今日は番外編です。NHKの『ネーミングバラエティ-日本人のおなまえっ!』で河童が紹介されたので、それにちなんで。
https://www4.nhk.or.jp/onamae/ (NHK ONLINE)
まずこの河童、かつては地域によって姿かたちも名称もばらばらでした。土佐のシバテン、これは『竜馬がゆく』を読んだことのある人ならご存知でしょう。「相撲取ろう」と言って人間に近寄ってくるのですね。そして天保7(1836)年の『水虎考略』で、所謂河童のビジュアルが統一されたことが紹介されています。この『水虎考略』に関しては、この河童関連投稿のその2で触れています。
そして昭和初期の芥川の『河童』となるのですが、この時に、Kappaと発音してくれという、例の謎の一文が紹介されます。これに関して研究者の畑中章宏氏は、芥川の生まれ故郷である本所両国が、河童が出るとされた隅田川沿岸であることが、大きく関わっていると説明しています。これに従うと、東京での呼び名であるカッパを全国区化させたかったということになります。尚このカッパという発音に関して、小さい「つ」という促音と、「ぱ」の半濁音を続けることで、話し言葉に近くなる(=親しみやすくなる)という指摘が金田一秀穂氏からなされています。しかし私としては、河童はギリシア文字のKと同じ発音というのが妙に気になります。
その後は河童忌の説明となるわけですが、この部分を含め、芥川作品に関しての進行が、一部初心者を意識した感があるのと、河童橋が登場しなかったのが如何にも残念です。台本にもう少し工夫がほしいところです。それと宮崎美子さんには、もう少し作品関連のことを喋らせてよかったのではないでしょうか。それとはまた別になりますが、せめて小学生か中学生の頃までに、『蜘蛛の糸』『河童』程度は読んでいてほしいなとも思います。
個人的にはもう少し攻めるというか、マニアックに突っ込んでほしかったです。もちろんこの番組は、他にもアマビエや鬼などを含めた妖怪の名前の紹介であり、河童のみを特集したものではないので、仕方がないとは思います。ならばいっそのこと、この『河童』関連でドキュメンタリーでもEテレ関連でもいいので制作してほしいものです。言っちゃなんですが、受信料というのは本来そういうのに使われてしかるべきでしょう。
ところで先日の受信料に言及した投稿で、NHKの公共性にも触れていましたが、私としては『ブラタモリ』の方がドラマよりも遥かに公共性があるように思われます。
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