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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 81その1

『武将ジャパン』大河コラム、第43回前半部分に関する記述への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第43回「資格と死角」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)

まず法衣に関して

ドラマに登場したばかりの文覚は言うに及ばず、阿野全成や義円よりも美しく繊細なものとなっています。国家と仏教の興隆が明らかですね。
むろん地位の影響もあります。

仏教は既に奈良時代には国家の庇護を受けています。たかだか数十年で仏教が興隆したわけではありません。しかも文覚の衣は緋色の華やかな物でした。こういうのは宗派や階級によっても異なるでしょう。ちなみに公暁の衣は木簡色と呼ばれるもののようで、階級に関係なく着られています。

仏に仕える身で、なぜ武術を鍛えねばならんのか、と不思議に思いません?
他国の仏僧からしたら「違う違う」と突っ込まれることでしょう。
修行のため粗末であるはずの袈裟はキラキラだわ。妻帯もするわ。呪詛もやるわ。道教要素も混ざっているわ。

それを言うなら、この後の時代に大塔宮護良親王という、親王でありながら武芸に優れた人物もいますね。身分が上の僧の衣はそれなりに格式がありますし、仏教は神道と融合した部分もあります。あと呪詛と呪法は違いますね。そして妻帯は親鸞がその草分けとされていて、浄土真宗では認められていますね。

妻帯で思い出したのですが、先日『アガサ・クリスティのミス・マープル』を観ていて、神父さんとその妻が登場するシーンがありましたが、英国国教会、つまり聖公会では聖職者は妻帯が認められています。(これは他のプロテスタント諸派も同じ)

これではいかんと栄西たちが努力して、仏教も変わり始めるのが鎌倉時代です。
なんせ僧兵という強力な軍事力を有していて、武装解除が本格的に進められるのは戦国時代が終わった江戸時代以降となります。
そんな日本史の流れも彷彿とさせる秀逸な描写ですね。

栄西は禅宗(臨済宗)を普及させていますが、どのように「仏教が変わり始める」のかの記述がないのですが。そして僧兵に関して言えば、元々は寺院の自衛手段であり、途中しばしば弾圧があったものの、秀吉の刀狩りの頃までそれが続きます。しかしそれと栄西がどのように関係があるのか、これも詳しく書かれていません。

同じ懸念を抱く義時も、この話は困るから止める協力をして欲しいと実衣に伝えると、義村は、あらためて「公暁がその気になっている」と主張します。
実衣が阿野全成との間にできた息子の阿野時元を鎌倉殿に据えようとしている野心を見抜き、牽制しているのですね。

まず義時ですが、実衣だけにではなく
「2人とも後押しを頼む」
と言っています。そして実衣は
「次は公暁殿かうちの息子」
と言っており、別に公暁を無視しているわけではないのですが。ただ義村はそれはないと言っています。

そしてこの二人のやりとりから、日本ではまだ儒教思想が根付いていないとわかります。
叔父よりも子が上になる――そんな常識があれば、実朝だって公暁に譲っていたでしょうし、義村が実衣を黙らせることもできたはず。

儒学に基づく儒教思想が広まるのは江戸時代に入ってからだから当然です。なぜわざわざこんなことを書くのでしょうね。

2020年大河ドラマ『麒麟がくる』では、叔父と甥の継承がありました。
明智光安は兄の子である光秀が若いため、一時的に家を継ぐも、自分は中継ぎと理解していて自らを犠牲にしてでも光秀を生かした。
あれは明智一族が儒教由来の道徳心を身につけているという描き方にも思えます。
そういう教養と道徳心が当時の鎌倉にはまだまだ足りない。ゆえに罪悪感が生じようもない。

また『麒麟がくる』を引き合いに出していますが、異なる時代、異なる習慣同士を比較してもどうしようもないのですけどね。ともかく武者さんが『麒麟が来る』絶対主義と言うのはわかりますが、それをすべての基準にするのは無謀と言うよりほかはありません。

また元々は光安は、幼い光秀の後見役であったとも言われています。

「これからも尼御台は思った通りの道を突き進むべきだ」
頼りにしていると言われ、広元はあの酔いしれた口調で告白します。
頼朝様に呼ばれて鎌倉にきた。その後、頼家様、実朝様に仕えたけれど、私が仕えた人はただ一人――尼御台だと。
政子が驚いていると、広元はもう目が見えないけれども、心の目ではあのお姿を見ていると陶酔しきって言います。
「重すぎます……」
「失礼しました」

ここの部分ですが、広元は既に視力を失っているがゆえに、心の目には政子の姿が焼き付いているということを言いたかったのではないかと思われます。それとここまで言うからには、広元自身も何か思惑があるとも考えられます。

それにしても大江広元が、ちょっと気持ち悪いくらい酔っ払っていますね。
この冷酷な文士は、その狡猾さゆえの救いを見出そうとしていると思えました。

別に気持ち悪いとは思わないし、寧ろ彼が酔っているのは、自分の思惑に政子が乗って来ていることではないかとも思えるのですが。

それにしても、ここで「十三人の合議制」を持ち出すとは、まるで呪いのような制度でしたね。
ようやくタイトルを回収したと思ったら、次から次へと死んでしまい、すぐにガタガタと崩れてしまった。
十三人をモチーフにした土産菓子なんて、見ちゃいられませんでしたよ。いくらなんでも不吉過ぎますってば。

本来頼家を牽制するための制度だったわけで、しかも構成員である御家人たちのそれぞれの見方があるわけですから、あまり機能しないのも当然と言えば当然でした。しかし十三人をモチーフにした土産菓子云々、これは余計でしょう。小檜山氏名義のツイートでも、これに類する文章を何度か目にしましたが、場合によっては違法行為にもなりかねないのではないでしょうか。

当初の十三人に政子は入っておらず、今回は人選に関わったという見方もできる。表立って見えないようで、実はしっかり彼女の力が及んでいる。そんな女性の権力も重要でしょう。
(中略)
中世の女性は政治を動かしていたと学べる今年の大河は、やはり秀逸ですね。

女性が政治を動かしていたのは、別に鎌倉時代に限った話ではありませんが。恐らく来年の戦国大河でも、様々な形で政治に関わった女性は出て来るでしょう。結局これも「今年の大河は素晴らしい」を言いたいがためなのだなと思います。好き嫌いで作品を判断する武者さんらしいです。

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[ 2022/11/17 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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