『武将ジャパン』大河関連コラムの続きです。それと先日分の投稿、当該コラムのリンクを貼り忘れておりました。失礼いたしました。今回も、URLのみを一応置いておきます。
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/03/28/167391
頼朝が亀と密会しているシーンの、その後からです。
1.何かと熱くて重たい政子にはない、息抜きできる感覚かもしれません……って、頼朝がどう言い訳しようと、このゲスい行動は許されない
2.義時の移動で乗馬シーンが多いのがいい、気合を入れて訓練されている小栗旬さんだからこそ、こなせる頻度なのだろう
3.周囲が見て見ぬふりをして自分に黙っていたことに政子は怒り、弟の義時を田んぼのヒルとまで罵倒し、坂東をみくびったと怒り狂う
4.政子は「先妻」という言葉に反発しつつも、都会生まれの習慣に前のめりになっている
5.「九郎が関わっておるのか! あの馬鹿めが!」怒鳴り散らす頼朝だが、このあたりで義経の凶暴性と危険性に気づいていればよいのに――そう思える秀逸な伏線である
1、政子は「熱くて重たい」よりも、寧ろ「熱くて激しい」のではないでしょうか。そして確かに、頼朝の行動もほめられたわけではないにせよ、本人にしてみればそう悪気もなかったでしょうね。
2、小栗さんも悪くはありませんが、ここ10年で乗馬シーンがうまい主役といえば、私としては『軍師官兵衛』の岡田准一さんです。しかし武者さんは嫌いな作品だからほめないのですね。嫌いであろうと、評価する部分はあると思うのですけどね。
3、「坂東をみくびった」でなく、「坂東の女子」を「みくびらないでくれ」と言っています。 しかもこの部分、りくが都と比較したからこそこのセリフが出て来ているのですが、それに関する記述がありません。
4、「先妻」ではなく「前妻」ですね。
5、頼朝は義円の手紙の件で、危険性については気づいていたでしょうが、それでも来るべき平家との戦に備えて、武人肌のこの弟を無下にするわけにも行かず、何とかなだめすかして置いておこうとしたのではないでしょうか。
6.広元がたっぷり読んできた漢籍
7.そして亀は積極的に「淫ら」なところがいい、楽しいことの中にはイケメンとのロマンスも入るだろうし、そういうロマンスをこちらから食らいつきにいってもいい。そういう開き直りを感じて清々しいとすら思える
8.政子はキレやすい女?いや、感情を制御できていないのはむしろ男性(ノリノリで破壊する義経・怒鳴る頼朝・泣く義時)だろう
9.女性の活躍というのは、ヒロインが味噌汁やおにぎりを振る舞うと周囲が感動して何かが起こるとか、胸をぐるぐるさせながらおもてなしをするとか、そういうわけのわからんことでは説明はつかない
10.海外では「日本のフィクションがまた女同士で戦わせてる……」という呆れ声もある
6、これはその通りでしょうが、この前も書いたように、義経のことをブラックなどと外来語を使うなと言う割に、やたらに漢籍を引っ張ってくるのもどうかと思います。この箇所も主君の諫め方などが紹介され、義時の態度と絡めているのですが、そうまでしてあれこれ漢籍の知識を持ち出す必要があるのでしょうか。
7、この部分、嫌いな大河だったら速攻で批判のみならず非難しまくっていたでしょうね。そもそももし嫌いであったら、亀という、ちょっとあざとい感じのキャラに最初から批判的だったかと思われます。
8、義経はともかく、頼朝が義経を叱ったのは御家人の手前ということもあるでしょう。そして義時の場合は、 この後妻打ちがエスカレートしたのは自分にも責任があるわけで、だからいたたまれなくなったというところでしょうか。
9、女性の活躍と一括りにされていますが、文が塾生のためにおにぎりを作るとか、千代がほうとうを作っておもてなしをするのは、それはそれでいいと思います。ただ文の場合、毎回のようにおにぎりが出てくるのはどうかと思いましたが。あと味噌汁とは『利家とまつ』でしょうか。しかしこれ20年も前の大河ですが。
10、これは後の方のページで、ニュース記事に絡めているわけですが、海外のどのようなメディアがこう言っているのかが全く引用されていません。武者さんが勝手にそう思っているようにしか見えないのですが。
その後、
『鎌倉殿の13人』は、そんな(注・文官政治から武士の政権への過渡期の)日本史の特徴が定着する前ゆえ、文官と武官がいます
とありますが、その後の時代でもお抱えの学者や祐筆などで、僧侶などの武士でない人々もいたのではないでしょうか。また直江状などは、西笑承兌が間に立っていますし。
あと例によって男系と女系がどうのこうの、妻妾同居がどうのこうのとあります。毎週のように同じ持論が展開されています。ちなみに
そうだ。来週ですが、木曽義仲挙兵の地である丸子を来訪するため、レビューの公開が遅れます。申し訳ありません
とありますが、一週くらいお休みするか、他の人に書かせるという選択肢もあるのではとこの際言いたくなります。
そして
毎週毎週、こういうわけわかんない心理誘導されて頭が破裂しそうよ。先週クローズアップされた義経による義円抹殺心理もつらかった
とありますが、そこまで無理して観る必要はあるでしょうか。昨年はまた昨年で嫌いな作品ゆえ、苦行などと書かれていましたが、そうまでして書いてもストレスをため込むだけでしょう。
特に今年のは、本当は意に沿わない部分も多々あるようですが、三谷作品だから無理してほめているのではないか、そのように思われます。いっそ批判に転じた方が楽ではないのでしょうか。
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