ざっとあらすじを書いておきます。
小野田官房長が、孫を幼稚園に車で送って行く途中、急にその子が尿意を催し、車から降ろして用を足させるが、この辺警察関係者である「じいじ」はかなり微妙な立場だった。その後、車に乗ろうとしたその子が、ある人物の死体を発見する。それは近くの小学校の教師で、凶器はボウガンだった。小野田は特命の2人にこっそりこれを伝える。
以前から、その小学校に通う子供たちが、通学途中のアパートに住む佐々木からボウガンで脅されていたことを知った杉下と亀山は、その男が怪しいとにらむ。一方で捜査一課の面々は、小学校を訪れて捜査を始める。そんな折、その小学校の生徒の手塚守が、その犯行現場を目撃したと特命の2人に話す。
しかしこの守は、一筋縄で行く子ではなかった。小学生にして『異邦人』を読み、その他もろもろのことに詳しく、大人顔負けの理論を展開する子供だったのである。また図書館の本だけでは物足りないようで、担任の前原恭子から本を借りて読んでいた。守は両親を亡くして親戚に引き取られており、前原は、必ずしもその親戚とはうまく行っていないようで、いつも図書館にいることを2人に伝える。
佐々木も当然、容疑者の1人だった。天井裏からボウガンが見つかったからだが、犯行時現場にいたのは佐々木ではなかったことが明らかになる。なぜかといえば、その時ボウガンが盗まれていたためで、当然誰かがその盗んだボウガンで、犯行に及んだのだった。
実はその前原は、最重要容疑者とみなされていて、しかも件の教師から1度暴行を受けかけていたが、犯人は前原ではなかった。いつも遅い時間まで図書館にいる守も、その光景を目にしていた。しかも杉下は、ボウガンは比較的体格にハンディがあっても相手を倒せること、しかも現場にあった4つの穴と、学校の用具室の折り畳み椅子の脚の位置がぴったり合致したことから、犯人を特定するに至る。
犯人は守だった。椅子を現場に置いて、その上に立って相手に狙いをつけたのである。しかも守は、自分は14歳未満だから家裁送りになり、特に影響はないと平然といってのける。そんな守を、亀山はある場所に連れ出す。そのある場所とは東京拘置所だった。
2人はその当時入所していた浅倉禄郎と面会し、犯罪を犯すとどうなるか、浅倉は直にいって聞かせる。浅倉の言葉を聞いて、初めて涙を流す守。一方外では、前原と杉下が待っていた。杉下は前原に、浅倉が死刑囚であることを話す。
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何ともこましゃくれた感じの守ですが、彼もまた内面に悩みを抱えていたようです。あまりに子供らしくない彼が、浅倉の言葉を聞いて涙を流すところに変化が見て取れます。ちなみにこの守を演じたのは、子役時代の染谷将太さんです。
それから以前書いた「
ベラドンナの赤い罠 」同様、この回でも小野田官房長は、回転寿司の皿をレーンに戻してしまっています。しかし冒頭のいい「じいじ」ぶりには、何かほのぼのとさせられるものもあります。
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