『ちむどんどん』も後2週間となりました。個人的には、次作『舞いあがれ!』の方に関心が移っていますし、そちら関係もぼつぼつ書いて行こうかと思いますが、それはともかく。
9月16日放送の第115回、私は「何だかどうでもいいといいう印象をぬぐえない」と書いていますが、実際描いてほしい部分を描かず、このシーンそこまで必要か?と思われる部分に尺を取っている、やはりそう思えてしまうのです。改めていくつかのシーンを挙げてみます。
暢子が破水しているのに料理をしているとか、その暢子の出産シーン、お客が喜ぶシーンなどに尺を取るのなら、賢秀ニーニーがなぜ養豚をしようと決意したのか、それをじっくり描いてほしいところです。あと良子、歌子、和彦と智が、ニーニーに席を外せと言われ、話を盗み聞きしているシーンも、いい年の大人が何をやっているんだと言いたくなりますし、優子の「心が健やか」と言う言葉と、和彦の「心が健やか」がどうもダブります。健彦がニーニーのようになるのではと思ってしまいます。それとやはり優子の「心のきれいなまっすぐな子」、要は「単純で騙されやすくておっちょこちょい」ということですね。
しかし和彦、ここ何週間かですっかり「暢子の夫」だけの存在になっていますね。それと先日も書いていますが、「勉強も運動もできなくていい」というセリフはなくていいです。本当に、どうしてこうもネガティブな表現を挟むのだろうと思います。
あと矢作が暢子に「ありがとう」と「ごめんなさい」を言うシーンですが、彼の場合暢子は雇用主でもあるわけですから、あのように言わざるを得ないこともあるでしょう。但しこれは本当は逆で、暢子がまず矢作をねぎらい、矢作がそれに答える形であるべきでしょうね。
ところで暢子が、スプーンでしかも鍋の上で味見していたシーン、オカズデザインからそういう指示があったらしいのですが、他人に、しかもお金を貰って提供するような料理を、ああいう風に作っているのならやはり疑問です。やはり小皿に取るべきでしょう。あと入院当日に、病院で食べられないからと弁当作りにいそしみ、入りきれないからとお握りを持って食べたりしているところ、どう見ても制作サイドの意図をはかりかねます。『鎌倉殿の13人』で、三浦義村が、握り 飯を食べながら縫物はしないと言うシーンがありましたが、入院準備をしながら握り飯を食べる女性は存在するようです。
それと先日の投稿で、小檜山青氏のツイートに関して、反省会タグに具体的な指摘はあると言ったことを書いていますが、 ツイートでは「記事」となっていますので、多少修正しています。尤も批判記事の中には、反省タグツイで指摘されているようなことが書かれていたり、あるいは反省会そのものを取り上げていたりするものいくつか見受けられますが。
ところでこの小檜山氏の、朝ドラ関連note記事にこうあります。
https://note.com/54seikobi85/n/n7a8903932640
そして賢秀は猛烈に探し回り、リリーとしてお客を送り出している清恵を後ろからガバッと抱きしめます。
この絵面のごちゃっとした猥雑さよ。(中略) そして演技力。ぎこちねえ。ロマンチックというより不自然。
でも、こういうのがいい。思えばこういう泥臭い恋愛は忌避されてきて、このあとはもっと洗練されたトレンディドラマが受けるようになったんですよね。でもそれでよかったっけ? こういう泥臭い恋愛もよいのでは?
(中略)
このドラマって、『にっぽん縦断 こころ旅』で火野正平さんが読み上げる、読者の手紙みたいな世界観を感じるんですね。ささやかなエピソードだけど、その人は一生忘れない。泥臭いけどそれは紛れもないときめき。そういう日本の、普通の泥臭さを感じます。
いや、賢秀級のやらかし野郎はそんなに多くなかったかもしれないけど。
まずニーニーの清恵に対するバックハグ関連。こういう泥臭い恋愛がどうこうとありますが、そもそもニーニーと清恵の間に「恋愛」と呼べる感情はあったでしょうか。三郎からヒントを与えられただけなのでは。
そして「このあとはもっと洗練されたトレンディドラマが受けるようになったんですよね」などとありますが、「このあと」が不明。恐らく昭和50年代の恋愛とはこういうもので、その後のトレンディドラマでは、こういうのは姿を消すと言いたいのかも知れません。しかし何度も言うけれど比較対象がおかしいです。『ちむどんどん』が実際に昭和50年代に放送されたドラマで、その中の恋愛の描写と、その後のトレンディドラマの恋愛描写を比較するのでなければ、この場合意味が通らないでしょう。
それと火野正平さんの『にっぽん縦断 こころ旅』を、引き合いに出すのはやめていただきたいです、こちらはもっと心が和む番組です。ちなみに火野さんは、『芋たこなんきん』で健次郎の兄の昭一を演じていますが、それと何か関係があるのでしょうか。
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