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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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『国盗り物語』に見る明智光秀 57

信長が光秀に、毛利の領地である出雲と石見を斬り取りにせよと命じます。しかしその代わりに丹波を召し上げられるため、実質的に無禄で戦うことになり、それはあたかも人間の尻に油火をかけて走らせるが如きものでした。
信長は家臣を道具として使い、なればこそ光秀のような牢人も使われて来たわけですが、そろそろ自分という道具も邪魔になって来たのではないか、かつての追放された織田家臣と同じ運命を辿るのではないか、光秀はそれが気になります。恐らく織田家で生き残るのは、信長の子を養子にした秀吉のみかも知れません。そのようなことを考えつつ光秀は帰城し、お槇には備中へ行くと伝えます。

しかし光秀は、お槇や子供たちが、荒木村重の一族同様の目に遭いはしないか、それが気になっており、同時に彼の決心を鈍らせていました。お槇は心配げにどうなされたのですかと尋ね、光秀は、半ば自分に言い聞かせるように、備中へ行くと再度口にします。しかし本当に備中へ行くのか、それは光秀自身も判断できかねました。
その後光秀は丹波亀山城に移り、愛宕山へ参篭することにします。所領のことで、一人で山に籠りたいというのがその理由ですが、光秀の13人の隊将の中には、あるいはと疑惑を抱く者もいました。既に丹波を召し上げられたことは、彼らの知るところとなっていたのです。

とはいうものの、彼らは主である光秀の気性をも知っており、まさか謀反などあるはずがないと思ってもいました。無論光秀と信長の関係、諍いなども知ってはいたものの、現在の光秀があるのは信長あってこそのものであり、堪えている主を評価する一方で、堪えるべきであるとも考えてもいたのです。
しかし今の光秀は、魔術師信長の「道具」でありながら愛宕参詣をするという、「道具」らしからぬことをしようとしていました。道具である以上、参篭するに当たって祈願するべきものなど、持つべきではなかったのです。

これが秀吉なら、家臣たちももっと気軽に、何をご祈願されるのかと問うこともできたのですが、光秀は家来が付け入る雰囲気を持ち合わせませんでした。無論、秀吉であればまた別の方法を採ったでしょうが。
ともあれ、光秀はわずかな供回りを連れただけで愛宕山へ向かいます。水田の中には百姓がいました。光秀はこの丹波に入って以来、百兆のための政治を行い、彼らの暮らしを改善することに努めて来たのですが、無論百姓たちに、この騎馬の武士が誰であるかわかるはずはありません。
やがて光秀は愛宕山に登りますが、流石に年齢のせいもあり、険しい山中の道を行くのはかなり厳しいものがありました。

途中で休んで弁当を喫した光秀は、急に、自分の若い頃は昼食を摂らなかったと言い出します。ただし美濃にいた頃は三食を摂っており、越前滞在時などは二食で、織田家に仕えるようになってからまた三食に戻っています。こうして三食を摂るようになって、つまり織田家に仕えるようになって、何年が経過したかを光秀は追想したのです。
その後愛宕権現の一院である威徳院に入り、僧たちは大いに驚きますが、光秀は一人でいることを望んでいると伝え、まず入浴をします。しかし入浴中、最早光秀がやっていることは、考えるという能動的なものではなく、既に思考を止めてしまっているに等しいものでした。

体を洗っていた近習の少年には、無論光秀の気持ちはわかりません。やがてこの少年が、体を洗い終わったと声を掛けるまで、光秀は呆然とした状態のままでした。ただ、この近習の少年をも地獄に陥れねばならぬかと、そういう感情に支配されてはいたようです。
その後帷子に着替えた光秀は、本堂、奥ノ院に行かねばならないと思いつつも、気が重くなり、縁に座ったまま辺りを眺めていました。京の信長の守りは手薄で、しかも織田の司令官たちはすべて遠方におり、やるのなら今だという気持ちに囚われ、迷った挙句、この決断を神仏にまかせようとした、それがこの参篭の目的でした。

光秀は、信長の「道具」である自分が追放されるのではないか、あるいは荒木村重のように、妻子が殺されてしまうのではないかと恐れつつ、まず信長の命令通り備中へ向かうことにします。
坂本城に戻った後亀山城に入り、その後愛宕山に参篭することを決めた光秀ですが、この参篭の目的は、恐らく今まで考えてもいなかった大それたことの是非を、神仏に委ねることにありました。
つまり、京滞在中の信長を討つということです。これは思わぬ好機ではありましたが、年月をかけて周到に準備したことではないために、光秀は度を失っていました。

物語は、本能寺直前の光秀の描写へ入って行きます。この『国盗り物語』では、光秀が主人公でないにもかかわらず、信長よりも光秀の描写が細かく綴られている部分があり、それによって光秀の、信長の道具にしか過ぎないという苦悩ぶりが浮き彫りになっています。
『麒麟がくる』では、脚本の池端氏が、本能寺から逆算しないという描き方をするとコメントしていましたが、つまるところ光秀の生涯のクライマックスは本能寺である以上、逆算しないという描写はかなり難しくもあり、また本能寺から山崎の戦いがなかったことで、どこかやはり焦点がぼやけた感はあります。


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[ 2021/05/09 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『青天を衝け』の感想も書いています。またBSで再放送中の『黄金の日日』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも来年の大河が始まる前に、三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2021年には北半球最強であるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの試合も組まれています。このチームにいい試合をし、今後さらに上を目指してほしいものです。国内のラグビーも、2022年からはいよいよ新リーグがスタートです。

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