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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 74その1

『武将ジャパン』大河コラム、前半部分に関する記述への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第37回「オンベレブンビンバ」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)


1.彼女にやや子ができたと報告されて驚く時政は、一呼吸置いて、嫁は取らぬという小四郎を説き伏せたのは自分だと嘘をついています。
知らなかったと驚く行政に、これで恩を売れたと考えたか、時政は「高野山への下知状」を自分名義で書くように命じます。今回の訴えを退けて、尼御台は関係ないと高野山に伝えようとしました。

説き伏せたの前に時政は「結び付けたけたのはわしだからな」と言っています。説き伏せたのみならず、結び付けた、だからお前にも孫ができることになると恩を着せたいと考えるのなら、この一言はやはり外すべきではないでしょう。

2.やはり時政は小悪党でしかなく、そもそもは頼朝の舅という一点突破でここまできました。持っているスキルは人脈と好感度だけだとわかる、秀逸な導入部ですね。

小悪党というのは言い過ぎかと思います。元々伊豆の小領主であったのが、頼朝の舅というだけでなく、頼朝を匿い、さらには挙兵させることにより、彼自身も分不相応とまで言える地位に昇りつめたわけです。しかし根が坂東武者である彼にしてみれば、それ以上の官僚的な仕事は手に余ったと言うわけでしょう。

3.しかし時政の破滅は、現代社会でも陥りやすい罠が多分に含まれています。能力がないのに、なんとなくコネでトップに立つ。
どう能力がないか挙げてみましょう。
・理詰めで物事を考えられないから、口論になったら、義時にも広元にも到底勝てない
・文章が書けず、文官である二階堂行政を頼る
・頼るにしても、大仰なデマを元にした人脈アピールから入る
・そもそも訴訟を裁くだけの知能がない

この時代と現代社会は必ずしも同じ基準での比較はできません。逆に言えば坂東武者のいい部分を残しているとも言えますし、鎌倉幕府のありようによっては、彼でも対処できたかも知れないのです。その代わり脇が甘く、常に御家人の反乱を招きかねなくもあるわけで、そこを義時が詰めようとして対立することになります。

それから「大仰なデマを元にした人脈アピール」とは、具体的にどのようなアピールのことなのでしょうか。

4.もはや鎌倉はコネでどうこうできる場所ではありません。その流れについていけない、いつまでもアップデートできない時政が哀れだ。

コネというか人脈はこの時も必要であったかとは思います。ただ時政の場合、いざという時に頼りになる人物に任せなかったことが最大の敗因と言えるでしょう。

5.実に素直でよい人です。父が若い後妻に入れ込んだ挙句、異母弟(亡くなった北条政範)の下に置かれても恨んでいない。

これは前回の分でも書いていますが、母親の身分が違う以上、それを当然と割り切っていたふしもあります。それと
「父が若い後妻に入れ込んだ挙句、異母弟(亡くなった北条政範)の下に置かれても」
とありますが、父は若い継室に夢中で、その2人の間に生まれた異母弟とでも書いてほしいところです。またこの当時は正室が亡くなれば、継室を娶るのは当然であり、義時と比奈もその意味では似たようなものでした。

6.大江広元が慈愛に満ちた目で彼女を見守り、次の書状を書くよう促します。
時政の前とでは表情が全然違いますが、理由はわかる。何も学ぶ気が無かった時政に対し、政子は心構えが違うのでしょう。

これはどうでしょうね。寧ろ時政は今までの経験で物事を判断したがるし、そもそも比企能員もそうでしたが、こういう昔ながらの坂東武者とは肌が合わない人物でした。ならば寧ろ、政子の方がいわば扱いやすく、まだしも協調できると踏んだのではないでしょうか。

7.その点を政子が気にしていますが、だからこそ女性が書いているとわかり、御家人たちも喜ぶと広元が答える。
どうやら彼は、自分の活躍だけでなく、見出した人物の成長する様に充足感を覚えるようです。
「王佐の才」(王者を支える才能)の持ち主ですね。
これはなかなか大事な指摘です。

