少し前に「目玉番組の『やめ時』とは」という投稿をしていますが、紅白歌合戦(以下、紅白)もいわばNHKの目玉番組です。これも年に1回、大晦日のみの放送ですが、その代わりかなり仕掛けが大掛かりになっていますし、その分制作費として受信料もつぎ込まれているわけです。
この紅白も、そろそろやめていいのではと何度も書いています。元々は2時間程度だったようですが、出場者数を増やした結果、前半がアイドルユニット中心、後半がそれ以外(演歌歌手を含む)となっています。無論どの時間帯に誰が歌うかは、年によって異なりますが、大トリやトリ、あるいはそれに準ずる人たちは大体決まっています。
紅白に関する問題としては、やはりマンネリ化があります。八方手を尽くしたけれど、どうも煮詰まり感が感じられますし、第一両軍に分けて戦わせる意味があるのでしょうか。どちらが勝った負けたではなく、ちょっとしたアトラクションも交えて全員歌わせ、最後は『蛍の光』で締めくくるだけでいいでしょう。しかも実質的に一騎打ちであるのに、「勝ち」ではなく「優勝」という言葉を使うのも如何なものかと思います。
また今現在メディアは、盛んにジェンダーフリーを謳っています。NHKもその例に洩れません。であるにも関わらず、出場者を男女に分けて戦わせるのもどこか矛盾していないでしょうか。
紅白に限らず、そもそもNHKの特徴と言えば
「大いなる野暮ったさ」
ではなかったのかと思われます。それが民放を意識したような路線を取るに至り、何とも中途半端な雰囲気が出来上がっています。
今NHKで一番攻めた番組は、Eテレの一部(すべてではありません)と、バラエティではないかと思われます。その反対に、紅白だの大河だのは、視聴者を惹きつけようとしているのでしょうが、どうも目新しさを感じないのです。番組のシステムそのものが、経年劣化していると言えます。
今のTV番組(ドラマを含む)は面白くないと言われますが、一概にそうは言えません。アンコール放送されている『黄金の日日』も、面白い部分とそうでない部分があり、これについてはまた投稿予定です。紅白にしても大河にしても、放送が開始された当時は、それはそれで目新しかったのでしょう。しかし何十年も続けていれば、当然制度疲労を起こすわけですが、当時のTV関係者は、それを見通せていたのでしょうか。見方を変えれば、今のTVが面白くないと言われるのは、放送開始当時の関係者の読みの甘さにもあるのではないでしょうか。
いずれにしても、視聴者が求めているという建前のもと、受信料が続く限り作るつもりなのでしょうが、もしそうであった場合、受信料を払う気持ちはあまり起こらなくなりますね。
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