朝ドラ記事ですが大河関連のお知らせです。『鎌倉殿の13人』、10月2日は第38回が放送されますが、9日は1回お休みでスペシャルが放送される予定です。
「鎌倉殿の13人」トークスペシャル番組 放送決定!
それから先日投稿分、意味が通りにくい部分やタイプミスなどで、数か所手直しをしております。どうも勢いまかせで書いたところがあったせいか、後から見ていささかおかしな部分もありました。失礼いたしました。
で、『ちむどんどん』を振り返ってその5です。今回は全体を振り返ってですが、まず脚本の整合性への疑問点です。実はこれは大河ドラマ『花燃ゆ』がそうでしたが、別々の人が脚本を書いて後で繋ぎ合わせたような、そういう辻褄の合わなさもまたありました。
おまけに賢吉大叔父さんのように、かなり頻繁に出て来ていた人が、ある時を境に急に出て来なくなったりもしましたし、最後の最後で子供や孫をあそこまで出して来る必要もなかったと思います。それも、最後の数週間でそれぞれ子供が生まれ、成長し、結婚して行く様子が描かれていれば、まだ納得できたのですが、そういう過程を経ずにいきなり登場しているから、どこか違和感をぬぐえないのです。
先日も書きましたが、「この人たち誰?」となってしまいます。『カムカムエヴリバディ』の三世代登場への対抗かという、ツイートでの指摘もありました。
そして主人公暢子のキャラ設定ですが、長く勤めたはずのフォンターナで覚えたイタリア料理をあっさり捨て、次は沖縄料理、そしてやんばるに帰る、そしてまた沖縄料理店をやりたいと言うところが、子供が夢中になっていたものをすぐ投げ出し、新しいことをやりたがる様を思わせます。結局やんばるの方は40年続いたようですが、途中でまた飽きて辞めたくなったのではと思ってしまいます。
イタリア料理店で仕事をする設定は、やはりオーナーの房子と合わせるため、そして矢作と仕事をさせるためのものだったと言えそうです。房子を演じた原田美枝子さん、『あさイチ』に出演して朝ドラ受けをやらされたものの、言うことがなくて戸惑っていた由。そもそも最終回に出ていませんしね。原田さんと言えば、今なお『太平記』の阿野廉子を思い出します。
その暢子はやんばるちむどんどんの開店前も、そば作りを強行し、周囲の人々を徹夜で働かせるというところに、彼女の性格が表れているように見えます。こういう性格も、例えば壁にぶつかってもくじけないと言った感じで、プラスに描けばそれはそれで魅力的なのでしょうが、元々暢子はそこまでの苦労をしたようにも見えず、それゆえに身勝手でがむしゃらで、大人になり切れていない人物といった印象を与えます。正に「暢子はいつまで経っても暢子」なのですね。あと黒島さんは自炊もしているようですが、料理人を演じるのと、料理好きとは必ずしも一致しないと思いました。
あと何かにつけて対決に持ち込み、勝った方が何かを得るとか、交換条件を持ち出すような描写も如何なものかと思います。加えて、沖縄言葉をやたら使い過ぎな印象がありました。実は私自身、大学時代に沖縄出身の友人がいました。この人は那覇出身でしたが、ごく普通の話し方で、あそこまで沖縄言葉を使うことはありませんでした。ただ、本土に来て雪が見られて嬉しいと言っていたのを覚えています。
そして浜辺(ウタキと思われる)で叫ぶシーン、恐らくこれは沖縄や南西諸島のニライカナイ信仰を踏まえているのでしょう。このニライカナイに関してはこちらのサイトのURLを置いておきます。
沖縄の信仰って?「ニライカナイ」や「アマミキヨ」とは
https://okinawaspirits.com/whatokinawanfaith0607/
数日ほど前ですが、公式が沖縄の文化や習慣といったものを、なかなか紹介しないと書いています。たとえばこう言う信仰の存在を、何かで登場人物の会話に入れるとか、それこそ和彦に、これについて調べさせるなどと言ったシーンがあれば、また受ける印象は違ったでしょう。要は、そういう文化的背景を思わせるシーンが殆どないにも関わらず、いきなりああいう描写を入れてくるから、視聴者も戸惑うのではないでしょうか。あとやはり叫ぶというのはあの場合ありなのでしょうか。
実は最終回の放送の後、『西郷どん』の奄美大島編を観てみたのですが、この信仰に関連したシーンがかなり登場します。海にあるニライカナイに故人の魂は帰り、また恵み多い物を届けてくれると上記リンク記事にはありますが、時に災いをももたらす存在でもあるようです。
下の2つの画像は第18回「浪人 菊池源吾」のアバンで、とぅま、後の愛加那が海のかなたを見るシーンと、ユタから夫となる男が来ると告げられるシーンです。ここでユタは、災いも連れてくるととぅまに警告しています。
またこの時ガイドブックで、石千代金(とぅまの叔母)役の木内みどりさんが、簪(ジーファー)は、女性の護身用でもあったと話しています。
「島では男性も女性も束ねた髪をジーファーで留めているのですが、じつはジーファーは女性にとって護身用の武器でもあったそうです。つまり、いざとなったらこれで自害もできるし、相手を刺し殺すこともできるわけです。女性としての誇りや意志の証しである1本を、常に見えるところに挿しているのが興味深くて、ジーファー職人を探して自分用を注文したほど衝撃を受けました」
(ニッコームック 西郷どん 続・完全読本25P)
ひとまず『ちむどんどん』に関してはこれで終わりとします。今後『舞いあがれ!』について投稿する際に、多少引用または比較することがあるかも知れません。
それからこの朝ドラは、前作『カムカムエヴリバディ』、同時期に放送された『芋たこなんきん』に加え、夜ドラ『あなたのブツが、ここに』とも比較されていました。この夜ドラがなぜ面白かったのか、こちらもそれを指摘したツイがあるので、URLとツイート本文をだけ貼っておきます。
https://mobile.twitter.com/atsushi05919733/status/1575405657066700800
「「コロナの問題は絡めない」方針に「抵抗」「練り直し」「スタッフ総出」「業界への取材」「資料読み込み」で戦った櫻井氏。
『沖縄の話だが、日本のどこにでも当てはまる普遍的な家族の愛のドラマを作ればいい』に逃げた羽原氏。
結果は2つのドラマの質で証明されている。」
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