『きのう何食べた?』正月スペシャル2020についてごくざっと。しかし2021年のお正月まであと半月なのに、2020年の正月スペシャルというのも今更感がありますが、それはともかく。このスペシャルは3つの章から構成されていて、それぞれ3月、4月、5月の出来事が描かれています。
テーマは「誰のために時間とお金を使いたいか」
第1章
史朗と賢二は、小日向から高級焼肉店で接待される。そこには妄想ジルベールこと航もいて、相変わらず何だかんだと言っている。そこへ元アイドルの三谷まみがやって来る。かつてまみのファンだった史朗に賢二は嫉妬気味だが、この月に誕生日を迎えた史朗にブランド物の傘をプレゼントする。史朗は喜びつつも、賢二の金銭感覚が少々不安である。その頃、史朗に母久栄から、お金を少し融通してほしいと言われる。かつて久栄は新興宗教にはまってお金を使い込んでしまうが、史朗は、それは自分に原因があると思っていた。その久栄は、史朗に誕生日のプレゼントとしてどんこを送っていた。
第2章
小日向が史朗と賢二の許を尋ねて来る。事務所に所属する俳優の誘いを断れず、航と映画に行く約束をキャンセルして潮干狩りに行ったのだが、約束を破られた航がへそを曲げてしまい、アサリを持ってやって来たのだった。史朗はアサリをいくつか小日向に持たせ、冷凍するように勧める。デイトレーダーである航は、冷凍庫にアサリが入っているのを見つけ、その後買い物に出て賢二と出会い、話をする。その後航はアサリを入れたキムチスープを作り、小日向にも勧める。一方史朗は夕食にかやくご飯とキャベツとアサリのベーコン煮、そして肉豆腐を作り、賢二は大喜びする。
第3章
民事再生の案件で多忙な史朗に代わり、賢二が料理その他の家事を請け負っていたが、予想以上にお金を使っていることがわかる。その後チラシのアプリを勧められ、段々と賢二も買い物がうまくなって行く。帰りが遅い史朗も、作り置きしていた料理を食べたり、シャツにアイロンをかけてくれたことに礼を言ったりで、賢二もほろりとする。その後も2人での食事がなかなかできなかったが、ある日賢二は贅沢をしようと、鶏もも1枚と玉ねぎ1個、ご飯2膳分でチキンライスを作り、オムレツを載せてオムライスにする。その時史朗が帰ってくる。賢二は戸惑うが、そのオムライスを史朗に食べさせようとする。しかし史朗は言う。
「2人で食べよう」
その後賢二は史朗を事務所まで送って行くのだった。
第1章の傘とどんこ、第2章のアサリ、そして第3章の賢二の料理などに、このスペシャルのテーマが窺えます。第3章などは、正に「尽くす」タイプの賢二そのままに見えますが、一度はめを外そうとした時に史朗が戻って来ます。尽くすと言いつつ、時々ルール破りなことをやってしまうのが賢二らしくて、こういうキャラは割と好きですね。賢二は一瞬たじろぐものの、久々の2人の食事でめでたしめでたしです。
しかし小日向のアサリですが、かなりの収穫量です。小日向は普段、家でデイトレーダーをやっている航のために、料理をあれこれ用意して冷蔵しているのですが、航はそれには目もくれず、しかしアサリにだけは心を奪われたようで、その辺にあった材料をぶち込んでアサリ入りキムチスープを作ります。アサリなんて大嫌いなんて言っていたのに、あれは単にすねていたのですね。しかも小日向が戻るまで、キッチンは散らかし放題、彼に片付けさせるというのは、如何にも妄想ジルベールらしいわがままさです。
それとこれも先日書いていた『みをつくし料理帖』ですが、NHK版は料理そのものが黒木さんによって紹介されるのも、ポイントが高かったといえます。あとキム兄こと木村祐一さんの清右衛門も、如何にもきわどいことまで書きそうな戯作者の雰囲気が出ていましたし、小松原の一癖ありげな風貌もよかったです。
それから『孤独のグルメ』、30日と2021年元旦に再放送ありとのこと。30日は昨年のが再放送されることになるのでしょうか。詳しくは、後日発表の予定です。
スポンサーサイト