まず、先日投稿した分で、三谷幸喜氏のインタビューからの引用部分を泡めのブルー系にしていたのですが、色が薄く見づらいため、やや濃い目の色に変更しています。それから弁慶を演じる佳久創さんの敬称を落としていました。いやはや大変失礼。
今回はその続きになります。三谷さんが言う「史料どおり」と、「史料に沿っていない部分」なのですが、どうもこの両者の差がかなり大きく、それが批判、あるいは否定的な意見のもとにもなっていますし、また三谷さんが本当に書きたいのは、本当は後者の方ではないかとも思ってしまいます。 以前『真田丸』の時の実況ツイを見て思ったのですが、少なくとも私が目にした中では、史料そのものの指摘よりも、三谷さん特有の小ネタやキャラ設定に言及したものが多いように感じられました。
大河だから史料を重視したいという気持ちはわかります。ただこう言っては何ですが、視聴者が重視するのは史料通りにきちんと描かれているか否かより、ドラマとしての面白さだと思われます。そして三谷大河の面白さは、小ネタの多さやキャラ設定の意外性などであると思われてもいるわけです。
確かに『吾妻鏡』は、異論もあるものの、鎌倉期の史料として有名です。今回の大河の場合は、吾妻鏡そのものをベースにしているのはわかりましたが、やはり、必ずしもその通りに描くべきなのかという点には、やや疑問があります。無論ドラマとして面白ければそれで問題はないのですが、そして今回に限らずですが、大河とは本来どのようにあるべきか、これが抜け落ちている感があります。
そもそも史実は盛り込むべきなのか、フィクションで行くべきなのか、本来看板番組である大河にも関わらず、こういった点がNHKトップの総意ではなく、脚本家、あるいはプロデューサーの裁量にまかされてしまっているという点は、如何なものでしょうか。そのため作品によって、史実の盛り込み方にかなり差が出てしまってもいます。
『おんな城主 直虎』の脚本を担当した森下佳子さんは、大河は史実に縛られ過ぎ、史料だってどこまで本当だかわからないとコメントしていたこともあります。無論井伊直虎自身、あまり史料がないということもありましたが、ならば史料のない人物を、なぜ主人公にするのかという疑問にもつながります。ある作品では史料重視、別の作品では史料が殆どなくフィクションが多いというのは、どこかポリシー不在の、出たとこ勝負的な印象を受けてしまいます。
あと最近のNHK出版のガイドブックは、必ず過去の同時代の大河を紹介しています。今発売中の前編では、『草燃える』が紹介されていて、北条政子を演じた岩下志麻さんのコメントがあります。実際これは、北条政子が実質的な主人公であり、またこの作品で義時を演じたのが、今回平清盛を演じる松平健さんでした。恐らく今後は『義経』や『平清盛』なども出て来るかと思います。
過去の大河を持ち出すのはいいのですが、そして繰り返すようですが、それらの作品は受信料で作られています。ならば、大河60年は視聴者の皆様のおかげですと、これまたNHKトップ自らが、もっと口にしてよさそうなものなのですが。
その受信料に関することでひとつ。NHK出版のガイドブックは、毎号の裏表紙がもみじ饅頭のにしき堂の広告になっています。これは最早長年の提携関係にあるといってもいいでしょう。その一方で、今回のニッコームックの裏表紙は、主演の小栗さんが出ているプレモルの広告です。
この2つを比較すると、どちらが出演者を強力にアピールしているかは一目瞭然です。無論NHKとしては、色々やりたくてもできないという事情があるでしょう。しかし私としては、ここはやはり主演の小栗さんの、文字通り「旬」の広告を使っている方が、惹きつけられるものがあります。
以前、大河を作るのであれば、主演俳優の出演CMの企業に、スポンサーとなっていくらか出資して貰ってはどうかと書いたことがありますが、今回両方の裏表紙を見て、改めてそれを思い出しました。サントリーからいくらかお金を出して貰えれば、受信料を何十億も使わずに済ませることもできるはずなのですが。尤もサントリーも、リーグワンで出費が多少はあるかとは思います。
三谷大河のみならず、大河についての疑問点は多々ありますが、年が改まって来年の放送が始まる前に、ガイドブック関連でもう一度投稿できたらと思います。年を跨ぐ格好になりますね。
それと正月時代劇『幕末相棒伝』ですが、今は正月時代劇のサイトはもう作られていないようです。かろうじて掲示板はあるようなので、この掲示板、そして紹介ページのURLだけを一応貼っておきます。
https://www.nhk.or.jp/drama/bbs/(掲示板)
https://www.nhk.jp/p/ts/3K4QPLPQRV/(紹介ページ)
しかし杉本哲太さんと浅利陽介さんが出ているのは、タイトルに「相棒」が入っているからでしょうか。
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