第3週第4話(第14回)です。
舞がデラシネで飛行機を作っている頃浩太はうめづに行き、友人の曽根に頭を下げて金型を作って貰うことにする。曽根はやはり友人の古田や長井と食事をしていた。曽根は図面を見てややこしいと言うものの、新しい仕事をやろうと言うのはええこっちゃと励ます。曽根は浩太の父にも世話になっていた。しかし納期まで3週間と聞いて、無茶やと声を荒げる。
舞は学校で久留美に、放課後一緒に遊ぼうと声をかける。自分以外には貴司しかいない秘密基地だと言う。それはデラシネのことだった。そこで久留美は、料理の本を見ながらオムライスの作り方を書き写していた。料理するんやと感心しながら、舞は飛行機を作る。難しそうやなと言う久留美に、お父ちゃんを元気にするために、好きな飛行機作りを頑張ると舞は答える。
今お父ちゃんが元気ないと言う舞だが、久留美の父佳晴仕事を探すものの全然なく、やはり元気がなかった。そんな久留美に舞は、飛行機を作たないかと持ちかけ、貴司にも同じことを言うが、貴司いわく
「うちのおとん、あれ以上元気にしてもな」
実際貴司の父勝は普段からテンションが高かった。久留美は舞から飛行機の作り方を習う。
工場に曽根がやって来た。こないな無茶今回だけにしといてやと言いながら、曽根は金型を渡す。一方で舞は竹ひごの曲げ方を久留美に教え、骨組みに紙を貼ってプロペラを付け、飛行機が出来上がった。出来栄えに満足した舞は、明日飛ばしてみようと言い、貴司も久留美もうなずく。
翌日舞と久留美は、休日の学校で飛行機を飛ばすものの、あまりうまく飛ばなかった。この時舞は、久留美を初めて久留美ちゃんと呼んでしまい、「望月さん」と呼んだ方がいいかと尋ねる。どっちでもええよと言うことで、舞は彼女を久留美ちゃんと呼ぶことにした。しかし貴司も含め3人は、なぜうまく飛ばないのか疑問に思い、舞は工場の若手従業員結城に、お願いがあると言って耳元で何かを囁く。
結城はデラシネを訪れる。外では八木が貴司と、秋のあじさいとかたつむりも詩やなと話していた。結城は中に入り、舞と久留美の飛行機に感心するが、飛ばしてもすぐ落ちると舞が言う。飛行機なら社長の方が詳しいと言うが、お父ちゃんは今忙しい、こっそり作ってびっくりさせたいと舞は言う。結城は飛行機を手に取り、主翼の形が悪いんちゃうかなと言って、主翼の両端を反らせる。
工場では曽根が作った金型で試作が行われたが、まだまだだった。特殊ネジの試作は尚も続いた。やがてネジの納期が近づき、ようやく完成度を増して来たが、肝心なところで機械の調子が悪くなってしまう。浩太はうめづへ走り、店内にいた古田に助け舟を求めるが、古田は急ぎの仕事があるから明日にしてくれと断る。しかし納期は目前で、浩太は会社が開くぎりぎりまで粘ってネジを完成させるつもりだった。
それでもしかし古田は首を縦に振らず、浩太は諦めて出て行く。そこへ貴司と舞が入って来る。舞はお好み焼きを買いに来ており、古田のそばで待つことにして、古田に挨拶をする。
勝は飛行機の話を始め、父親を励ますために可愛い娘が飛行機を作っている、ええ話やなと言い、雪乃もこんなええ話を聞いて、万が一何にも感じへん人がおったら人でなしやなと言い、古田に圧力をかける。私それくらいしかでけへんしと舞は言うが、勝と雪乃はさらに大げさな口調になり、ついに古田は席を立って工場へむかう。
ネジが完成した。朝一で納品すると浩太。一方舞は夢の中で飛行機を飛ばしているかのように、「よう飛ぶなあ…」と寝言を言っていた。
父と子、それぞれの試行錯誤が続きます。特にネジの方は試作に試作を繰り返し、やっと完成に漕ぎ付けたら、今度は機械の調子がおかしくなります。そして舞の飛行機も、完成はしたけどなかなか飛ばず、舞が「章にいちゃん」と呼ぶ結城が、主翼を少し反らすようにとアドバイスします。
そして貴司はと言えば、デラシネに入り浸って詩集を読みふけっています。この貴司と八木、何となく相性がよさそうです。詩に自分の言いたいことが込められていると感じるのは、貴司も八木も同じでしょう。さらに、『鎌倉殿の13人』の実朝の歌にも同じことが言えそうです。
うめづでの浩太の仲間、古田が注文したのはトルネード焼きですね。ちょうど野茂英雄氏がドジャースに移籍した頃のようです。この辺りの時代背景も考えられています。そして機械の調子がおかしくなったと、浩太がまたも走り込んで来ますが、古田は相手にしません。
そこで勝と雪乃が、古田の隣にいた舞の飛行機の話を始め、古田に浩太の手伝いをさせるように圧力をかけて行きます。先日もそうでしたが、こういう雰囲気作りがなかなかよろしいです。
その舞は、今まで望月さんと呼んでいた久留美を初めて「久留美ちゃん」と呼びます。これによって、2人の距離が縮まった印象があります。そしてお父さんが元気ないのなら飛行機を作ったらいいと言いますが、それぞれのお父さんの困っている事情、少しばかり違うようではありますが、この年頃の子供らしくもあります。
ところで言うまいと思えど…ですが、前作とは「熱を出しやすい女の子」、「料理」、「出産」、「宴会」、「遠距離の移動」などなど何かと共通項が多く、従ってそれぞれの比較もされやすくなっています。無論時代は多少異なりますが、全く違う時代と言うわけでもなく、特に時代考証なども含め、いずれも今作の方が私は納得できます。
そしてこの回で私が感じたのは、経営者の在り方でした。無論業種は異なりますが、「ちむどんどん」のお客が入らなくなり、最終的にたまたまやって来た清恵の豚肉で解決して、店を再開した暢子と、ネジがなかなか作れなかったものの、仲間と従業員の力も借りて何とか乗り切った浩太、経営者として頼もしく感じるのはやはり後者の方です。
それと1つ前にも書いていますが、小檜山氏の朝ドラ記事が、段々批判傾向を強めています。元々大阪制作が気に入らないようで、それはあらかじめ想像しえたことですが、どう考えてもこれはないだろうと思われる記述も目につきます。これは機会があれば、また書きたいと思います。あと小檜山氏が『ちむどんどん』を褒めたのは、ご本人と暢子の間に共通点があるからのようにも思えます。
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