。分れへんと雪乃、勝も分からなかったが、お前がそう言うんやったらやったらええ、ほんで答え見つかったら教えてくれと貴司に言う。さらに勝はこうも言う。
「お父ちゃんもお母ちゃんもな、お前のこと分かりたいねん」
雪乃も結局うなずく。
貴司は勝と雪乃に礼を言う。こっからおらんようなってもな、お前とバファローズはいつまでも俺の希望の星やでと勝。何かっこつけてんねんな、しょうもないこと言うやろ父ちゃんと言う雪乃に、貴司もいくらか気持ちがほぐれた。そして五島のさくらのみじょカフェに、舞と一太の父信吾が来ていた。大阪へ帰る舞に、もう帰るのか、どうしてみんなすぐ行ってしまうのかとさくら。
さくらの彼のむっちゃんも、やっと一緒になれたと思ったら、新しい仕事で海外に行くことになったのである。若い子が島から出て行くと信吾。役場の職員である信吾に、どうかしてくれとさくらは言うが、よか知恵出てこんとさあと信吾。舞は一太の将来について信吾に尋ねるが、一太は豪の造船所で仕事をしたがっているようだった。舞はその一太を訪ね、一太は貴司を舞の婚約者と勘違いしていたことを知る。
さっきまでかなり落ち込んでた、舞ちゃんのことば好きやったもんなと豪。その一太は舞に何になりたいかと訊き、舞はhジェット機のパイロットだと答える。その頃才津家では浩太が仏壇に線香を上げていた。そして浩太はめぐみを勝手に大阪に連れて行ったことを詫び、今までやってこられたのはめぐみのおかげであること、めぐみを幸せにするつもりが、幸せにしてもろてたと言う。
その分お義母さんには、さみしい思いをさせて申し訳ないと頭を下げる浩太。祥子はめぐみはすぐ帰って来ると思ったら、蹴って来なかった、それがさみしくてうれしかった、あん子も頑張ったとやろと言い、浩太にめぐみを幸せにしてくれてありがとうと、やはり頭を下げる。そのやり取りをめぐみが聞いていた。
浩太とめぐみ、そして舞は祥子のめぐみ丸で福江島を目指す。途中祥子は操縦席から、飛行機が飛んでいることを舞に教える。舞はそれを見ながら、きっと飛んだるでと心に決める。
舞のパイロットの問題は一応決着しましたが、久留美、貴司そしてめぐみと祥子の親子のいきさつが描かれて行きます。久留美は自分が東大阪に残れば、母の久子は帰ってくるだろうと思ってはいましたが、結局そうはなりませんでした。久留美のこの、出て行った家族を待つ気持ちは、祥子がめぐみが帰って来るだろうと考えていた、その気持ちとどこかダブります。
そして自分がここに残ると言い出した以上、頑張らざるを得なかったと言うのは、貴司が両親に本心を打ち明けらなかったことと、どこか共通するものがあります。難を言えば、最初久留美はなせ父と自分を置いて行ったのかと尋ね、その後で自分が残ったら、お母ちゃんは戻ってくると思ったと言っています。当該シーンを見ても、久留美は久子から置いて行かれたのではなく、自分で残る選択をしています。
この辺りがちょっとわかりづらいように思います。「お父ちゃんと私」でなく、「お父ちゃん」を置いて出て行ったのはなぜだったのか、そういう風に持って行った方が、わかりやすくはあったでしょう。
そして貴司です。舞が人力飛行機のパイロットを務め、それがきっかけになって旅客機のパイロットを目指し、久留美が母と同じ看護師を目指したのに比べると、貴司にはそういう動機付けはなく、それもまた彼が悩んだ一因ではあるでしょう。一方で一太の夢は、子供の頃から世話になった豪への恩返しでしょうか。
しかしバファローズ解散が、このような形で描かれるのですね。スポーツというのは、たとえチームがなくなっても、そこの人々に与えたものはかなり大きいです。また佳晴さん、いくら自分が無気力で心折れた状態であっても、奥さんにああ言うのはよくありません。それとカードの電話番号、多分久留美もこの番号にかけたのでしょうが、市内局番が二桁になっています。もちろん福岡市の市内局番は三桁ですが、既存の番号とのダブりを避けたのかも知れません。
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