『武田鉄矢の昭和は輝いていた』なるBSテレ東の番組があるのを、先日初めて知りました。
タイトル通り武田鉄矢さんの司会で、昭和の映画やドラマ、音楽を紹介する番組のようです。
尤も昭和というのはかなり長い時代です。確かに、この時代は輝いていたと思う人もいるでしょうし、一方で全く輝いていなかった、暗い時代だったと言う人もいるでしょう。また映画や音楽関係などであればまだしも、TV番組はやはり高度成長期から昭和50年代辺りまでの物がメインになっています。
私自身、少し前に昭和40年代のドラマを観ましたが、残念ながらそこまで面白いとは感じませんでした。寧ろこの時代ならではの重さを感じることもありました。またそれ以外にも、郷ひろみさんが出ていたホームドラマの再放送を観たことがありますが、何やら殴りかかるシーンが多く、これもあまりいただけませんでした。
これなら『きのう何食べた?』や、『孤独のグルメ』などの方がよほど面白く感じられます。
昔のに比べて今のは…といった論調はどの時代でも必ずあります。
前にも書きましたが、所謂過去美化バイアス(バラ色の回顧)です。かつて今の若い奴はと言われた世代が高齢者となり、今の若い奴はと言っているわけですね。
無論その時代に20代から50代位の、所謂現役世代の人であれば、それを面白いとも感じたでしょうし、登場人物を我が身に照らし合わせるということもあったことでしょう。
しかしそれと同じように、今の現役世代は今の作品を楽しんでいるのです。無論今はネットや動画配信もあるので、コンテンツそのものの選択肢が増え、皆が似たような番組を観ることは少なくなってはいるでしょう。
私も時代劇などは昔の物を観ることもありますが(今があまりにもこの手の番組がないので)、だからと言って昔のが必ずしも面白い、質がいいわけではないと言ってもいいかと思います。これは大河についても同じことが言えます。
結局「昭和」を一番手放したくないのは、実は視聴者ではなく番組制作に携わる人々ではないでしょうか。
TVを観るのは高齢者が圧倒的に多くなっています。
かつて注目を集めた作品を流すこと、昭和の半ばを感じさせる事物を番組に織り込むことで、一層の視聴率を狙えますし、話題にもなるわけです-無論これまた一概にそうとも言えず、相当な年齢でも『嵐』が好きだったという人もいるにはいます。
懐古趣味を売り物にして、自分たち(TV業界)の存在をアピールするのは、個人的にはどうかなとも思いますが、それでも視聴者をつなぎとめておきたいということなのでしょう。
何やらこの業界の苦悩も感じられてしまいます。
無論昭和のドラマが好きと言う人は、それでも構わないのですが、だからと言って今の作品をディスるのは止めてほしいのです。
尚私としては、昭和(の半ば)的なアイテムの中には、かなり苦手な物もあります。その当時の看板など、かなり後の時代になっても残っていたものがありますが、これが風雨にさらされたりしてさび付き、かなりグロテスクな印象になっていたのを目にして、正直気持ち悪いなと思ったこともあります。
もちろんこういうのが好きで、収集している人もいるでしょうし、それはそれで構わないとは思いますが。
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。
他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。