これが実朝であれば「王佐の才」と言えたかも知れませんが、執権代行とも言うべき政子の場合は、こう言うべきなのかどうか…。あと政子の場合、この回だけ見れば「慣れない仕事を何とかこなしている」印象であり、だからこそ広元に一任したいと言い出したようにも見えます。

8.問い詰めると同時に「向こうも同じことを考えているかもしれない」と重ねてプレッシャーをかけ、さらには「政範の魂が見守ってくれている」とまで言い出す。
りくは冷静さを欠いていますね。
支離滅裂で意味がわからない。鎌倉殿の座を狙うことと政範は関係ないし、京都での暗殺は知らないにせよ、政範を殺した朝雅を頼るのだからもう無茶苦茶です。

支離滅裂でしょうか。無論我が子可愛さゆえの母親の愛情ではあるでしょう(形こそ違えどこれは政子も同じ)。そして敵対する以上は、義時サイドも同じことを考えていると思っても不思議ではありません。また彼女は、朝雅が政範を殺したことももちろん知りません。そして鎌倉殿を娘婿の朝雅に継がせるということは、ゆくゆく自分たちの子孫が継ぐと言うことであり、それを成し遂げたい、きっと政範の魂が見守ってくれる、志半ばで世を去ったあの子のためにもと言っていますね。

9.実朝では頼りない、おとなしすぎるとかなんとか言いくるめようとするのですが、義村は「威勢がよすぎて潰れたお方」のことをほのめかします。
源頼家のことですね。義村は、すでに時政の理論の危うさに気づいている。会話をしながら計画の確実性を探っているのでしょう。
しかし、そんなことに露とも気づかないのか、時政は、三浦が庇護している頼家の息子・善哉のことを持ち出します。
まだ六つだけれども、鎌倉殿にしたらどうか。頼家が泣いて喜ぶだろう。そう情に訴えつつ、善哉が幼い間は誰か別の人を立てると言い始める。

この義村を呼ぶシーンですが、まず
「(実朝が)おとなしすぎる」
のではなく、その後の
「周りの者が調子に乗る」
方が時政には面白くないのではないでしょうか。そして
「そんなことに露とも気づかないのか」
ではないでしょう。「威勢がよすぎて潰れて行ったお方もいますが」と義村が言ったところで話題を善哉に変えていますし。あと「頼家が泣いて喜ぶだろう」は時政ではなく義村のセリフですね。

義村「頼家様が聞けば涙を流して喜ばれると思います。しかしながら、善哉様はまだ幼うござる。そこはどのようにお考えで?」

10.重忠が所領をたくさん持っているからとか、立場が良いとか、そういうことではなく、人間として大事だった。
りくやのえと対比したくなります。
この二人は、露骨に夫が持つステータスを愛しています。地位が安泰で、高みに昇れば昇るほど心地よくなる。そのために夫が危険な目に遭おうが関係ない。
最終的に、ちえは本領を継ぎ、畠山の名は残りました。
再婚相手は足利義純ですが、重要なのは、女性の土地継承でしょう。
中世まではこうしたことはあったものの、近世以降廃れてゆき、明治維新以降は女性の権利に対してさらに制限がかかってしまった。

りくとのえはまた別でしょう。りくにしてみれば、伊豆の小領主であった時政に嫁ぎ、その間伊豆に再び戻って農作業をやったりもしていますし、この夫婦は彼らなりに満足していますし、互いを思ってもいるわけです。ただ時政はいささか不相応な役職に就き、りくは我が子可愛さの情が強く、またプライドが高かったせいで墓穴を掘ることになります。
それと女性の土地継承ですが、同じ中世でも室町時代になると女性の継承権は弱くなり、子供たちの中で優秀な者が継ぐようになります。そして近世になると、嫡子(嫡男)相続となってしまいますね。


飲み物-ビールと夜景

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[ 2022/09/29 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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