ここのところ『きのう何食べた?』関連投稿がメインになっていますが、今回は『麒麟がくる』が終わったばかりということで、大河関連です。
まず数字の話になりますが、この『麒麟がくる』、最終回はリアルタイム視聴率が18.4パーセントでしたが、年間平均視聴率は14.35パーセントとなっています。
これまでは『軍師官兵衛』が男性主人公の戦国大河のワーストでしたが、それを1パーセント以上下回り、戦国大河ワースト2位、男性が主人公の戦国大河ではワースト記録となりました。
歴代大河視聴率ワースト10、()内は放送年と関東地方の平均視聴率。
視聴率は小数点以下0切り捨て、2000年以前の作品は小数点一桁まで。
いだてん(2019、8.17) 花燃ゆ(2015、12.00) 平清盛(2012、12.01) 西郷どん(2018、12.72) おんな城主 直虎(2017、12.8) 花の乱(1994、14.1) 麒麟がくる(2020-21、14.35) 竜馬がゆく(1968、14.5) 八重の桜(2013、14.58) 軍師官兵衛(2014、15.84)
放送開始が遅れたこと、コロナ禍で放送が休止の時期があったことも災いしたのでしょうが、それだけとは言えない事情もあります。何よりも、近年とみにリアルタイム視聴率は下がっています。これには以下のような理由がありそうです。
まずBSで先行放送されるようになったため、そちらを先に観て、本放送時には民放を観たり、TV視聴以外のことをしていたりするというケースが挙げられます。
元々BS放送は本放送後だったのですが、『江~姫たちの戦国~』が放送された2011年の4月からBS放送先行となり、2010年代からリアルタイム視聴率が下がった一因となったと思われます。固定ファンがつきそうな、三谷幸喜氏の『真田丸』のみ何とか数字を取れましたが、それでも『江』よりも低かったのです。NHKも視聴率を考えるのであれば、みすみすリアルタイムの数字を下げるような先行放送はやめるべきでしょう。また視聴率がいい時は嬉しそうにする一方で、悪い時は公共放送だからと言ってみたり、これではダブスタもいいところです。
それから、やはり大河を昔から観ている、TVを観ているという人々が減って来ており、それが数字に響いているのは否定できません。
尚内容に関してですが、今の方が一概に悪いとも言えないかと思います。昔も今もいい作品もあれば、そうでない作品もあったと取るべきですが、昔はネットがないため、評価を可視化できる手段が少なく、そのため大河はすべてよかったとされていた感がなきにしもあらずです。
またかなり前のは映像そのものが殆どない、またビデオが普及していないなどで、同じ大河をリピートして観ることができず、それも評価に影響しているのではないでしょうか。
尚制作統括の落合プロデューサーですが、
「全ての回を制作・放送することができて感無量の思いです」
とコメントしています。しかしながら、このコメントには肝心な点が抜け落ちています。今回はコロナ禍により、例外的に休止期間を挟んで、2年間にわたっての放送となりました。
ならば、休止後に再開された後も観続けた視聴者に対して、何か一言あってしかるべきだったのではないでしょうか。くどいようですが、大河はその視聴者の受信料で作られているのです。このコメントは、単に制作サイドとしての意見でしかありません。
あとメディアによっては「『いだてん』から好転」とありますが、いくら何でも男性主人公の戦国大河と『いだてん』を同列に論じるのは噴飯物です。
しかし先日の放送分、最後のところだけ観たのですが、あれではまるでファンタジーです。 内容に関してはまた改めて。
(この項続く)
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