『黄金の日日』第41回「侵略者」についての感想そして一部疑問です。
まず先日分にも書いていますが、助左衛門が、朝鮮半島に日本が攻め入って日本が勝てば、先年の偽国使の件がばれ、加担した全員(小西行長、宗義智を含む)もただではすまなくなるため、わざと負ければいいと三成を説得するシーンですが、一商人が奉行にこう言うのは、ちょっと無謀ではないかと思います。
そもそも助左衛門は
戦になるのが(自分の商いにも影響が出るため)嫌なのか
戦になって日本が勝った場合、自分たちの謀が秀吉にわかって処罰されるのが嫌なのか
このどちらであるのかがはっきりしません。恐らくこの両方なのでしょうが、秀吉に偽国使の件が発覚するのが嫌だというのは、少々虫のいい話ではないでしょうか。無論偽国使の件は、ああしなければもっとことが大きくなったであろうとは思いますが。
それと三成が、助左衛門に停戦工作じみたことをさせるのは如何なものでしょうか。この場合助左衛門がスパイである可能性も捨てきれないし、以前も書きましたが、物事があまりにもとんとん拍子に進んでいるようにも感じられます。武士を描いていないせいもあり、この結論に至るまでの三成の苦悩、根回しなどがあまり出てこないのは物足りないですね。
そしてこのような大それたことをするにしては、主人公とはいえ、助左衛門の描かれ方ががきれいすぎやしないかとも思います、これが、原田喜右衛門並みの悪党とはいわずとも、もう少しブラックな人物だったらさもありなんと思うし、そのために少々エゴイストなところがあっても納得できるのですが。
その原田喜右衛門は詐欺師の素質がありますね。難を言えば格好が目立ちすぎてしまい、どこか胡散臭い人物と取られがちな点がありますが、秀吉との相性はいいのかも知れません。しかしあの国書も金箔が散りばめられていて、これぞ秀吉といった感はあります。
それにしても助左衛門と三成の関係、先日の『武将ジャパン』のコラムではありませんが、どこかブロマンス的なものを感じてしまいます。
それから他のキャラについて。
美緒が引き取った宗薫と梢の子、小太郎が成長し、しかもいきなり短刀を持って助左衛門に襲い掛かります。その場に都合よく居合わせた美緒が小太郎を止めたことで、助左衛門は難を逃れますが、この設定は少々乱暴に見えてしまいます。ところでこの小太郎は天正10(1582)年生まれですから、この時まだ10歳くらいなのですが、ぱっと見15歳くらいに見えます。
あと助左衛門が、桔梗には銭丸がいるから大丈夫だなどと言っていますが、小太郎よりも、寧ろこの銭丸の方が10歳くらいに見えます。とても一人前の男という感じではありません。小太郎がやけに成長している割に、銭丸が成長していませんね。
そして桔梗。五右衛門と共に過ごしている間に、彼にも好感を抱くようになっているようです。しかし「なぜ私を抱かなかった」はかなりのど直球です。その当時は大河でこういうセリフを、しかも女性に言わせていたのですね。
結局この桔梗は助左衛門の妻になるのでしょうが、しかしその助左衛門は美緒と出会っているわけで、なかなかこの3人の関係は、すっきり収まることはなさそうです。
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