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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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『国盗り物語』に見る明智光秀 63

細川藤孝の嫡子、忠興が慌ただしく戻って来たのは、愛宕山下坊の僧正から手紙を貰ったためでした。驚くべきことに、それには信長が本能寺で光秀に討たれたと記されています。自分に取って舅に当たる、しかも尊敬するべき人物として仰いでいる光秀が、主君殺しとは想像もつかないことでした。忠興はまだ若く、人間の行動を倫理的に見る傾向があり、その意味でもこの知らせは嘘であると思いたいのも無理からぬことでした。
一方父藤孝は、この世には信じられないことは山ほどある、自分もそういう経験をして来た、まず兵を城に戻せと命じます。息子とは違い、さらにこちらは、大人ならではの政治的判断で物事を考えていました。

藤孝は、光秀の行動はあくまでも衝動的なものであり、自分にも相談がなかったことから考えると、他の武将への相談も恐らくなかったであろうと考えます。つまり織田家中を敵に回したということでした。光秀は滅びるであろうと思った藤孝は、決心を固め、戻って来た忠興の前で光秀には与せぬと言い、信長への追善の意味で髻を切って、幽斎と名乗ることにします。
また自分のこの行動が、世間に与える影響、さらにはそれが光秀に取って不利になるであろうことも見抜いていました。そして忠興には、与するのもよし、勝手にせよと言いますが、激しやすい性格の忠興は即座に父同様髻を切り、三斎と名乗ることになります。

忠興改め三斎が与しないことは、光秀に取っては痛手であったものの、幽斎となった藤孝に取っては、火の粉をかぶらずに済みました。その後、足利幕府瓦解後に明智家の客分となっていた、沼田光友という人物が、光秀の手紙を持って訪れます。この人物も、細川家とつながりがありました。手紙には、藤孝に味方してほしい旨が綴られています。
(なんと人の好い、うかつな男であることよ)
幽斎は思います。光秀は軍人としての才能は優れていても、天下を取るにしては、政治家としての才能を欠いており、それゆえに哀れさをも感じ、幽斎は涙ぐみます。

幽斎は既に髪を下ろしているため、加担はできぬと言い、光友もそれを悟って宮津を去って行きます。恐らくこの知らせが光秀の耳にも届いたのでしょう。その光秀から飛脚便が届きます。その手紙の内容たるや、何やら哀願するが如き内容で、味方してくれたら摂津を用意しているが、但馬と若狭を望まれるのならそうするとまで書かれています。幽斎は光秀の人気のなさを改めて思います。
恐らく本能寺の変後、一番困惑しているのはこの光秀だったでしょう。しかも本能寺で信長を討ったのは、忠興を取り立てて大身にしたかったためで、それ以外に他意はないとまで書かれています。ちなみにこの手紙は、その後細川家に代々所蔵されることになります。

幽斎は寧ろこの場合、光秀と断絶することによって、世間に自分の立場を示し、次の時代に生き延びるための布石にする必要があると考えます。そして断交の手紙を送り、「三斎」の妻お玉を離縁して丹波国三戸野に住まわせることにします。
その後ほどなくして、備中にいた秀吉が山陽道を東に向かっていることを知り、幽斎は秀吉に誓書を送って彼の下に入ることに決めます。幽斎は、恐らく次に天下を取るのは秀吉であると見ていました。秀吉は亡君の恨みを晴らすという大義名分を掲げており、その秀吉を担ごうとする織田家の武将の支持も得られていたのです。

この時北陸にいた柴田勝家は、早急には京には戻れないと幽斎は考えていました。滝川一益も関東にいて、そうすぐには戻れないこと、丹羽長秀は織田家の老臣であるというだけで、実際京に近く、才略も人望もあるのは秀吉のみだったのです。そうなると光秀は、最早彼らの餌食になるだけでした。
その光秀は、新しい時代を開くだけの明るさに欠けており、そのため洛中の人々も光秀ではなく、その次に出て来る人物に期待しているふしがありました。光秀はこういう、自分に不利なことに敏感であり、短期間で安土、長浜、佐和山の城を接収した後、安土城の茶道具や金銀珠玉を、悉く家来たちに分け与える作戦に出ます。

今年も6月2日がやって来ました。無論本能寺の変は旧暦であり、実際は7月半ばと思われますが、ともかくこの日に本能寺で光秀が信長を討ったことが、細川忠興、そしてその父の細川藤孝の知るところとなります。幽斎は光秀の性格を知っており、今加担しても不利になるだけだと思って、追善のために髷を切り、最終的に光秀と断交することになります。
これは子の忠興も同じでした。光秀の娘婿でありながら、この倫理的にものを考える癖があり、しかも激情家である忠興は、大逆を働いた舅に与するつもりはなく、即座に髷を切り、またその妻のお玉は三戸野に幽閉されます。光秀は頼みの綱の藤孝の援助を得られず、また織田家中の武将からも狙われる身となりました。

この辺り、細川藤孝(幽斎)は政治家肌であったと言えます。足利幕府を去り、信長に仕えることになった時も、彼はまず身を引き、その後義昭の挙兵について知らせた方が、わが身に取って安全であると考えていました。幽斎の名はこの時考えていたものです。しかもその時も、光秀は彼の本意をなかなか察することができませんでした。
この時も状況は似たようなものでした。しかも光秀は、愛宕権現に詣でた後、本能寺攻めを朝廷のためだと言ってみたり、信長に追放された義昭のためだと言ってみたり、かなりその動機付けがぶれていたのですが、今回も藤孝の援助を仰ごうとしてのことなのか、忠興を取り立てたいから信長を殺したなどと、かなり牽強付会と思われるところが目につきます。


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[ 2021/06/02 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『青天を衝け』の感想も書いています。またBSで再放送中の『黄金の日日』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも来年の大河が始まる前に、三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2021年には北半球最強であるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの試合も組まれています。このチームにいい試合をし、今後さらに上を目指してほしいものです。国内のラグビーも、2022年からはいよいよ新リーグがスタートです。

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