「続き」でもこのタイトルを使っているため、本当はパート3なのかもしれませんが、一応パート2ということで。いよいよ四境戦争の回です。しかしいざ戦闘かと思ったら、奥女中たちが登場して寸断されてしまって残念でした。そして美和の「軍師」関連の場面ですが、どう見ても城の見取り図が、エクセルか何かで作ったような感じで興ざめです。あの線の引き方といい、色の掛け方といい、手書きでああなりますかねえ…しかも美和が幕府軍を撤退させるくらいのことすれば、流石美和天晴れともいいたくもなりますが、あれじゃ結局は「軍師ごっこ」ですね。
そしてここでも現代的価値観が持ち込まれ、挙句の果ては高杉雅と、夫に別の女がいた件であれこれ話す始末。この当時、こういうことで愚痴るでしょうか。黙っているのではないかと思いますが。この雅のキャラ設定も、何か身勝手で甘ったれな女という感じで、だから美和と馬が合うのかとも思ってしまいます。実際はもっと気丈な方だったようなのですが。しかも高杉の病気のことが、次の場面で美和に伝えられているというすばやさ、メールでも来たのでしょうか(苦笑)。かてて加えて関係ないことが多すぎで、この回、戦闘と高杉の喀血だけでまとめた方がよかったような気もします。
それから小田村伊之助、出過ぎでしょ…。実際芸州には足を運んだようですが、別に彼がメインの人物ではなかったようですし、しかも時間稼ぎのために、わざと捕らえられたというわけでもなく、交渉が決裂したのが原因のようですね。また広島の陣営を描いているせいか、いきなり
徳川茂承 などという、少々レアな人物が出て来たりします。この人を出すのであれば、蛤御門の変で真木和泉を出すべきでした。しかも大村益次郎が一瞬しか出て来ない、どうにも登場人物の持ち時間のバランスが悪すぎですね。将軍家茂の薨去もほんの一瞬、そして史実をナレーションのみで済まそうという方針?は、この回も忠実に貫かれました。
そして高杉の喀血について。微熱とか咳とかいった、結核特有の症状が前振りとしてなく、いきなり喀血というのも何か不自然です。また『花神』の話になりますが、あれではまず小倉攻めの時に発熱したため、おうのが山県に知らせようとするのを遮って、無理を重ねた結果喀血する設定になっています。やはりこれくらいの段階を踏んでほしいものです。それと『花燃ゆ』の高杉の場合は、喀血というよりは、何か体に銃弾を受けて口から血を噴き出したものの、何とか踏ん張って耐えたといった感じに見えてしまいます。
やはり大河ドラマがスポイルされているなといった印象です。過去には名作もかなりあったのですが、それを作った人たちへの敬意がまるでなく、かなりおかしな方向に向かっていますね。『真田丸』でそれが食い止められるといいのですが。それと、この『花燃ゆ』のプロデューサーやディレクター、脚本担当諸氏も、しばらくの間大河から離れていただきたいと思います。始まった当初は、ちょっとここまで脱線するとは思っていませんでしたね。もう少し大河らしい「格」を保てるかと思ったのですが、残念ながらはずれました。
実はこの回が終わった後、BSフジの『猫侍』を観たのですが、「草薙俊平」と「亀山薫」の共演なのですね、これ。浅利陽介さんも出演していました。ふかふかの白猫に何とも和みました。
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