第94回で気になった点です。
三郎と田良島が賢秀が無罪になるよう取り計らってあげている 暢子「ニーニーが無事だったからいいんです」 子供の頃小銭を盗んだ賢秀と、自分が刑務所に入ると言い出す父親 なぜか賢秀に「お前は悪くない」と言う賢三(いやお金盗んでるし悪いでしょ) あっさり暢子に自分たちの貯金を渡す石川夫妻 「あのニーニーがいたから俺たちは結婚できたんだから」 「フォンターナを卒業」この当時その使い方ありましたか? 「たくさんのお客様の笑顔を見ることができました」 和彦「今まで食べたそばの中で一番おいしい」 房子に、三郎と多江と3人で自分の店に来て、乾杯するよう迫る暢子 暢子のナポリタンの食べ方が汚い
まず賢秀ニーニーは 、三郎や田良島が口を利いてくれて、無罪で済むようです。私としては、一度ニーニーは収監された方がいいのではないかと思うのですが、そんな彼の犯罪の原点とも言うべき回想シーンが登場します。例の共同売店で、他の子供たちが万引きをする中、1人レジから小銭をくすねていたのです。善一がニーニーを家に連れて来てことの次第を話し、まだ生きていた父の賢吉が、今度こんなことをしたら自分が刑務所に入る、やったことは悪いがお前は悪くないと言い出します。
いや、本人も悪いでしょう。罪を憎んで我が子を憎まずといった感じですが、万引きは犯罪です。こういう時はきちんと叱り、然る後に、もうあんなことをするもんじゃないと言い聞かせるものではないでしょうか。子供の頃からこういう育てられ方をしたら、あのような大人になるのもむべなるかなと思わずにはいられません。『芋たこなんきん』の健次郎は家長としても父親としても、病院長としても立派な人物だし、子供たちに向き合って注意すべき点は注意しているのですが。
200万円を失った暢子は、開店を諦めると言い出します。そもそもこれも、暢子が本当は渡さなくてもいいお金を渡してしまったから、こうなったのですけどね。ああいう時はまずあまゆの順次か三郎に相談し、警察を呼んで事務所を摘発して貰えば、彼女も大事な200万円を失わずに済んだのです。
ともあれ、普通の朝ドラであれば、ここからヒロインが再起して、最終回で念願の店を持つという展開になるのでしょう。但し『ちむどんどん』の場合は普通の朝ドラではありません。こういう時必ず誰かが助けてあげて、それがヒロインが成長しない最大の理由となっている感があります。案の定、義兄の博夫が貯金を上げると言い、良子も結局それに同意します。しかもその理由が
「あのニーニーがいたから俺たちは結婚できたんだから」
なのだそうですが、あの時はただ乱入して騒いでいただけのように見えます。しかし金吾さんはどうしているのでしょう。
しかもその200万円は、家族での海外旅行用に貯めていたものでした。2人とも教師である以上、やはり当時の200万円というのは大きなお金でしょう。それをぽんと上げてしまうところ、そして偶然にも同じ200万円であるところなど、如何にも不自然な印象があります。これが10万円程ならわからなくもないのですが。何よりも、両親との旅行を楽しみにしていたであろう晴海が不憫でなりません。それでなくてもお母さんからは、この野菜は高かったんだから食べなさいなどと言われてしまってますし。
何はともあれ、暢子はフォンターナを退職します-しかしここで「卒業」という言葉を使っていますが、この意味での卒業は、比較的最近に某アイドルユニットが広めたのではと思われます。そして房子が一緒にワインを飲み、やはりと言うか、なぜイタリアンの修業をして沖縄料理なのかと尋ねます。それに対しての暢子の答えですが、子供の頃和彦に、沖縄そばを振舞ったことと関係があるようです。高校生の時の料理大会ではなかったのでしょうか。
この時和彦が「今まで食べたそばの中で一番おいしい」と言っていますが、そのそばというのは日本そばや中華そば=ラーメンのことも含まれるかと終わります。この3つのそばは、別物であると思いますし、何よりも、三郎が紹介した店がここだったからではないでしょうか。そして暢子に取っての思い出の味、ナポリタンが振舞われます。それにしても7年前の暢子は今と、殆ど変わっていませんね。もう少し年齢とキャリアを重ねた自信があってもいいのでは。
それと暢子が、皿の上に覆いかぶさるようにして食べているのもどうかと思います。フォンターナで修業したのなら、もう少し食べ方が洗練されていてしかるべきではないでしょうか。あとお客様の笑顔が見られて嬉しかったと暢子は言いますが、彼女の場合、お客様の話を立ち聞きしていたイメージが強いのですが。それと一人称「うち」をまだ使っているし、自分が店を持ったら、房子と三郎と多江で来てほしいと言うのもなんだかなあといった感じです。なぜあの3人にこだわるのでしょうか。
そして再びニーニー。
「暢子に幸せになってほしかった」
「母ちゃんに楽させてやりたかった」
それならあの養豚場できちんと働いて、毎月仕送りをすることでしょう。暢子に幸せになってほしいのなら、邪魔になるような行動をしないことでしょうね。何だか開店した途端に押し掛けて来そうだし。それとすぐ「倍にして返す」と言いますが、それが安易に稼ぐ方法に手を出したがる一因のようです。倍返しは半沢直樹で十分です。
しかしニーニーが無事だったからいいと暢子に言わせることから見ても、比嘉家はこの人を中心に回っているのでしょう。何だか妙ですね。公式サイトの番組紹介には「支え合う兄妹(きょうだい)たち」とあるのですが、「妹たちに迷惑をかける兄と、その兄を甘やかす母と妹たち」の間違いのように見えます。
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