昨日の分 で、レクター博士ことハンニバル・レクターについて触れていますが、精神科医であると同時に悪人であり曲者であると、実に一筋縄では行かない人物であるわけで、この辺りはロック・ホーム=間久部緑郎も、また『相棒』の浅倉禄郎も同じです。逃亡のため、あるいは自分を利するために、レクターは手首を切断し、間久部は指紋を変え、そして浅倉は釘を何本も呑み込むという、ちょっと常軌を逸したことまでやってのけてしまうわけです。
あと『相棒』には村木重雄というキャラクターも登場します。この人物はいわゆるシリアルキラーで、足を怪我して殺人が出来なくなり、自分の後継者を作って殺しを行わせるわけです。後継者というのが、何やらホームズのモリアーティとモランを思い出させます。この人物も複数のエピソードに登場しています。これらをすべて観たわけではないので、まだ仮説の段階ですが、殺人者と検事という二面性、そして、それによって導かれるエキセントリックさでは、浅倉のキャラが際立っています。
浅倉の場合は殺人の達成、そしてその後の死刑囚としての日々と、その後の彼の人生の3つのパターンがあり、しかもこの人物は、必ずしも殺人者として成功していたわけではなく、むしろ連続殺人による美酒の後の二日酔いを体験しており、それが犯人でかつ「悪の華」的存在でありながら、必ずしも「悪」の部分のみでない、独自の魅力を放っているともいえそうです。ちなみにこのキャラは、輿水泰弘氏の当て書きだそうです。あるいは輿水氏、ロック・ホームも念頭に置いておられたのでしょうか。間久部との類似性のみならず、ちょっと手塚作品に出て来そうな感じでもありますので。
今まで『相棒』をすべて観て来られた方ならご存知とは思いますが、この中にはホームズをベースにしたと思われるエピソードもあります、サブタイトルで既にそれを感じさせるものもあり、その視点からチェックして行くのも、また1つの楽しみ方といえます。どの作品がベースであるのか、また、どの作品をどのような視点からドラマに採り入れているのも、ホームズファンに取ってはかなり興味を惹かれることですので。しかし、シーズン11突入前の時点で、『相棒』シリーズのDVDを連続で観た場合、1週間かかるらしい。かなりの長丁場となるかもしれません。
ところで、杉下右京と4代目「相棒」冠城亘の登場ももうすぐです。今度は法務省キャリアでかなりの理論派で、杉下とは衝突しそうな感じですが、さて、いつ「相棒」として認められることになるのでしょうか。
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