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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『河童』に関して思うこと-3

『河童』に関する投稿その3です。人間である主人公(僕)と河童の価値観の違いが描かれますが、その中でも産児制限に絡めて、特に有名な、子供が生まれる前にその子の意志を問う場面が出て来ます。要は親が子供に生まれて来たいかどうかを問い、子供が拒否すれば中絶させてしまうというものです。

生まれる前に自分の意志をはっきり伝えるのですから、子供たちは、生まれてすぐに一人前に喋ったり歩いたりすることができます。しかしどうやって、生まれたくない理由(父親の遺伝子、河童としての存在への嫌悪)を子供が知り得たのかはもちろん不明です。結局生まれ出ることのなかった子供たちは、何か別の存在に転生したりするのでしょうか。

それから義勇隊が登場します。と言っても、健全なる河童と不健全な河童を結婚させて悪遺伝を撲滅しようというわけで、ちょっと不気味でもありますが、これがポスターとして街角にあるということは、一種の国策的な取り組みでもあるのでしょう。これをラップなる大学生が読み上げ、身分違いの恋というか、持てる者と持たざる者の恋などはその一例だといったことを話します。しかしこのラップの言葉はまだ納得ができますが、ポスターに書かれている(と主人公が話している)のを実現するのであれば、両者がプラスとマイナスそれぞれの面でどこか突出した部分があってこそ、初めて互いに補填し合うに至るわけなので、単に健全と不健全なる者同士だけでは、ちょっと弱いような気もするのですが…。

ちなみにこのラップは、人間の義勇隊についても触れています。恐らく軍隊のことでしょう。この作品が発表されたのは昭和2(1927)年ですが、ほどなく世界恐慌が怒り、世界中が不安定な様相を呈し始めます。

ここでちょっと余談ですが、先日三浦春馬さんが亡くなられた際に、主人公の孫の役を演じた出演作『永遠の0』(映画の方です)で、友人から特攻隊員であった祖父をテロリストとなじられるように言われたことに、ブチ切れるシーンをツイートしている人がいました。しかし私としては、その後祖父の戦友であり、どう見ても堅気には見えない景浦介山の所へ行って話を聞くのが、一番面白く感じられたものです。この景浦は、もう一人の主人公と言っていいでしょう。

閑話休題。主人公はこのラップに詩人のトックを紹介して貰っています。このトックは超人倶楽部という、一種の文化人サロンのような組織のメンバーでもあり、所謂芸術家肌で結婚や家庭を嫌いつつ、どこかでそういった存在に羨望の眼差しを向けてもいます。

このトックが作品中で言うことは、恐らく当時のインテリ層、特に社会主義に傾倒している層の考えを代弁していると言えるでしょう。『改造』という、社会主義的な雰囲気のあるメディアに掲載されたからということも無論考えられます。社会主義者だの無政府主義者だのという言葉が出て来ます。個人的には無政府主義(アナーキズム)などというのは、かなり自己矛盾であると思うのですが、それはともかく。この作品ではこういう、人間社会、特に当時の日本の文化人社会をスライドさせたような場面と、河童そのものの世界に根付いた場面とではかなり与える雰囲気が違います。後者の方はかなり生々しく、しかもどこか野蛮ではないかと思われるふしさえあるのですが、これはこの後でまた書くことにします。

ところで主人公の万年筆を盗んで行ったのは、前出ラップのようです。

飲み物-アイスコーヒー5
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[ 2020/07/31 00:00 ] | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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