「お母ちゃんとわたし」第5話です。このサブタイ、めぐみと舞だけではなく、祥子とめぐみの関係をも示唆しているようです。舞は元気いっぱいで校外学習へ出かけるのですが…。
舞たちのクラスは校外学習で磯に来ていた。舞も興味津々で網で生き物をつかまえる。その頃祥子とめぐみは、ジャムの瓶の蓋にラベルを貼る作業をしていたが、そろそろ舞たちの昼食の時間であり、めぐみはそれが気になる。こちらの昼食は、このジャムを運び終わってからになると祥子。
舞は凜とおかずを交換したりして、昼食を楽しんでいた。しかしめぐみは舞のことが気になって仕方ないようだった。祥子は、ついて回るわけにはいかんやろ、一人だとどうしようもないから来たのではないかと言い、島のみんなが見てくれとると諭すが、めぐみはうちの子だからうちが何とかすると言い張る。
やがて2人はジャムを車に乗せ、卸先を目指す。そして磯では、午後になっても校外学習が続いていた。一太は水中眼鏡で海の中をのぞいていた。そして舞は、耕平がはだしで歩くのを見て驚く。他の子供たちも耕平に促されて長靴を脱ぎ、はだしの感触を楽しむが、耕平があやまってオコゼを踏んでしまう。
一太が大声でそのことを伝え、先生たちは子供たちに長靴をはかせて上がるように言う。舞も長靴をはいて陸上へ上がろうとすぐが、バランスを崩して転び、服を濡らしてしまう。舞の脳裏に、かつてリレーを走っていて転んだ記憶がよみがえる。
一方祥子の車では、めぐみがなぜジャムを作り始めたかを祥子に尋ねていた。若者が島から出て行き、果物がなっても食べきれないため、もったいないからとジャムを作り始めたのである。そして車の前方に、子供たちが校外学習をやっている磯が見えて来た。めぐみは舞が先生に抱きかかえられているのを見つけ、車を止めて貰って駆け寄る。
舞は転んだときにかすり傷を負っていた。先生が手当てをしているにも関わらず、服が濡れているのが気になるのか、夢中になって、舞の世話を焼くめぐみを見つめる祥子。
その夜夕食を食べながら、祥子は舞に心配しなくていい、耕平は大丈夫だと話しかける。しかしめぐみは尚も、舞を磯に行かせたことを後悔するかのようだった。そんな大げさなことではないと祥子は言うが。めぐみは少しずつやらないとしんどくなると、舞の同意を求めるかのような口ぶりだった。
そこで祥子は、めぐみに東大阪に帰るように切り出す。舞は自分が預かると言う。不満そうなめぐみに、舞のことを心配し過ぎていること、舞はここに来てから、めぐみの顔色ばかり窺っている、舞はお前に遠慮しているから、しばらく舞から離れた方がいいとぴしりと言う。めぐみはその夜ひとりで祥子の言葉、そして自分に対する舞の反応を噛みしめていた。
めぐみは舞に、いっぺん東大阪に帰ることを打ち明ける。私はと尋ねる舞に、もう少し五島にいた方がいい、舞のペースでゆっくりやったら元気になるとめぐみ。その夜舞は、隣に寝ているめぐみに抱きつき、めぐみも舞の手を握り返す。その前夜、あまり気分がよさそうでなかった舞も、翌朝には元気になっていた。
めぐみは祥子に舞のことを頼み、フェリーに乗り込む。ここで初めて涙を流す舞に、祥子はよう頑張ったなと声をかける。
「私と一緒にいてたら、お母ちゃんしんどそうやから」
さらに舞は、めぐみが自分にここに残ってほしいと思っている、だから帰れないとまた涙を流す。そんな舞に祥子は、ちゃんと自分の気持ち言えたばいと言い、少しずつでよかと励ます。
戻って来た祥子と舞。舞は空に浮かぶ凧を見て、あれは何かと祖母に尋ねる。祥子は言う。
「ばらもん凧たい」
そしてばらもんは元気者という意味だと教える。舞に取ってよく知らない島で、よく知らない祖母との暮らしが始まろうとしていた。
楽しそうに海中の生物をつかまえ、観察する子供たちですが、耕平がオコゼを踏んでしまい、先生たちは長靴をはいて上がるように呼びかけます。しかし舞は陸に上がる際に転んでしまい、かすり傷を負います。ジャムを卸先に運ぶ途中で、舞の姿を見ためぐみは車を止めて貰い、舞に何があったのか引率の先生に尋ねます。その様子を眺める祥子。どうもめぐみは、舞のことが気になって仕方ないようです。
そしてついに祥子は夕食時に、めぐみに東大阪に帰ることを勧めます。このままだと、やはり舞がめぐみの顔色を窺い続けることになる、母子の間で距離を置くのがいいと祥子が判断したためでした。めぐみも決心したようで、単身東大阪に戻ることにします。舞はやはり寂しそうですが、めぐみがフェリーに乗り込むまでは我慢していました。
しかしめぐみの姿が見えなくなると涙を流し、お母ちゃんがしんどそうだったこと、自分にここに残ってほしいから、まだ自分は帰れないと言い出します。舞が初めて、自分の言葉で自分の感情を表したわけで、祥子はちゃんと自分の気持ちを言えた、少しずつでいいからと舞を励まして島に戻ります。
島の空を凧が泳いでいました。舞が初めて見るばらもん凧でした。そしてこの島で、舞に取って初めての、そしてまだよく知らないおばあちゃんとの暮らしが始まろうとしていました。
ところで耕平が海に入っていた時、頭に何やら巻いていましたが、『ちむどんどん』の賢秀ニーニーのスーパーバンドをちょっと思い出しました。
あと舞のお弁当、めぐみが作ってくれたのですね。めぐみの愛情が伝わってくるお弁当ですが、その愛情が時に、舞に取ってはマイナスになってしまってもいるようです。
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