本能寺の変の時点では、信長の天下統一計画はまだ途上段階にありました。このままこのやり方で皆がついて来るかどうか、そういった懸念を、いくらかでも抱いたとも考えてもおかしくはないのですが、原作にはそういう、信長が今後の自己への評価を気にして思い悩むような記述は見当たりません。
しかし大河では、この先は気が狂うかもしれないとか、この信長にもわからぬなどと言っていますので、少なくとも脚本では、この状態をそのまま維持できるかどうかは不明だという、漠然たる不安をのぞかせるように描いたとも考えられます。無論本能寺の時点では、信長はまだ天下人として揺るがぬ存在であり、光秀に取ってその点はマイナスでしたが、この時を逃せば、彼に取って二度とこのような好機は巡ってこなかったでしょう。
実際少ない手勢で京に滞在しており、その意味では家臣たちを信用していたと取れますが、そこにまた彼の「甘さ」があったとも考えられます。この辺り、やはり二条館を城郭のようにしていながら、暗殺された足利義輝を思わせます。
信長が暗殺された、その原因はいくつもの説があり、どれが正しいとは言い切れません。坂本龍馬と並んで乱世の風雲児であり、しかも海外の勢力ともつながりがあったことを考えると、竜馬暗殺にするのと同様に、様々な説が登場してもおかしくはないからです。
私としては、光秀が信長に対して、考え方の違いからくる私怨、あるいは諫めたいという気持ちを抱いており、それがこのような形で具体化したかとは思っています。この原作の場合、光秀は荒木村重一族の悲惨な最期を熟知しており、無論弔い合戦が起こる事も察知してはいたものの、それでも自分の前に立ちはだかる、信長という恐怖を討たずにはいられなかったとは言えそうです。しかしこの巨大な「敵」を討ったその代償も、かなり大きなものではありました。
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。
他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。