第5週の第4話、そして第5話です。あらすじ中心になります。
第4話(第24回)
記録飛行まで一月となり、大学も夏休みに入って、舞のトレーニングはますます過酷になるが、なぜか体重が増えてしまう。人力飛行機は、パイロットがペダルを漕ぐことでその回転が駆動系を伝わり、プロペラを回転させるのである。それにより推力が生まれ、飛行機を前に勧めることになる。飛行機を浮かすのに必要な力が出力で、これがワットで表される。190ワットは急斜面で自転車を全力で漕ぎ続けるのに相当し、かなりしんどい。
部室で舞が190ワットで漕げた時間は29分だった。記録更新にはスワン号を15.44キロ飛ばす必要があり、それには舞が190ワットで50分漕ぎ続けなければならなかった。そして舞の体重は目標まで1.1キロだったが、変動が大きかった。体重はあとひと月でクリアできるやろと鶴田、そして刈谷は問題は体力だと言う。ただ舞の頑張りにも限度があり、玉本はプロペラ効率を上げようと言い出す。
しかし刈谷は、出力を190ワットから180ワットに変更しようと言う。このため尾翼の大きさや主翼の取り付けにも変更が生じるが、舞のために一同ふんばることになる。刈谷はワット数が減る分速度が遅くなり、漕ぐ時間を長めにする必要があるため、50分から60分に変える。体重は目標値まであと1キロとなり、舞はジャムを食べる両親のそばで、朝食をプロテインのみで済ませ、部室でマシンを漕ぐ。
そこへ松葉杖をついた由良が現れる。もうすぐギプスが取れる由良は舞に、一月ちょっとでだいぶ変わったと言う、やれることはやっているが、なかなか思うように行かないと答える舞。しかし由良は泣き言を言わなかったことを思い出し、ロードバイクでのトレーニングを始めようとする。そんな舞に由良は、明日琵琶湖へ行けへんかと誘う。そして由良と鶴田は車で、舞はロードバイクで琵琶湖へ向かう。車の窓から舞に指示を出す由良。やがて3人は琵琶湖畔に到着する。
鶴田は漁協へ交渉に行き、舞は由良と琵琶湖を眺める。しかし舞は自分が目標に届かないため、他の皆の、暑くて狭い部室での作業を増やしていることを気にしていた。誰も気にしてへんよ、エンジンの性能に合わせて機体変えてもらうんは当たり前やと由良は言う。そんな由良に舞は、皆の努力を台無しにしてしまわないか、つい考えてしまって怖いと答える。
由良はこう言って舞を励ます。
「考えたらいいやん、岩倉にしかできひんことがぎょうさんある。しんどいのは当たり前や」
さらに舞に空を飛ぶんやろと言い、飛行機は向かい風を受けて高ーく飛ぶと暗示めいたことを言う。そして由良は湖面を見つめながら
「ここで新記録出したかったな」
部室に戻って来た舞は、部員がまだ作業をしているのを目にする。皆からどうだったかと訊かれ、船も借りられるみたいでと舞。しかし刈谷は鶴田でなく岩倉のことを聞いていると言い、琵琶湖を見て気分晴れたかと尋ねられて舞はうなずく。皆舞が元気がなかったのを気にしていた。舞はもう大丈夫と答え、翌日から由良と二人三脚のトレーニングが始まった。由良はマシンでのトレーニングにもアドバイスをくれ、持久力をつけるためにもう少し糖質を摂るように言う。ジャム食べても大丈夫かと訊く舞。食べ過ぎへんかったらなと由良。
機体も完成しつつあった。日下部は舞を見ていて、渥美にフェアリングの空気の流れの変更を申し出る。要は作り直しだが、空気を循環させた方が岩倉が楽になると言い、藤谷もそれに同意した。そして機体ができあがり、その週末にテスト飛行を行うことになる。
第5話(第25回)
テスト飛行が行われることになる。チャンスは何回もないけんね、飛ぶ感覚つかまんとと刈谷。頑張りますと舞。
