第4巻、マスト細胞が出て来ます。目が前髪でほぼ隠れた青年の姿をしており、オタクとしての趣味活動の片手間に仕事をやっていて、ヒスタミンを多量に降らせてしまいます。当然ながら苦情が来ますが、彼は全く取り合いません。物言いもかなり上から目線です。ただダニが出てヒスタミンを放出した際に、SSRを引き当てたのに気をよくして、その結果、如何なる場合でもヒスタミンを大量放出するという荒業に出ることになります。
その後もヒスタミンが降り続く事態になりますが、マスト細胞はB細胞が出すIgE抗体に反応しているだけだと言い、最終的な責任者であるヘルパーT細胞は頭を抱えます。しかも秘書的存在である制御性T細胞が「やめる」などと赤血球に洩らすのを班長は耳にしますが、実はこれは班長の勘違いで、勤務中のソリティアをやめるということでした。またその後スギ花粉が体内に入るものの、IgG抗体であるためヒスタミンの放出も抑えられて一件落着となりますが、制御性さんも、季節によってはかなり暇そうですね。
ちなみにここで出て来るIgG抗体とは、IgEのような即時性ではなく遅発性の抗体で、時間をかけて作られ、長く血液中に留まります。花粉症の治療で、抗原を体内に入れることでこのIgGを作り、ヒスタミンの放出を押さえようという動きもあるようですが、やり方によっては副作用も大きいと言われています。
あと麻疹ウイルス、リンパ組織で増殖し、記憶細胞の抗原記憶を消してしまうウイルスですが、リンパ組織で増殖するのは風疹ウイルスも同じです。風疹は早くからワクチン接種が行われていましたが、妊娠中の女性が感染すると、胎児に危険が及ぶため女性が中心で、そのため男性の感染者数が増えたということもありましたね。
そしてウイルスを追っていた班長、相当寒そうな所まで追いかけていたようですが、冷えを抱えていると思しき体ではあるものの、体内のどの辺りだったのでしょうか。温泉までありますし。しかしこの赤血球ちゃんは、本当にパーティー大好きで、インスタへの投稿もしょっちゅうやっていそうです。
ところで。このフレンドとは直接関係ありませんが、最近本編とBLACKとを読んでいてとみに感じることがあります。あくまでも私見ですが、どうもBLACKの方が「本家」に見えてしまうということです。本来の『はたらく細胞』も、キャラ設定とか、どのような場合にどの細胞が対処するかといった点などは、確かに面白いのですが、赤血球が結束して仕事をすると言うよりは、「赤血球とその仲間たち」といったイメージがあります。
またこちらのキャラは、どちらかと言えばこのフレンドのそれとの親和性が高いです-ただフレンドの場合、プライベートな部分が多くかなり緩めで、その点がやや違うと言うべきでしょうか。これに関しては、また関連投稿で書くかも知れません。
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