あらすじと感想の続きです。それとあらすじと感想1の方で、御館を秀衡とするべきところを、泰衡としていました。失礼いたしました、訂正しています。尚他にも数か所、おかしいと思われる箇所を直しています。
本題に入ります。前回、頼朝と八重が決別したように書いていましたが、そうきっぱりとは別れられないものです。後の方で義時も、まだ別れていなかったのに驚いていたようですが。一方、その八重をいわばおびき出すようなことをした亀、なかなかの策略家といえそうです。
ところで彼女は縮れ毛のようです。この当時は黒くてまっすぐな髪がもてはやされた時代でもあり、縮れ毛はあまり好感を持たれていなかったとされています。『平清盛』の滋子を思い出しますが、彼女のキャラを敢えてこのようにしている辺り、今後の展開はどうなるでしょうか。しかしこの大河では、そもそも頼朝も天然パーマですが。
政子と実衣が、芋を沢山貰ったと言います。この当時のことですから、里芋または山芋でしょう。何となく、前回の義経一行が民家から貰った芋がだぶります。無論焼き芋などもこの当時はなく、彼女たちは干し果物と木の実、要はドライフルーツとナッツを間食として食べているようです。ちなみにこの頃一日の食事は2回です。
そして、如何にも都の人物といった牧宗親、りくの兄がやって来て、政子たちは御簾の下から晴れの装束の袖口や裾をのぞかせる、打出(うちいで)を稽古させられます。尤もここでは皆、小袖を羽織って袿の代わりにしているように見えます。政子は慣れない稽古でへとへとですが、今度は亀が本を持って来ます。作法と勉強、御台所になるのも大変そうです。
それから義経。空気が読めないというか、平泉の方がいいと言ってみたり、嫂の政子に膝枕をさせたり、果ては戦の経験がないのに、敵将の首を取るから兵をくれと言ったり。流石に一番最後のは上総広常に一喝され、頼朝からも窘められましたが、義経は暴れたくてうずうずしているようにも見えます。
ただ、一人が勝手な行動を取れば云々は、ある意味広常にも当てはまるような気がしますが…。皆が考えあぐねる中、上から攻めるという義経の戦術は評価できるものですが、それも実現することはなく、寧ろ金砂山の模型を腹立ちまぎれに壊してしまう辺りにこそ、この大河の義経のキャラが現れているように見えます。
そして鵯越にも引っ掛けたと思しき、和田義盛が小鳥を捕まえてくるシーン。この時の
「義盛殿は心が澄んでおられるから、鳥も安心するのでしょう」
は、如何にも重忠らしくそつのない物言いです。その前に義盛は
「そうっと寄ってパッとさ」
と、鳥を捕まえる様子を話しているのですが、この言葉が義経に、そっと忍び寄ってパッと攻めるというヒントを与えたようにも取れます。一方で藤原秀衡、源氏と平家両方から兵の要請がくる辺り、なかなか隅に置けません。彼は彼の帝国のために、利用できるものは利用していたでしょう。
そして義村。義時と八重の話になり、俺が(八重を)貰うぞと言った後で、八重から草餅を貰うところは何となく笑えます。正確には、押し付けられたというべきでしょうか。そしてよせばいいのにその餅を齧ったため、佐竹攻めに同行できなくなります。実は餅の場合、黄色ブドウ球菌が繁殖しやすいらしく、しかもこれは病原性が強く、白血球を殺すことさえあります-ちょっと、『はたらく細胞』を思い出します。
閑話休題。そして義時は、遠征の帰りに見つけたキノコを八重に届けます。義時も気遣いを見せてはいるのですが、なかなか義村のような合理的な考えができないのが難というべきか。義村は伊東祐清に対して、囚人待遇とはいえ、 何でもかんでもしゃべりゃいいてもんじゃないなどと、平気でと言ったりしますからね。尤もあれは祐清にも非がありますが。
それと安達遠元を演じている大野泰広さん、『真田丸』に河原綱家役で出演していました。
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