まず先日の投稿に多少手を入れています。そして『武将ジャパン』大河コラムで、2週にわたって義時のセリフが明記されておらず、そのため多少意味が通じにくいと思われる箇所について、ちょっと考えてみます。まず第30回の方です。
義盛は北条に味方するというものの、義村はこう言います。
「言っとくがな、今のところだ。その先はどうなるかわからねえ」
また義村が邪悪だ。
義盛「小四郎。わしらは北条側だ。安心しろ」
義時「心強い」
義村「言っとくが、今のところはだぞ。この先はどうなるかわからねえぜ」
つまり、義盛が味方してくれて心強いと言った義時に、この言葉は向けられたものと考えられますし、あらすじと感想でも書きましたが、後に義村は義盛を裏切ることになるため、この言葉に妙に説得力があります。あと些細なことですが義村のセリフ、「今のところはだぞ」と強調しているからこそ凄みが出るのですが。
そして第31回。
それでも悪びれず、比企の天下にしたくねえ、善哉しかねえと言い張るのが義村。
比企をぶっ潰す!と盛り上がり、反対する義時に対しては「そんなに三浦に力を持たせたくないのか」とウダウダ言い始めました。
ここのところですが、実際はこうなっています。
義村「比企の天下にしたくねえんだろ」
義時「もちろんだ」
義村「だったら善哉様に継いでいただくしかない。違うか」
そしてその後、比企が納得しない→その時は戦うまで→鎌倉が二分されてしまうと、義時、義盛そして時房の会話が続き、しかる後に
義村「三浦が力を持つのがそんなに嫌か」
義時「そういうことではない!」
となるわけです。
この前も似たようなことがありましたが、義時のセリフもこの場合重要なのに(比企の天下にしたくないという意思表示なので)、そこが抜けているし、比企をぶっ潰すというのは、主に義盛と時房が言っているわけですね。
いずれの場合も、義時の
「心強い」
「もちろんだ」
というセリフが抜けていますが、この義時のセリフに義村が反応する形で、ストーリーが進展して行くはずのなのですが。無論すべてのセリフを書き出すわけには行きませんが、シーンによっては、このセリフは落とせないというものもあるわけで、そういうのはやはり明記しておくべきでしょう。
あと義時が一幡は出家させると言いながら、泰時に殺せと命じるところ、こちらも
そして義時は、政子に誓約した直後、戦になったら真っ先に一幡様を殺せと泰時に命じます。
「生きていれば、必ず災いの種になる。母親ともども……頼朝様ならそうされていた」
頼朝の教えを受けた愛弟子が、その頼朝の血を引く幼子を殺す。何をどう間違ったらこうなるのでしょうか?
再度書きますが、「どう間違ったら」と言うより、その時代はそういうものであったと、この場合考えざるを得ないわけですが。まあこれに関しては、私も投稿で書いてはいますが、頼朝の愛弟子が頼朝の子を殺すと言うよりは、政子に取っては孫であるしまだ幼く、義高の時以上に助けたいという気持ちは山々だったと思われます。
そして武者さん=小檜山氏、またこのようなツイがありますが、故意なのか、それともドラマ本編をきちんと観ていないのか。(https://twitter.com/Sei_Kobeee/status/1560848183651364865)
ほんと、今年の大河「青春!みんなで団結、クラブ活動!」というノリで謀殺するのがこう、ね。
御家人たちのサバイバルと、クラブ活動は全く別物であることくらい、ドラマを観ていれば当然わかるでしょう。こういうのを見ると、やはりこの大河を好きではないけど、三谷大河だから一応好きだということにしておく、そのように見えてしまうのですね。生き延びるためにも、敵対する相手は滅亡させなければならないが、一方で兵を失う武力行使をできるだけ避けるため、事前交渉が行われているわけですが、そういう部分への理解はあるのでしょうか。
あと朝ドラ関連のnote(無料部分)ですが、暢子の妊娠を素直に祝わないのが不満なようです。
https://note.com/54seikobi85/n/n9e6b323a5ea5
そしてラストでは暢子が妊娠してしまったわけですが。開店前、しかも夫は無職でどうするの!
そうなるわけですが、それがおかしいっちゃそうなんだよ。
なんで妊娠という祝い事を素直に祝えないの? そういう問題提起を感じます。
「夫は無職でどうするの!」はわかります。この朝ドラを観ていて、そのように感じる人は多いでしょう。しかしその後に
「それがおかしいっちゃそうなんだよ」
「なんで妊娠という祝い事を素直に祝えないの」
なぜ「おかしい」のでしょうか。妊娠したら悪阻もあるし、味覚が変化することもある、この先新規に飲食店を立ち上げるには、ちょっと心配な状況です。また赤ちゃんが生まれるとなれば、そのための準備も必要です。旦那さんが無職(退職金と失業給付は受けられるかも知れませんが)、奥さんの沖縄料理店もまだ軌道に乗らないのであれば、この2人これからどうするのだろうと思うわけで、それが素直に祝えない理由となっています。
なぜ、沖縄料理店が軌道に乗ってから子供を作ろうとは思わなかったのでしょうね。
そしてこの前にはこうもあります(原文では箇条書き)。
「フリーランス志願といっても、こんな急になるとは思っていない
愛とはちがって、次のあてがない
社員融資とセリフで語られていた伏線は、石川家からの200万円で消えたように思えて、ここで浮かび上がってくる。大企業には金銭的な支援ができる要素もあったが……」
まず急に無職となってしまった和彦ですが、あの時ネズミ講の勢力と絡んでしまったためにこうなったのですから、そこは考える必要がありました。事務所のドアを開ける前に、暢子を引き留めるべきだったでしょう。無論例の週刊誌記事に関して、新聞社もいくらか抗議する姿勢を見せてよかったかと思います。
それと
「社員融資とセリフで語られていた伏線」
とありますが、あの社員融資、そこまで意味があったでしょうか。
ともかく和彦が退職した時点で融資は不可能だし、ここで書かれている「浮かび上がってくる」も、何がどのように浮かび上がってくるかが不明です。あの後、新聞社or田良島がお金のことで言ってくるシーンなどもありません。わかりづらい文章だなと思います。
「社員融資も考えていた和彦だが、石川家がくれた200万円でその心配もなくなったように見えた。しかし、ここでまたお金の問題が浮上してくる、しかも和彦は最早融資を受けられる立場にない」
こうように書きたかったのでしょうか。でも200万円には、工事や登記申請の費用は含まれていないわけですから、いずれにせよ、自腹を切ることにはなったわけですが。
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