令和の3年間の大河の視聴率比較を、グラフ(クリックで拡大可能)にしてみました。10話分を一区切りにして比較すると以下のようになります。
ここで気を付けておきたいのは、令和に入ってからは、3作品中2作品が、放送開始に遅れが出たため放送回が削減されたり、コロナ禍やオリンピック・パラリンピック開催のため、放送が休止されたりしています。その結果、放送回数にばらつきが出ており、また休止後の視聴率が振るわなかったりしているため、この3つは必ずしも同じ条件で括れるものではないことをお断りしておきます。たとえばこのグラフにしても、第41回以降は『青天を衝け』が『麒麟がくる』をかなり下回っていますが、そもそも『青天を衝け』の場合、第41回即ち最終回だったのですから、これは致し方ないといえます。
青-『いだてん』、オレンジー『麒麟がくる』、そしてグレーが『青天を衝け』です。このうち、『いだてん』の視聴率はさておくとしても、『青天を衝け』の数字が、『麒麟がくる』のそれとほぼ互角、あるいはやや上回っているという点は注目するべきでしょう。実際『青天を衝け』と、『麒麟がくる』の年間平均視聴率は、ぞれぞれ14.12パーセント、14.35パーセントとあまり変わらないのです。
色々不運はあったにせよ、やはり『麒麟がくる』は、戦国大河にしては視聴率が低かったといえます。尤も『青天を衝け』も、舞台が関東である割にはそう視聴率が高くありませんし、やはり明治後は数字がやや落ちています。加えて主人公があまりよく知られておらず、どのような人物なのか、この大河で初めて知ったという人も多かったかと思われます。
戦国だからといって数字を取れるわけではない、場合によっては幕末維新物とそう変わらないというのは、以前にも触れてはいます。『おんな城主 直虎』と『西郷どん』にも、似たようなところがありました。こちらは特に、直虎という人物がよく知られていないせいもありました。男性か女性かわからないという説も飛び出したほどです。あと創作も多く、信長、家康といった著名な人物が登場したり、高橋一生さんが小野政次を好演したりした割には、『西郷どん』を0.8ポイントだけ上回る、12.8パーセントという平均視聴率で終わりましたし、総合視聴率は『西郷どん』の方が高かったのです。
ところで『青天を衝け』、最終回本放送のリアルタイム視聴は、11.2パーセントに終わりましたが、裏番組、特にフィギュアに数字を持って行かれたと思われます。『真田丸』の時も、日テレ系列でサッカーをやっていたため、最終回の数字が落ちましたね。裏にスポーツがくるとどうしてもこうなります。その最たるものは、ラグビーワールドカップの日本対スコットランドの試合が裏に来た時の、『いだてん』の3.8パーセントでした。この時は、ベスト8行きがかかっているスコットランド戦であっただけに、こちらをリアルタイムで観た人が多く、実際この試合関連のツイは、トレンドの上位を独占していました。
あと『青天を衝け』は、最高が20パーセント、最低が11.2パーセントなのですが、最高が第1回、最低が最終回の数字であるというのも、偶然とはいえ不思議なものがあります。
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