駆動試験が行われる。プロペラや尾翼の動きに問題がないかを地上でチェックするのである。由良は舞に操縦桿を持つように言う。操縦桿を動かすと尾翼が動き、進む方向が変わるのである。行きたい方向に行けるわけで、それがパイロットの醍醐味やと由良は言う。また桿を引いたら上がり、押したら下がると使い方を教える。そして予行演習が始まる。舞が漕ぐとプロぺラが回り、結果プロペラにも尾翼にも問題はなかった。
しかし舞は、部室のマシンとは全然違ったと不安そうだった。由良は、飛行機走らせてへんからペダルが重いだけ、走り出したらペダルは軽く、浮かんだらペダルのことなんか忘れてしまうと言う。そして舞は夕食にサラダを作る。ただ浩太とめぐみは他にも料理があるのに、舞の夕食はそのサラダだけだった。めぐみはその舞に、腕を上げたと言う。その食事制限もあと少しだった。土曜日がテスト飛行なのである。飛ぶってどんな感じなんやろなと舞。
岩倉螺子製作所は株式会社IWAKURAと社名を変えた。浩太は社員の前で、工場を23年館守って来られたのは皆のおかげであること、若い社員が増えたこと、そして今後は金属部品の製造にも力を入れ、ゆくゆくは、飛行機にうちの部品を載せたいと思うと話す。飛行機好きやなと皆が言う中で、でっかい夢やと結城が言い、一緒にかなえようと浩太はしめくくる。
舞はロードバイクを使ったトレーニングから戻り、めぐみの夕食の支度を手伝う。今日看板を変え、浩太が社員の前でスピーチをしたと話すめぐみ。そして浩太が、うちのねじを飛行機に載せるんやと言ったことも舞に話す。その浩太にめぐみは、長崎で仕事をしていて、飛行機を作るのが夢だと目を輝かせていた頃の浩太を思い出していた。その目を好きになったんと舞は尋ね、ないしょとめぐみは答える。ネジの仕上がりは順調だった。
舞はテスト飛行の準備をしながら悠人に電話を入れる。めぐみに頼まれ、浩太の会社が社名を変更したことを伝えるが、悠人はあまり乗り気でなかった。しかし舞は株式会社IWAKURAで検索してくれと言い、そんな暇ないと言いつつ悠人は検索してホームページを開く。そして悠人は人力飛行機はまだやっているのかと尋ね、舞はパイロットの訓練をしていて明日テスト飛行やと話し、電話を切る。おもろいやっちゃなと悠人。
テスト飛行の前、ロードバイクを漕ぎ続ける舞を見守る由良。機体は40キロで、日下部はTVで観ていた頃は、こんなに軽くてもろいとは思わなかったと言い、鶴田はでも俺らの気持ちが詰まっていると言う。見た目は頼りなくてもめっちゃ頼れると誇らしげな鶴田に、お前みたいたいと刈谷はからかい、一同笑いに包まれる。そしてテスト飛行の時間が来た。
飛行機に乗り込む舞に、いつもと同じように漕いだらええ、落ち着いてなと由良はアドバイスする。1回生の藤谷と日下部も舞を励ます。舞は緊張しながらもペダルを漕ぎ始め、やがて機体は浮上した。
いよいよテスト飛行となりました。体重がなかなか減らず思うように結果が出ず、ちょっと自信を失っていた感のある舞に取って、由良先輩が戻って来たのは大きかったのではないでしょうか。そして個性派ぞろいながらも、いざという時はまとまれるなにわバードマンです。
そしてめぐみの話から、浩太が長崎で仕事をしていたことがわかります。恐らく東大阪で工場を継ぐことになり、めぐみはその時駆け落ち同然で、東大阪まで行ってしまったようです。その意味で、この社名変更と事業の拡大は、めぐみに取っても感慨深いものがあったのでしょう。
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