『ちむどんどん』感想です。数日前の投稿でも『恋愛編を観て』のタイトルで書いていますが、暢子は「初めての恋心」が仇になって、勤続6年とは思えないほど仕事でしくじっており、フォンターナの料理人は矢作をはじめ3人が辞め、オーナーの房子が厨房に入って急場をしのぎます。一方で和彦は愛と結婚するはずなのですが、やはりどこか決断しかねている様子です。
その暢子に何か話があるのか、愛が閉店後のフォンターナにやって来て、暢子の仕込み作業を手伝うことになります。ここで暢子は、和彦が好きだけれど、愛が付き合っているから諦める、自分は料理に集中すると言い出します。また賢秀は相変わらず養豚場にいるし、良子は博夫に会って、学校で誠にあんな態度を取った自分はエゴイストだったと反省し、一緒にラーメンを作るものの、博夫の許には帰りたくないようです。
さて鶴見では、エイサーの練習のため通りに人が繰り出し、来る予定の愛もまだのようで、あまゆには暢子しかいません。そこへ和彦が帰って来て、暢子は、フォンターナでの愛とのやり取りを口にし出しかけますが、和彦はそのことを知らないようです。その和彦は沖縄戦の取材で、沖縄のある人物を取材したいと言い出しますが、過去に取材を受けたきり、今は記者は門前払い状態でした。しかし和彦は諦めないと言います。
暢子は、和彦が結婚する前に海に行きたいと言いつつ、誤って指を包丁で切ってしまい、和彦が暢子の手を取ります。練習が終わった三郎たちが、多少2人に気を利かせつつ入って来ますが、暢子はばつが悪そうに2階へ行ってしまいます。その後三郎たちが食事をしていると、愛が出て来ます。実は彼女はかなり前に来ており、店内で書き物をさせてもらっていたら眠くなったため、そのまま奥で寝ていたようです。送ると言う和彦に、1人で帰ると愛は言います。
やんばるに戻って来た智は農家の人たちと話し、農作物の買い付けをします。その智を追いかけて来た歌子は、パイナップルを智から貰います。その智は、母の優子と話があるようです。そして優子が働く共同売店へ行き、暢子と結婚したいと打ち明けます。歌子はちょっとショックです。その後比嘉家に上原なる人物が現れ、賢秀や姉妹たちの父親賢三が民謡歌手を目指していた頃、歌を教えたと言い、三線を弾いてその場で歌ってみせます。
歌子はかつての父、そして下地先生の言葉を思い出し、その夜母と姉の前で、民謡歌手になりたいと言い出します。そして智はあまゆに戻り、土産物を差し出し、優子に話をして来たと言います。和彦と愛は怪訝な表情になり、暢子はその場を取り繕います。その後愛は、外で自分が出そうとしている企画を練り、和彦とお似合いだと智が話しかけますが、愛は本当にお似合いなのは、中の2人、つまり暢子と和彦だと言います。
愛は田良島デスクからダメ出しをされながらも、女性のファッションの歴史に関する企画を練り上げて行きます。そしてまたもあまゆに4人で集まり、作業を手伝って貰います。ジーンズから女性のパンツルックの話題になり、東洋新聞社では、今も女性社員はスカートだと聞いた暢子は驚きつつも、ひとしきりファッションの話題で盛り上がりますが、こんなふうに4人でわいわいできるのはこれが最後かもと暢子。そして沖縄では、歌子が1人三線を弾いて歌っていました。
作業が一通り終わり、愛はちょっとだけ海に行ってみないかと提案します。暢子もその日は休みでした。4人は子供のように海辺ではしゃぎ、智がくれた黒砂糖のお菓子を食べます。しかし、ここで重大な話題を切り出そうとする智を暢子はさえぎります。和彦は愛にらしくないことをするねと言いますが、実は愛は、あの日あまゆで暢子と和彦が、海に行こうと話しているのを聞いていました。そして愛は和彦にキスをし、これでおあいこと言います。流木に座って寄り添う2人を、暢子は見つめていました。
ざっとこんな感じですが、エイサーの練習のため、あまゆに暢子と和彦しかいないという辺り、既にお膳立てが整っているようなものですね。しかも、実は既に愛が来ていて話を聞かれていたわけなのですが。それと人参を刻んでいて、指を切ってしまう暢子と手を取る和彦、それはまあいいとしても、人参をそのまま放っておくのはどうかと思います。しかも暢子は、愛にフォンターナで自分が和彦が好きだと打ち明けたけど、諦めると言ったことを話しかけます。愛を経由して和彦が知っていると思ったのでしょうが、和彦はどうやら知らないようです。
こういう時に自分できちんと話さないところ、そして智に告白されようとしてもはぐらかす辺りが、このヒロインに共感できない部分です。暢子が智に対して取っている態度と、和彦が愛に対して取っている態度はどこか相通じるものがあります。智の方は、あまゆでも海でも暢子に告白しようとして遮られるはめになります。やんばるでの優子への話はうまく行ったのですけどね。
しかし歌子がそれを聞いてなにやら穏やかならぬ気持になります。だからこそ、自分も進むべき道を目指そうとしたのかも知れませんが、いきなり上原が尋ねて来て、その歌を聞いて昔のことを思い出しただけで、自分も民謡歌手になりたいと言うのも唐突な気がします。
暢子はその後愛の提案で海に行きますが、結局和彦と愛がキスしているのを目にしてしまいます。その前もそうでしたが、なぜか彼女は和彦と愛のハグまたはキスシーンを、見つめ続けるという設定になっているようです。また良子ですが、自分は誠に対してエゴイストだったと言ってはいますが、博夫に対しては頑なに戻らないと言うあたり、こちらの方はまだまだ我を張っているように見えます。
しかし何かにつけて、あまゆに4人が集まるというのはどうかと思います。暢子と和彦がここに住んでいて、智も自分の会社を鶴見に持っているから、愛をここに行かせるという設定なのでしょうが、わざわざ愛を来させてしかも夜遅くに帰ると言うのだから、婚約者である和彦はやはり送って行くべきでした。何か暢子に遠慮しているのかと思わせるところがあり、それが益々優柔不断な印象を与えているし、沖縄戦にしても、もう取材を受けないと言う相手に取材を申し込むのも、何だかいただけませんね。
あと、これはこの朝ドラ関連ツイで指摘している人がいますが、この当時沖縄は、害虫ウリミバエが大繁殖しており、植物防疫法によって、農作物の本土への持ち込みができませんでした。つまり智は野菜の買い付けはできなかったわけです。ペペロンチーノやカルパッチョの件もそうですが、スタッフがまた大きなポカをやらかしてしまったようです。それともこの朝ドラの世界は、完全に現実とは切り離されているのでしょうか。
あと博夫の「上から目線」というのは、どうもネットが普及した後の言葉と思えます。それと愛の「パンツ」ですが、この時代ズボンを意味するパンツという言葉は、そこまで行き渡っていたのでしょうか。またこの当時、女性はスカートという職場は、そう珍しくなかったかも知れません。無論、比較的服装に自由な会社もあったかも知れませんが。
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