先日、『ありがとう』シリーズ絡みで、女性警官及び看護師の服装に関して投稿をしています。これと同じようなことが客室乗務員(CA)についても言えるかと思います。警官も元々は男性のアシスタント的な意味合いはあったでしょうが、看護師やCAは人と接することが特に多く、そのため、制服の与えるイメージが、その職業へのイメージと重なるのは否定できません。
ナースキャップとワンピース型白衣の看護師はかつて、「白衣の天使」とも呼ばれており、一種独特の、患者としてみれば心和むイメージを与えていました。私も子供の頃から、かなり看護師さんにお世話になって来ただけに、それは否定しません。しかし医療現場のシビアさ、治療や救命を旨とする職務ということもあり、いつまでも「天使」だけではいられなくなったともまた言えます。無論戴帽式などは今もあるでしょうし、伝統儀礼としてこういうのは残しておいていいかとも思います。
そしてCA(客室乗務員)、これも似たような印象があります。機内という限られたスペースの中で、スカートやワンピースの制服で仕事をするのは大変だろうと思わなくもありません-ただスターフライヤーは、初めから女性用の制服にパンツを採り入れていますし、外国ではパンツスタイルの女性CAも多いです。『半沢直樹』のエピソードに、帝国航空の乗務員の制服に関するシーンが出て来ますが、このデザインは男性のデザイナーに委ねられています。そのことがらみか否かはともかく、半沢はユニフォーム変更に関しては、社員の話も聞くべきと一喝するのですが、それで思い出すことがあります。
以前JALの制服が一般公募のスーツ式だった頃、CA、当時のスチュワーデスが動きにくいと洩らしていたのを、たまたまある空港で耳にしたことがあります。この制服そのものは、それまでとは違ったかなり新しいデザインで、確か初めて一般公募された制服でした。スーツ式のスカートのデザインが多少動きにくかったらしく、その後女性デザイナーである稲葉賀恵氏のデザインに変わったようです。
そしてこCAの制服も、かつてはミニスカートの時代がありました。ここでジェンダー論をぶつ気はありませんが、こういうのを見ると、その時代背景とか、恐らくはそのサーヴィスを受ける側の、男性の目もあったのだろうなと思います。特に女性の進出があまりなかった職場であるとか、女性の役割分担がはっきりしていて、男性にはない当たりの柔らかさを求められていた時代というのは、概ねそのようなものでしょう。無論その当時はそれが当たり前というか、さほど抵抗もなく世間が受け止めていたのでしょうし、もちろんこれまで何度も書いて来ているホームドラマの設定にも、そういった考えは反映されていると思われます。
しかしそれぞれいくらかの違いはあるにせよ、70年代のホームドラマ、あるいは恋愛をテーマとしたドラマは、今時のドラマに慣れた目からは供給過剰ではないかとも思えるほど多いのですが、恐らくそれでもニーズがあり、それによって一つの時代を作って来たのだと言えるでしょう。今のお笑い系バラエティも似たようなものかも知れません。それにしてもこういうホームドラマをリメイクして、刑事ドラマなり医療ドラマなり、別の形にアレンジすることはできないのかとも思うには思うのですが、設定を大幅に変えることになるため、やはり難しいでしょうか。
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