『青天を衝け』で、主人公や血洗島のシーンとそれ以外、主に施政者サイドのシーンとはかなり異なること。前者の方が面白いということは今までも書いています。実際前回(4日放送回)も、孝明天皇の描かれ方などはやはり疑問でした。
天然痘での崩御という前提であり、体調がすぐれないながら神事に赴かなければならないというのはわかります。しかしその後、祐宮との会話シーンなどは、ちょっとどうかなとは思いました。「第21回に関して」で書いているように、コロナワクチンの接種をほのめかす、その意味合いが多分にあったようです。
あと慶喜のフランスの軍服姿、ナポレオン3世から贈られた物ですが、ナポレオンと言うと、やはり『西郷どん』の川口雪篷を思い出します。そして軍服姿の慶喜も、やはりこの人を思い出しますね。(『西郷どん』公式サイトより)
個人的には、草彅さんは慶喜としては、少し歳を取っているかなという印象はあります。恐らく主人公が仕える相手ということで、多少変わった雰囲気ではありながらも、落ち着いて物わかりのいい殿様というイメージに持って行きたかったのでしょう。『西郷どん』の慶喜公は何を考えているのか、何をやらかすかわからない雰囲気がありましたので。
それと思うのですが、『青天を衝け』も『麒麟がくる』も、意外と構成の部分では似ているところがあるかと思います。施政者サイドの描かれ方があまり面白く感じられないというのが、両者に共通するところでしょうか。ただ主人公の描かれ方は、今年の方が遥かにいいでしょう。
無論これは、前半生を異裏付ける史料があまりない光秀とは違い、栄一=篤太夫は近代の人であり、自伝も残っていることから、それに助けられているとも言えます。ならば光秀も、創作でいいのでもっとそれらしき展開にした方がよかったでしょう。わざわざ桶狭間に行かせることなどなかったのではないでしょうか。
それからこの大河に関するコメントで、史実が多いなどというのを観たことがあります。しかし私に言わせれば、主人公本人や幕府の一部はともかく、薩長の描き方などは史実から外れた部分もいくつかありました-と言うか、そもそも描かれない部分が多すぎです。
あとNHK絡みで少々。NHKは元々公共放送で、受信料はその公共の部分、すなわちニュースや気象・災害報道にのみ使われるべきであるというのも、前に書いたことがあります。ですから受信料でドラマのような娯楽作品を作ることは、邪道ではないかと思いたくもなります(そもそも娯楽作品は別料金でやればいいだけの話です)。しかもそのドラマは、再放送枠が設けられて同日、あるいは同じ週に再放送されたりもしています。
しかし最近のように「今まで経験したことのないような」豪雨、それによる被害が毎年のように起こっては、流石に災害報道に時間を割かざるを得ません。このため、ドラマの再放送枠がつぶれることがあります。公共優先はいいのですが、反面受信料で作られているドラマの、しかも本来設けられているはずの再放送枠がなくなり、そのままということもあります。
公共と娯楽の両方を追求すると、こういう矛盾も出て来てしまいます。どうしても再放送をしたいのなら、再放送枠を作らず、NHKプラスのみにしてきちんと再放送すればいいでしょう。本当はNHKプラスではなく、他の配信サービスを利用して然るべきかとは思いますが。
昔の朝ドラなどもBSで再放送されたりしていますが、そしてそれを楽しみにしている人も多いと思うのですが、そんなにコンテンツがないのであれば今後のチャンネル編成を考えるべきでしょう。いずれにしてもBSは今後一本化の予定ですが、逆にスポーツ関連チャンネルを設けた方がいいのではないでしょうか。今後TVは「中継専用メディアとしては」生き残る可能性はあるでしょうから。
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