ラグビー関連でもう2つ。まず、ワールドカップ代表でパナソニックワイルドナイツの堀江翔太選手が、群馬県の聖火リレーに参加です。
ラグビー日本代表堀江翔太 群馬・太田で「感謝伝えようと」聖火ランナー務める
(スポーツ報知)
オリンピックに関しては以前から、東京大会は今年中にやるべきだろうということ、個人的にはオリンピックよりワールドカップ(特にラグビー)の方が好きなこと、オリンピックというイベント自体再検討されるべきであろうことを書いて来ています。ただこのリレーにラグビー選手が選ばれたことは、ラグビーファンとしては嬉しいですね。
それから新リーグの展望について、Bリーグ前チェアマンの大河正明氏のコメントを基にした、球技ライター大島和人氏の記事の紹介です。内容に関して(個人的感想を交えて)ざっと書いておきます。
難航するラグビー新リーグ Bリーグ前チェアマンが語る状況打開の重要ポイント
新リーグの準備室長であった谷口氏が、日本協会の専務理事である岩渕氏と交替したことについて-これに関しては、一部のメディアが色々と書いています-大島氏はこのように述べています。
「実業団スポーツのプロ化は茨の道だ。(中略)そもそもリーグと協会、オーナー企業の力関係はプロアマを問わずハンドリングが難しい(後略)」
また大島氏は選手の人数の多さ、競技の特性による消耗の激しさがデメリットになりやすい点にも言及しています。加えて、大河氏のコメントとして、「ラグビーは儲からない」という点にも触れています。実際ここにも書かれているように、プロであってもラグビー選手の年俸はそれほど高くありません。トップリーグはある意味成功例ではあるものの、今後プロ化してもチームの採算性確保は難しいというわけで、それがプロアマ混合という現実的な路線に落ち着いたとも言えそうです。
実は、ヨーロッパのクラブや南半球の強豪なども似たようなものです。そのため通常のリーグ戦よりも、ヨーロッパのハイネケンカップのように、各国強豪勢による選手権を作ったり、スーパーラグビーのように、数か国が参加する大会が必要になって来るとも言えます。ただスーパーラグビーは、今年はNZと豪州のローカル大会となっています。数年中にまた再編の動きはあるのでしょうか。
このようなこともあり、「代表ビジネス」を大河氏は掲げています。代表の試合で得た収入を、代表選手所属チームに配分するシステムです。配分方法はリーグを通すことにより、お金を払う側の発言権を高くして、リーグの求心力を高めるという狙いもあります。しかし今回の日本代表に限らず、ラグビーの代表ビジネスは以前から行われていました。
ラグビーがアマチュア限定であった時代でさえ、ヨーロッパのファイブネーションズ(現シックスネーションズ)、南半球のNZと豪州によるブレディスローカップ(後にトライネーションズを経て、今のラグビーチャンピオンシップ)などは代表ビジネスであったと言ってもいいでしょう。さらに、今年の夏日本が戦うことになるブリティッシュ&アイリッシュライオンズの、ダウンアンダー(北半球から南半球への南下)ツアーも、ラグビー界に取ってはお客さんを呼べる試合です。ラグビーならではの、リーグよりも代表が要となる事情はこういった点に起因しています。
また日本独自の事情として、ラグビーを観る世代のうち、50代から70代が占める割合が多い点も指摘されています。元々この世代は大学ラグビー、新日鉄釜石(現・釜石シーウェーブス)や神戸製鋼の活躍に触発されており、『スクール・ウォーズ』を観ていた世代とも重なります。
比較的有名な大学で体育会系出身者ともなれば、かなりいい企業に入り、会社の上層部にいる人も多く、そういう人たちの間ではラグビーへの理解が高いという指摘もある一方で、だからこそ今の内にラグビーに投資できるシステムを作らないと、他競技、たとえばサッカーに流れてしまう可能性もあると大河氏は言います。
その他に、チームのカテゴライズに関する不満が企業から出ていることに対し、Bリーグを例に挙げて、要はお金を出してくれる企業の論理を理解すること、企業のメリットを考えることの重要さについても書かれています。ラグビーは殆どが企業チームである以上、これは大きな意味を持ちます。それに加えて、チームを潰さないためにも法人化を促すこと、他競技のビジネスの経験者を呼び込むことなどの点などを大河氏は挙げています。
特に人材登用に関しては、日本ラグビーフットボール協会も前向きであり、法人化も進めてはいるようです。また40代位の世代だと、様々な方面での人脈もあることから、それをもっと活かす必要も出てくるでしょう。
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